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サイクルポータルサイト「Cyclist」寄稿-ロードレース2013シーズン展望<3> グランツール編

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1月5日に「cyclist」にてアップされました、ロードレース2013年シーズン展望第3弾。

 

Cyclist

ロードレース2013シーズン展望<3> グランツール編

ウィギンスは“ダブルツール”狙いか

コンタドールのマイヨ・ジョーヌ返り咲きは?

 

ジロ・デ・イタリアのコース解説から始まり、3つあるグランツールの主役となるであろう選手にスポットを充てています。

1月8日にジロの出場チーム(ワイルドカード)が発表となり、1月12日にはブエルタのコース発表があります。

その前に、ぜひ予習の意味で読んでいただけると幸いです。

 

2013年展望記事は、全3回で終了です。

3つの記事どれも読みごたえありと自負しております、どうぞよろしくお願いします。

 

ロードレース2013シーズン展望<1> チーム・選手編

ビッグネームの移籍&UCIプロチームの入れ替わりで勢力の激変なるか!?

 

ロードレース2013シーズン展望<2> シーズン前半編

春のクラシック“本命”はシーズン序盤で分かる! 1月からレース結果をしっかりと追うべし

 

cyclist http://cyclist.sanspo.com/

 

ジロ・デ・イタリア-Review(第19~21ステージ、戦評)

1件のコメント

最後の3ステージのReviewと、戦評をまとめてみたいと思います。

まぁいつものごとく、戦評は結構な偏りがありますので軽く読み流す程度でお願いします(笑)。

 

第1~3ステージのReviewはこちら

第4~7ステージのReviewはこちら

第8~11ステージのReviewはこちら

第12~15ステージのReviewはこちら

第16~18ステージのReviewはこちら

 

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ジロ・デ・イタリア-5月5-27日

 

●第19ステージ(Treviso~Alpe di Pampeago/Val di Fiemme、198km、難易度5)-5月25日

 

【結果】

1.ローマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ) 6:18:03

2.ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・バラクーダ) +19″

3.ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) +32″

 

【総合(マリア・ローザ)】

1.ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 84:06:13

2.ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・バラクーダ) +17″

3.ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD) +1’39”

 

●ポイント賞(マリア・ロッソ・パッショーネ)

マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、SKY) 138pt

 

●山岳賞(マリア・アッズーラ)

マッテオ・ラボッティーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・セッレイタリア) 65pt

 

●ヤングライダー賞(マリア・ビアンカ)

リゴベルト・ウラン(コロンビア、SKY) 84:09:34

 

●チーム総合

モビスター 251:17:10

 

フルリザルト(公式サイト)

 

5つのカテゴリー山岳を通過し、獲得標高5000m超えの超級山岳ステージ。

ゴール地点となるパンペアーゴを2回通過。

ゴール前3kmは最大勾配16%、平均勾配11.7%の高難易度。

 

山岳を進むにつれ逃げ集団がばらける中、メイン集団はリクイガスとカチューシャが中心でコントロール。

1回目のパンペアーゴ通過時点でメイン集団は30人ほどに。

 

最後から2つ目となる2級山岳でメイン集団からカタルドとクロイツィゲルがアタック。

逃げ続けていたカザールとピラッツィに追い付くと、そのまま2回目のパンペアーゴへ。

 

残り4kmを切ってクロイツィゲルが飛び出すと、他の3人は対応できず。

一方のメイン集団では、残り3kmを前にスカルポーニがアタックすると、総合上位勢のみが生き残る展開に。

スカルポーニのハイペースの牽きに各選手徐々にダメージを受け、最後まで食らいついたのはヘシェダルのみに。

 

第17ステージでまさかの惨敗を喫したクロイツィゲルは最後まで意地を見せ、最後は追い詰められながらも雪辱となるステージ優勝のゴールへ。

2位争いは、残り1100mでアタックしスカルポーニを振り切ったヘシェダルが19秒遅れでゴール。

ゴール目前でスカルポーニを逆転したロドリゲスに対し13秒差を付け、総合でも17秒差に。

終盤のハイペースに屈したバッソはトップから55秒遅れの6位でのゴールとなり、総合でも1分45秒遅れに。

 

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●第20ステージ(Caldes/Val di Sole~Passo dello Stelvio、219km、難易度5)-5月26日

 

【結果】

1.トーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM) 6:54:41

2.ダミアーゴ・クネゴ(イタリア、ランプレ・ISD) +56″

3.ミケル・ニエベ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) +2’50”

 

【総合(マリア・ローザ)】

1.ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 91:04:16

2.ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・バラクーダ) +31″

3.ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD) +1’51”

 

●ポイント賞(マリア・ロッソ・パッショーネ)

ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 139pt

 

●山岳賞(マリア・アッズーラ)

マッテオ・ラボッティーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・セッレイタリア) 84pt

 

●ヤングライダー賞(マリア・ビアンカ)

リゴベルト・ウラン(コロンビア、SKY) 91:09:08

 

●チーム総合

ランプレ・ISD 272:34:29

 

フルリザルト(公式サイト)

 

今大会のチマコッピ・ステルヴィオでの最終決戦となった第20ステージ。

5つのカテゴリー山岳が控え、ステルヴィオの1つ前には1級山岳・モルティローロがそびえる難コース。

 

レース前半の第18ステージの勝者であるグアルディーニらスプリンターを中心に、上りでチームカーにつかまった選手たちが次々と失格になるハプニングはあったものの、前方では順調に距離を消化。

モルティローロでは逃げメンバーからザウグが1人抜け出し、激坂をクリア。

メイン集団からは総合8位に付けるデヘントがアシストのカラーラとともに飛び出し、そこにクネゴらが乗る展開に。

 

ステルヴィオに突入すると、ザウグにデヘントらが合流。

続いてニエベらも加わり、総合ジャンプアップを狙って登坂に入ります。

メイン集団はこの時点で総合上位勢だけしか残っていない状態。

 

残り20kmを切ってデヘントがアタックすると、ニエベとクネゴだけが反応。

そこから残り13kmを切って再びデヘントが攻撃を仕掛けると、いよいよ独走態勢に。

メイン集団ではヴァンデヴェルデがヘシェダルのために牽き続けるも、デヘントとの差は開く一方。

ヴァンデヴェルデが仕事を終えると、総合上位勢によるお見合いとなり、翌日のTTを見据え最もマリア・ローザに近くなっているヘシェダルが自ら牽かされる格好に。

 

あわやバーチャルマリア・ローザかというところまでタイム差を広げたデヘントは、驚異的な走りで完璧なステージ優勝。

TTを得意とすることもあり、一躍総合優勝候補に。

デヘントから後れをとったものの、自分のペースを貫いたクネゴが2位、ニエベが3位に。

 

総合争いは、ヘシェダルのペースにまずはバッソが脱落。

そしてスカルポーニがアタックすると、ヘシェダルとロドリゲスが遅れます。

しかし、ゴール直前で猛追したロドリゲスがゴール前でスカルポーニをパスし、そのまま4位でゴール。

その12秒差でスカルポーニが、さらに14秒差でヘシェダルがゴール。

 

総合争いはロドリゲスとヘシェダルが31秒差で最終ミラノでのTTに臨むことに。

また、2分18秒差の総合4位までジャンプアップしたデヘントの逆転表彰台はおろか、総合優勝の可能性も出てくる形に。

また、ロドリゲスはこの日ステージ4位となり、マリア・ロッソ・パッショーネをカヴェンディッシュから奪取することに成功し、最終ステージを前にポイント賞をほぼ手中に収めました。

 

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●第21ステージ(Milano~Milano、28.2km、難易度3)-5月27日

 

【結果】

1.マルコ・ピノッティ(イタリア、BMCレーシングチーム) 33:06

2.ジェラント・トーマス(イギリス、SKY) +39″

3.ジェシー・サージェント(ニュージーランド、レディオシャック・ニッサン) +53″

 

フルリザルト(公式サイト)

 

ここまでグルペットでやり過ごしてきたTTスペシャリストにとって、最後の大チャンス。

また、総合争いも最終ステージまでもつれ、多くの見どころがありました。

 

この日の優勝候補筆頭とも言われたトーマスは期待にたがわず、33分45秒をマーク。

他を圧倒するスピードを見せ、更新は難しいと見られていました。

ところが、この大会は落車の影響もあり総合争いを諦めていたピノッティが本領を発揮。

33分06秒、平均時速にして51km/hをマーク。

余裕のステージ優勝となりました。

 

一方の総合争い。

総合4位のデヘントは第1計測ポイントで5位のタイム。

スカルポーニも13位のタイムで通過し、好ペースを刻みます。

ヘシェダルはデヘントを1秒上回るタイムで通過し、ロドリゲスはヘシェダルから29秒遅れのタイム。

この時点でヘシェダルのマリア・ローザ獲得の可能性が高まります。

第2計測ポイントではデヘントとヘシェダルが同タイム。

ロドリゲスはこの時点でヘシェダルに逆転を許し、厳しい状況に。

 

デヘントの勢いは衰えず、34分07秒の好タイムで5位に。

スカルポーニがデヘントから53秒遅れでゴールし、デヘントの3位以内が確定。

ヘシェダルは後半失速したものの、34分15秒で6位のタイムをマークし総合2位以内を確定させます。

そして最終走者のロドリゲス。

後半猛追したものの35分02秒、ヘシェダルから47秒遅れでゴールし、16秒差で総合2位に。

 

この結果、ヘシェダルが初のジロ総合優勝を飾りました。

 

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【総合(マリア・ローザ)】

1.ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・バラクーダ) 91:39:02

2.ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) +16″

3.トーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM) +1’39”

4.ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD) +2’05”

5.イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +3’44”

6.ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・ISD) +4’40”

7.リゴベルト・ウラン(コロンビア、SKY) +5’57”

8.ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、コルナゴCSF・イノックス) +6’28”

9.セルジオ・エナオ(コロンビア、SKY) +7’50”

10.ミケル・ニエベ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) +8’08”

 

●ポイント賞(マリア・ロッソ・パッショーネ)

ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 139pt

 

●山岳賞(マリア・アッズーラ)

マッテオ・ラボッティーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・セッレイタリア) 84pt

 

●ヤングライダー賞(マリア・ビアンカ)

リゴベルト・ウラン(コロンビア、SKY) 91:44:59

 

●チーム総合

ランプレ・ISD 274:19:46

 

フルリザルト(公式サイト)

 

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【戦評】

久々に最終ステージまでもつれる展開となったジロ・デ・イタリア。

ザックリとではありますが、ポイントを挙げてみたいと思います。

 

●総合

まずは何と言ってもヘシェダル。

総合上位を狙える選手であると言われていたものの、最終的にはマリア・ローザを獲得する最高の結果に。

山岳ステージでの安定感は勝利をもたらした要因と言えるでしょう。

それだけでなく、自ら積極的に攻撃に出る姿勢で他の選手の追随を許さなかった点も大きな要素。

さらには、TTTを含むタイムトライアルでの好走も光りました。

大会期間中、TTに強いとは言われていたものの、グランツールでのTT実績はそう高いものとは言えず、特にミラノステージに関しては未知数だっただけに、最後の最後での快走は見事。

今後は総合系ライダーとしてさらなる飛躍を図りたい。

 

ロドリゲスはまたも惜しい結果に。

これまでの敗因として多かったTTの改善が見られたのは収穫。

第10ステージの激坂ゴールで圧勝したように、上りでの一発を武器にここまで戦えることを証明した今大会でした。

ただ、上りでのハイペースを維持することをそう得意としていない分、終盤の難関山岳ステージで大きくアドバンテージを築けなかったのが最後の最後の響く形であったことは否めません。

とはいえ、ここ最近はグランツールのみに照準を絞る総合系ライダーが多数を占める中、シーズンを通してハイレベルで安定した成績を残す数少ない選手であることは間違いありません。

 

まさに“ダークホース”の名がピッタリと当てはまるのが総合3位のデヘント。

これまで“逃げ屋”として驚きのパフォーマンスを見せてきた選手でしたが、チマコッピを制した第20ステージの圧勝劇はその逃げ屋としての勘が活きたと言えそう。

かねてから評価の高かったTTのみならず山岳での強さも証明し、今後はベルギーを代表する総合系ライダーとしての道を歩んでいくことになりそう。

結婚式によるツール回避が既に決まっており、次のビッグレースはブエルタか。

 

ディフェンディングチャンピオンとして臨んだスカルポーニや、5位のバッソは今できうる最大限のレースをしたという印象。

スカルポーニはクネゴとのダブルエース態勢で臨み、最終的にはチーム総合優勝にもつなげる結果に。

しかし、たびたび仕掛けた攻撃が実らず、あと一歩及ばなかった印象。

一方バッソはシーズン序盤の絶不調から上手く立て直しての総合5位。

2年前のジロ総合優勝時とほぼ同じ歩みをしていただけに、今回も最も総合優勝に近い選手と見られていた時期もありましたが、最後は強力なアシスト陣が機能せず、自らも力尽きた格好。

 

今回はイタリア勢が総合表彰台に臨めないという事態となり、来年以降各チーム・選手たちがどう雪辱するか見もの。

最終的に総合6位とまとめたクネゴや、総合8位に入り復活したポッツォヴィーヴォらの奮起に期待。

 

マリア・ビアンカをチーム内で移動させ続けていたウラン、エナオのコロンビア人は今後に大きな期待を抱かせる結果を残しました。

ともにSKYの総合系を担う選手として、今後もウィギンスに続く存在として期待して良いでしょう。

 

●スプリント

ゴール前のテクニカルなコーナーなどでのトラブルが多発し、有力スプリンターたちが力を発揮できないステージが多かったものの、やはりカヴェンディッシュとゴスの2人が抜け出ていた印象。

 

特にカヴェンディッシュは鉄壁のリードアウトマンを揃え、3勝の活躍。

結果的にマリア・ロッソ・パッショーネの獲得にはいたらなかったものの、敢闘賞を獲得しかろうじて今回のジロで名を残すことに成功。

アシストが機能しなかったケースでも、他の有力選手の番手に付けて差し切る上手さを見せられる点で、一枚も二枚も他のスプリンターの上をゆく存在と言えそう。

 

第3ステージでチームにグランツール初勝利をもたらしたゴス。

第9ステージでの落車が響き、その後のステージで勝利を収めることができなかったものの、カヴェンディッシュに続くスプリンターの1人であることは間違いなし。

スピードマンの多いチームだけに、リードアウトが機能し好位置からスプリントを開始できれば、まだまだ勝利を量産するチャンスはあるでしょう。

 

昨年は上りスプリント、今年は大混乱のスプリントを制し、難しい状況での勝負強さに秀でたベントソや、第11ステージを勝利し第3ステージでの斜行の汚名を返上したフェラーリも十分評価に値する戦いぶり。

特にフェラーリは問題となった第3ステージ以外でもたびたび上位に食い込み、実力のあるところを見せていたことは見逃せません。

また、第18ステージでカヴェンディッシュを完璧に打ち負かした若きスプリンター・グアルディーニの勝利も称賛に値する走りでした。

 

●その他

TTスペシャリストとしての将来を嘱望されるフィニーは第1ステージを勝利し、マリア・ローザを3日間着用。

今後はどう成長するか注目の逸材。

 

昨年までNIPPOに所属し日本のレースでも大活躍したルビアーノが第6ステージを制し、一時は山岳賞争いのトップに。

元々の実力はもちろんですが、日本のレースで戦った選手たちにも世界へ羽ばたくチャンスがあることを意味する活躍だったと言えるでしょう。

 

そしてその山岳賞を奪取し、最後まで守り続けたラボッティーニ。

第15ステージでの劇的なステージ優勝は、今大会のハイライトの1つに数えられることでしょう。

まだプロ2年目、今後どこまで力を伸ばせるか期待の1人。

 

最終的に総合争いから後れをとったものの、第7ステージを制したティラロンゴや、第19ステージを制したクロイツィゲルの活躍は、アスタナチームの今シーズンの強さを裏付けるものでした。

シールドライエルスやカンゲルトといった若手のアシストとしての働きぶりも見事。

 

第16ステージで大逃げを決めたイザギレもエウスカルテルで今一番売り出し中の若手。

逃げを得意とする兄とは対照的に、ミドルツールなどでは総合力も発揮しており、将来的にはS・サンチェスやアントン、ニエベらに続く存在になる可能性も。

 

そして別府選手の2年連続の完走は外すことができません。

今年は第7ステージで逃げを決め、大きな期待を抱かせてくれました。

また、スプリント時のリードアウト前半部を担当し、たびたび集団を牽引する姿がありました。

今回のアシストとしての働きぶりは大会を通じて注目される存在となり、よりトップライダーとしての地位を確立した3週間であることは間違いありません。

次はやはり勝利が欲しいところ。

今シーズン中にぜひとも勝利を飾るシーンを見せてほしいものです。

 

ジロ・デ・イタリアオフィシャルサイト http://www.gazzetta.it/Speciali/Giroditalia/2012/it/

 

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ジロ・デ・イタリア出場チームが決定

 

ジロ・デ・イタリア-Review(第16~18ステージ)

1件のコメント

最後の最後までもつれにもつれた今年のジロ。

既に閉幕してしまい、こちらでのReviewがだいぶ追い付いておりません…。

そもそも同時進行なんぞ私のスキルでは難しく、まぁ気ままにタイミング見ながらやっている感じですので、もし読んでいただけるのであれば「あぁ、こんなシーンあったな…」くらいの感覚で捉えていただけると嬉しいです。

そう大きな期待はせずにお願いします(笑)。

 

早速脱線しましたが、今回はひとまず第16~18ステージをReview。

劇的な最終3ステージは…もったいぶっているということにしてくださいませ!

 

第1~3ステージのReviewはこちら

第4~7ステージのReviewはこちら

第8~11ステージのReviewはこちら

第12~15ステージのReviewはこちら

 

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ジロ・デ・イタリア-5月5-27日

 

●第16ステージ(Limone sul Garda~Falzes/Pfalzen、173km、難易度3)-5月22日

 

【結果】

1.ヨン・イザギレ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) 4:02:00

2.アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ) +16″

3.ステフ・クレメント(オランダ、ラボバンク) +16″

 

【総合(マリア・ローザ)】

1.ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 69:22:04

2.ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・バラクーダ) +30″

3.イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +1’22”

 

●ポイント賞(マリア・ロッソ・パッショーネ)

マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、SKY) 110pt

 

●山岳賞(マリア・アッズーラ)

マッテオ・ラボッティーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・セッレイタリア) 41pt

 

●ヤングライダー賞(マリア・ビアンカ)

セルジオ・エナオ(コロンビア、SKY) 69:23:59

 

●チーム総合

モビスター 206:52:22

 

フルリザルト(公式サイト)

 

休養日明けのステージは、逃げ有利なレイアウト。

その通り、序盤に逃げた選手たちによるステージ争いとなります。

 

10人の逃げは、ゴールまで5kmを切って登場する勝負どころの急坂で動きます。

エラダのアタックをきっかけに、好反応を見せたのはイザギレ。

エラダのほか、デマルキやフランクが追走を試みるも結局ゴールまで追い付くことは無く。

今シーズン、ステージレース・ワンデーレースともに上位でゴールするなど成長株の1人であったイザギレがグランツール初勝利。

デマルキは第14ステージに続き、今回も惜しいところでステージ優勝を逃す結果に。

 

メイン集団は翌日からの難関山岳に向け、無理をせず集団でゴール。

一時は逃げに対し13分以上の大差を容認するも、最終的には9分弱の差でステージを終えています。

 

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●第17ステージ(Falzes/Pfalzen~Cortina d’Ampezzo、186km、難易度5)-5月23日

 

【結果】

1.ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 5:24:42

2.イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス) s.t.

3.ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・バラクーダ) s.t.

 

【総合(マリア・ローザ)】

1.ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 74:46:46

2.ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・バラクーダ) +30″

3.イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +1’22”

 

●ポイント賞(マリア・ロッソ・パッショーネ)

マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、SKY) 110pt

 

●山岳賞(マリア・アッズーラ)

マッテオ・ラボッティーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・セッレイタリア) 65pt

 

●ヤングライダー賞(マリア・ビアンカ)

リゴベルト・ウラン(コロンビア、SKY) 74:49:42

 

●チーム総合

モビスター 223:11:25

 

フルリザルト(公式サイト)

 

雌雄を決する第3週の超級山岳第1戦。

2級、1級、2級、1級とこなし、最後はゴールに向かって約20kmのダウンヒル。

この日最後の1級山岳であるパッソ・ジャウは平均勾配9.3%。

ここの上りと下りで大きな差が付く可能性があると言われていました。

 

総合上位を狙う選手たちの中でニエベがこの日2つ目のカテゴリー山岳で抜け出しを図るも、結局成功にはいたらず。

一方で、2つ目の2級山岳で優勝候補の1人であるクロイツィゲルがまさかの脱落。

上りでの高速巡航を図るリクイガスのペースに対応できず、この時点で優勝戦線から離脱することとなります。

 

パッソ・ジャウに突入し、バッソが自らのペースに持ち込むと今大会好調だったティラロンゴやデヘントが脱落。

ここで生き残ったのはバッソのほか、ロドリゲス、ヘシェダル、スカルポーニ、ウラン、ポッツォヴィーヴォの6人。

いよいよ総合優勝を争うメンバーが絞られる格好に。

 

頂上に近づきヘシェダルやウランがアタックを試みるも失敗。

そして頂上を目前にポッツォヴィーヴォが一気にペースアップすると、スカルポーニとウランが遅れます。

 

4人のダウンヒルはヘシェダルが抜群のテクニック。

下りが苦手なバッソはたびたび中切れを起こしかけ、ロドリゲスにポジションを奪われるなどピンチがあるも何とか持ちこたえます。

また、スカルポーニとウランも下りで集団に復帰し、6人でのゴールスプリントに。

 

若干の牽制はあったものの、このメンバーではやはりロドリゲスのスプリントが一枚上手。

バッソやヘシェダルの粘りはあったものの、危なげなくステージ勝利を飾りました。

 

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●第18ステージ(San Vito di Cadore~Vedelago、149km、難易度1)-5月24日

 

【結果】

1.アンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・セッレイタリア) 3:00:52

2.マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、SKY) s.t.

3.ロベルト・フェラーリ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ) s.t.

 

フルリザルト(公式サイト)

 

今大会最後のスプリントステージ。

出場選手中、マリア・ロッソパッショーネを狙う“唯一”の選手、カヴェンディッシュにとっては1ポイント差に迫られたロドリゲスとの差を何としても広げたいところ。

後のステージを考えると、最低限ステージ優勝がノルマでもありました。

 

実際、中間スプリントポイント目前に逃げを吸収。

アシスト全員を使っての早々の攻撃で一時集団で中切れが発生したほど。

無事1位通過し、まずは5ポイント獲得。

 

その後、フーガ賞狙いの選手たちによる逃げはあったものの、最終局面までに難なく吸収し定石通りのスプリントへ。

ところが、中間スプリントに脚を使ったSKYの勢いに伸びが無く、サクソバンクトレインに主導権を握られる状況に。

それでもアイゼルとトーマスのリードアウトで、カヴェンディッシュは好位置からスプリントを開始。

 

しかし途中で脚を使ったのがアダとなったか、カヴェンディッシュは伸びず。

別ラインから抜群の伸びを見せたのは、最終コーナーでカヴェンディッシュの2つ後ろにいたグアルディーニ。

イタリア期待の若きスプリンターが最後のスプリントステージでビッグな勝利を収めました。

 

カヴェンディッシュはこの敗戦によりマリア・ロッソパッショーネをミラノまで守ることができるか微妙な状況に。

翌日、翌々日に控える山岳ステージでのロドリゲスの走り次第となりました。

 

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【総合(マリア・ローザ)】 ※第18ステージ終了時点

1.ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 77:47:38

2.ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・バラクーダ) +30″

3.イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +1’22”

4.ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD) +1’36”

5.リゴベルト・ウラン(コロンビア、SKY) +2’56”

6.ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター) +3’04”

7.ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、コルナゴCSF・イノックス) +3’19”

8.パオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ) +4’13”

9.トーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM) +4’38”

10.セルジオ・エナオ(コロンビア、SKY) +4’42”

 

●ポイント賞(マリア・ロッソ・パッショーネ)

マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、SKY) 138pt

 

●山岳賞(マリア・アッズーラ)

マッテオ・ラボッティーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・セッレイタリア) 65pt

 

●ヤングライダー賞(マリア・ビアンカ)

リゴベルト・ウラン(コロンビア、SKY) 77:50:34

 

●チーム総合

モビスター 232:14:01

 

フルリザルト(公式サイト)

 

ジロ・デ・イタリアオフィシャルサイト http://www.gazzetta.it/Speciali/Giroditalia/2012/it/

 

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ジロ・デ・イタリア-Preparation(コース編①)

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ジロ・デ・イタリア2012・出場選手リスト

ジロ・デ・イタリア出場チームが決定

 

ジロ・デ・イタリア2012・総合優勝予想アンケート

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アンケート項目を一部変更(24/5/2012)

 

どこかのタイミングで優勝予想アンケートをやろうかと思案していたのですが、いよいよ勝負の第3週に突入し総合争いも盛り上がってきたということで、まさに今やるべきかなと思った次第であります。

そんなわけで、ジロ・デ・イタリア総合優勝予想をみなさんから募ってみたいと思います。

 

今後のステージの適性から、贔屓の選手への希望的観測から、などそれぞれの視点からご投票ください。

ちなみに、今日の第17ステージから最終の第21ステージまでのコースレイアウトは以下の通りです。

 

●第17ステージ

 

●第18ステージ

 

●第19ステージ

 

●第20ステージ

 

●第21ステージ

 

なお、第16ステージ終了時点で総合トップから2分以内の選手のみピックアップしておりますが、今後急浮上してくるような選手がいれば随時ノミネートしていきます。

→第17ステージ終了時点で総合トップから4分以内の選手にアンケート項目を変更(既に投票のあったクロイツィゲルは残しています)

また、他の選手に投票したい場合は「Other」から追加も可能です。

総合順位に関しては公式サイトからご確認ください。

 

得票率の発表は最終21ステージのJsports中継開始後に私のTwitterにて発表を予定しております。

それまでの間でしたら、どのタイミングでも結構ですので良かったらご協力ください。

予想が的中したところで何があるわけでもないのですが、サイクルスポーツファンの意識調査といった感覚でご参加くださると嬉しいです。

 

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This blog is a fan of Japanese professional road cycling.

Here is the winner of Giro d’Italia 2012 General classification questionnaire.

Please come to vote you.

 

Stage 21 on the day, voter turnout will be announced in my Twitter.

 

 

ジロ・デ・イタリアオフィシャルサイト http://www.gazzetta.it/Speciali/Giroditalia/2012/it/

 

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ジロ・デ・イタリア-Preparation(コース編①)

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ジロ・デ・イタリア2012・出場選手リスト

ジロ・デ・イタリア出場チームが決定

 

ジロ・デ・イタリア-Review(第12~15ステージ)

3件のコメント

後半ステージに突入したジロ・デ・イタリア。

最終週に控える勝負どころのステージを前に、各チームのエースクラスは優位に立つべくアシスト総出で攻撃する姿が毎ステージ見られました。

難関山岳ステージも本格化し始めた第12~15ステージを振り返ります。

 

第1~3ステージのReviewはこちら

第4~7ステージのReviewはこちら

第8~11ステージのReviewはこちら

 

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ジロ・デ・イタリア-5月5-27日

 

●第12ステージ(Seravezza~Sestri Levante、155km、難易度3)-5月17日

 

【結果】

1.ラース・イェティング・バク(デンマーク、ロット・ベリソル) 3:38:55

2.サンディ・カザール(フランス、FDJ・ビッグマット) +11″

3.アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター) +11″

 

【総合】

1.ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 51:19:08

2.ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・バラクーダ) +17″

3.サンディ・カザール(フランス、FDJ・ビッグマット) +26″

 

●ポイント賞(マリア・ロッソ・パッショーネ)

マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、SKY) 77pt

 

●山岳賞(マリア・アッズーラ)

ミハル・ゴラス(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ) 33pt

 

●ヤングライダー賞(マリア・ビアンカ)

ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) 51:20:10

 

●チーム総合

モビスター 152:43:08

 

フルリザルト(公式サイト)

 

155kmと距離こそ短いとはいえ、4級・3級・2級・3級とカテゴリー山岳が立て続けに登場。

逃げ向きと言われたステージで、その通り逃げ切り勝利が決まります。

 

前半に逃げた9人の中でゴラスが積極的に山岳ポイントを獲得し、一時はそのまま先行するも、バーチャルマリア・ローザとなったカザールが逃げメンバーを先導しゴラスを吸収。

逃げメンバー内でのアタックはしばしばあるものの、どれも決定打にはいたらず。

上りで遅れた選手たちも下りで合流し、ゴールに向かう平坦では完全に牽制状態。

 

そんな中、上りで一度遅れていたバクがゴールまで1.8kmの地点でアタック。

持ち前の独走力を武器に、そのままゴールへ飛び込みます。

バクのアタックに反応できなかったカザールは2位争いのスプリントを制すも、終盤での牽制が響きマリア・ローザ獲得ならず。

 

メイン集団は3分34秒遅れでゴール。

終盤にティラロンゴのアタックを試みたものの、カチューシャやリクイガスのコントロールもあり、集団からの抜け出しは失敗に終わっています。

 

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●第13ステージ(Savona~Cervere、121km、難易度1)-5月18日

 

【結果】

1.マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、SKY) 3:02:07

2.アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ) s.t.

3.マーク・レンショー(オーストラリア、ラボバンク) s.t.

 

【総合】

1.ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 54:21:15

2.ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・バラクーダ) +17″

3.サンディ・カザール(フランス、FDJ・ビッグマット) +26″

 

●ポイント賞(マリア・ロッソ・パッショーネ)

マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、SKY) 106pt

 

●山岳賞(マリア・アッズーラ)

ミハル・ゴラス(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ) 34pt

 

●ヤングライダー賞(マリア・ビアンカ)

ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) 54:22:17

 

●チーム総合

モビスター 161:49:29

 

フルリザルト(公式サイト)

 

翌日から続く山岳ステージを前に、短距離スプリントステージを設定。

 

メイン集団で逃げとの差を調整するのはFDJ。

ゴールまで残り20kmを前に逃げを吸収し、スプリント態勢に突入します。

 

別府選手らを中心にグリーンエッジが集団先頭を行く場面はあったものの、盤石の態勢に持ち込んだのはやはりSKY。

それに対抗するのがサクソバンク。

しかし、残り700mからトップスピードに持ち込んだグリーンエッジが再度主導権を奪い、SKYトレインが崩壊。

 

残り200mから満を持して飛び出したゴスは落車による怪我の影響から伸びず。

右から捲りにきたレンショーの動きに合わせるも、空いた左側から抜け出したのはカヴェンディッシュ。

選手とバリアの間に挟まれスピードに乗れずにいたカヴェンディッシュは、踏み直しながらも抜群のスピードで勝利。

今大会3勝目、通算で10勝目となるステージ優勝となりました。

 

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●第14ステージ(Cherasco~Cervinia、209km、難易度5)-5月19日

 

【結果】

1.アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター) 5:33:36

2.ヤン・バルタ(チェコ、ネットアップ) s.t.

3.アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ) +02″

 

【総合】

1.ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・バラクーダ) 59:55:28

2.ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) +09″

3.パオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ) +41″

 

●ポイント賞(マリア・ロッソ・パッショーネ)

マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、SKY) 106pt

 

●山岳賞(マリア・アッズーラ)

ミハル・ゴラス(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ) 34pt

 

●ヤングライダー賞(マリア・ビアンカ)

リゴベルト・ウラン(コロンビア、SKY) 59:56:47

 

●チーム総合

モビスター 178:32:01

 

フルリザルト(公式サイト)

 

ここからは難関山岳ステージが続き、スプリントステージが第18ステージまで無いことから、レンショーやゴス、アエドといったスプリンターが大会から離脱。

 

当初逃げメンバーは8人で構成されるも、最初の1級山岳で4人に絞られます。

その中からバルタが抜け出しますが、ダウンヒルで差を広げられず。

代わってアマドールが抜け出し、独走態勢に入ります。

 

下り終えると、ゴールまで28kmにわたる上り。

追走グループからデマルキがアタックし、アマドールを追います。

また、自分のペースを守ったバルタも続き、先頭は3人に。

最後はゴールスプリントとなり、ここ数日逃げを試みていたアマドールがついに優勝。

ゴールを目前に苦悶の表情を浮かべていたバルタも粘り、2位フィニッシュ。

 

一方のメイン集団は、ルハノやクネゴがアタックし先行。

ルハノに代わって、チュルーカやブルセギンがクネゴとともにメイン集団との差を広げにかかるも結局失敗に終わります。

一時は12分以上ついた逃げグループとの差は、1分半程度の差まで縮めます。

 

そしてラスト3kmを前に、ポッツォヴィーヴォの動きに乗じたヘシェダルがアタック。

総合でのライバルとなる選手たちに大差をつけてゴールを目指します。

マリア・ローザのロドリゲスも追走を試みますが、失速し他の有力選手たちとゴールするのが精一杯。

ヘシェダルとロドリゲスはゴールで26秒の差が付き、これによりヘシェダルがマリア・ローザ奪還を成功させる格好になりました。

 

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●第15ステージ(Busto Arsizio~Lecco/Pian dei Resinelli、169km、難易度4)-5月20日

 

【結果】

1.マッテオ・ラボッティーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・セッレイタリア) 5:15:30

2.ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) s.t.

3.アルベルト・ロサダ(スペイン、カチューシャ) +20″

 

フルリザルト(公式サイト)

 

1級、3級、2級、2級と、カテゴリー山岳を立て続けにこなしていくコース。

やはりこの日もレース前またはレース中にリタイアする選手が続出。

フランク・シュレクやヴィスコンティといった、力のある選手たちも大会を去ります。

 

ボナフォンと逃げを決めていたラボッティーニは、この日最初にこなす1級山岳で独走態勢に。

その後、メイン集団から数人が抜け出し追走グループが形成されるも、好ペースで進むラボッティーニは追撃を許しません。

 

最後の2級山岳を前に雨のダウンヒルで落車するアクシデントがありながらも、単独でゴールを目指します。

徐々に差を縮めてきた追走集団では、クネゴが脱落しそれを見てロサダが抜け出します。

 

ペースが上がり続けるメイン集団からは残り1.7kmでスカルポーニがアタック。

この動きに対応したのはバッソ、エナオ、ロドリゲス。

マリア・ローザのヘシェダルは脱落。

 

そしてゴールまで1.2kmでロドリゲスがアタック。

圧倒的なスピードで駆け上り、前を行くチームメートのロサダを発射台に利用しながらトップのラボッティーニを追走。

残り350mで追い付くと、そのまま先頭へ。

 

しかしラボッティーニも粘りを見せ、残り100mで逆転。

そのまま先頭を譲らず、大金星となるグランツール初勝利。

 

頂上ゴールのこの日はボーナスタイムが設定されていなかったことから、ロドリゲスは無理をせず勝利を譲った形に。

それでも余裕のマリア・ローザ奪還となりました。

バッソやスカルポーニに対して1km強で25秒差を付ける圧巻の走りを見せた点からも、総合勢で最も有力と言えるかもしれません。

 

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【総合(マリア・ローザ)】 ※第15ステージ終了時点

1.ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 65:11:07

2.ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・バラクーダ) +30″

3.イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +1’22”

4.パオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ) +1’26”

5.ローマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ) +1’27”

6.ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD) +1’36”

7.ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター) +1’42”

8.セルジオ・エナオ(コロンビア、SKY) +1’55”

9.ダリオ・カタルド(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ) +2’12”

10サンディ・カザール(フランス、FDJ・ビッグマット) +2’13”

 

●ポイント賞(マリア・ロッソ・パッショーネ)

マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、SKY) 110pt

 

●山岳賞(マリア・アッズーラ)

マッテオ・ラボッティーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・セッレイタリア) 41pt

 

●ヤングライダー賞(マリア・ビアンカ)

セルジオ・エナオ(コロンビア、SKY) 65:13:02

 

●チーム総合

モビスター 194:28:07

 

フルリザルト(公式サイト)

 

ジロ・デ・イタリアオフィシャルサイト http://www.gazzetta.it/Speciali/Giroditalia/2012/it/

 

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ジロ・デ・イタリア-Preparation(コース編②)

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ジロ・デ・イタリア出場チームが決定

 

ジロ・デ・イタリア-Review(第8~11ステージ)

4件のコメント

今年のジロは既に中盤ステージに突入しています。

今回Reviewする第8~11ステージもバリエーションに富み、予想をはるかに超える驚きの展開も多数生まれました。

テクニカルなコーナーや激坂などがゴール前に潜んだ4つのステージを振り返ります。

 

第1~3ステージのReviewはこちら

第4~7ステージのReviewはこちらからどうぞ。

 

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ジロ・デ・イタリア-5月5-27日

 

●第8ステージ(Sulmona~Lago Laceno、229km、難易度3)-5月13日

 

【結果】

1.ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、コルナゴCSF・イノックス) 6:06:50

2.ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター) +23″

3.ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) +27″

 

【総合(マリア・ローザ)】

1.ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・バラクーダ) 32:23:25

2.ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) +09″

3.パオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ) +15″

 

●ポイント賞(マリア・ロッソ・パッショーネ)

マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 65pt

 

●山岳賞(マリア・アッズーラ)

ミゲル・アンヘル・ルビアーノ(コロンビア、アンドローニ・ジョカトーリ) 24pt

 

●ヤングライダー賞(マリア・ビアンカ)

ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) 32:24:10

 

●チーム総合

リクイガス・キャノンデール 95:56:59

 

フルリザルト(公式サイト)

 

この日は229kmのロングステージ。

ゴール前14kmに控える2級山岳が勝負のポイント。

 

レース後半に入り、メイン集団はカチューシャがコントロール。

そして2級山岳に突入すると、アスタナやリクイガス、ランプレがハイスピードで牽引。

スプリンターの脱落はおろか、メイン集団は後々総合争いをするであろう選手たちに絞られます。

 

そんな中、残り5kmを前にポッツォヴィーヴォがアタック。

ラスト4kmの下りでも持ちこたえ、見事な逃げ切り勝利。

また、ポッツォヴィーヴォから遅れてアタックをしたインチャウスティも粘りを見せ、2位を堅守。

 

メイン集団は、ポッツォヴィーヴォから27秒遅れでゴール。

一時は上りで遅れかけたマリア・ローザのヘシェダルもこの集団内でゴールしています。

 

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●第9ステージ(San Giorgio del Sannio~Frosinone、166km、難易度1)-5月14日

 

【結果】

1.フランシスコ・ホセ・ベントソ(スペイン、モビスター) 3:39:15

2.ファビオ・フェリーネ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ) s.t.

3.ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、レディオシャック・ニッサン) s.t.

 

【総合(マリア・ローザ)】

1.ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・バラクーダ) 36:02:40

2.ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) +09″

3.パオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ) +15″

 

●ポイント賞(マリア・ロッソ・パッショーネ)

マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 65pt

 

●山岳賞(マリア・アッズーラ)

ミゲル・アンヘル・ルビアーノ(コロンビア、アンドローニ・ジョカトーリ) 24pt

 

●ヤングライダー賞(マリア・ビアンカ)

ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) 36:03:25

 

●チーム総合

リクイガス・キャノンデール 106:54:44

 

フルリザルト(公式サイト)

 

スプリンターが主役となるはずのステージは、ゴール前300mの鋭角コーナーで状況が一変します。

 

残り10kmを切って、ファネンデルトや総合2位につけるロドリゲスらが立て続けにアタック。

それを受けてメイン集団のペースが一気に上がり、これらの逃げはすべて吸収されるも、各チームが入り乱れてのスプリント主導権争いに。

 

SKYが主導権を握ったかに見えたところでトレインが崩壊。

代わってグリーンエッジが盤石の態勢に。

人数を揃え、コーナーをクリアすれば発射台のインピーからゴスが飛び出せば良いだけ。

 

ところが、安全策を取って大きめにコーナーをとったゴスに、後方からポッツァートが追突。

それをきっかけにカヴェンディッシュやレンショーらスプリンターが多数巻き込まれる形に。

落車を避けたメンバーによるスプリントは、昨年もステージ優勝を果たしているベントソが2年連続の勝利。

 

落車によるダメージで、ポッツァートは翌日にリタイア。

ゴスも大きなダメージを受け、その後のステージに響くことになります。

 

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●第10ステージ(Civitavecchia~Assisi、186km、難易度2)-5月15日

 

【結果】

1.ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 4:25:05

2.バルトシュ・フザルスキ(ポーランド、ネットアップ) +02″

3.ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター) +02″

 

【総合(マリア・ローザ)】

1.ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 40:27:34

2.ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・バラクーダ) +17″

3.パオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ) +32″

 

●ポイント賞(マリア・ロッソ・パッショーネ)

マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 65pt

 

●山岳賞(マリア・アッズーラ)

ミゲル・アンヘル・ルビアーノ(コロンビア、アンドローニ・ジョカトーリ) 24pt

 

●ヤングライダー賞(マリア・ビアンカ)

ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) 40:28:36

 

●チーム総合

リクイガス・キャノンデール 120:10:17

 

フルリザルト(公式サイト)

 

メイン集団は徐々に逃げとの差を詰め、残り10kmを切ってすべて吸収。

アッシジの激坂ゴールに向けて各チームポジション争いが激化。

 

その中から抜け出したのがヴァイクス。

しかし差が開くことは無く、しばらくして吸収。

それに代わるようにスラフテルが前方に出てペースアップを試み、そのまま最大勾配15%の1回目の激坂をクリア。

 

2回目の上りに向かう下り坂でガドレとウランがアタック。

集団との差を開きにかかるも、上りの入口で吸収されます。

 

カチューシャは満を持してモレーノがロドリゲスの発射台としてペースアップ。

モレーノの牽引が終わると、スラフテルが再びペースアップ。

その後ろに付いたロドリゲスは勝負どころを見極め、残り200mから一気にスプリント。

結果的に、後続に2秒差をつける圧勝劇を演じました。

この勝利により、マリア・ローザを奪取しています。

 

最後までロドリゲスに食らいついたフザルスキが大健闘の2位。

後方から猛然と追い上げたヴィスコンティが3位に食い込みました。

 

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●第11ステージ(Assisi~Montecatini Terme、255km、難易度2)-5月16日

 

【結果】

1.ロベルト・フェラーリ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ) 6:49:05

2.フランチェスコ・キッキ(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ) s.t.

3.トマス・ヴァイクス(リトアニア、オリカ・グリーンエッジ) s.t.

 

フルリザルト(公式サイト)

 

今大会最長ステージとなる255km。

 

ゴールまで残り30kmを前に集団が逃げを吸収しようとした矢先に、逃げグループにいたボアロがアタック。

さらに15kmを1人で逃げ続け、集団に飲み込まれます。

 

また、ゴール前11kmで頂上を通過する4級山岳でもアタックが繰り出されるも、いずれも失敗。

 

この日もゴール前はテクニカルなコーナー。

ラスト1kmでSKYが主導権を握るも、この日グリーンエッジのスプリント役を担ったヴァイクスがトレインに空いた隙間に上手く入ったことによりSKYトレインが崩壊。

抜群の位置にいたカヴェンディッシュは、最終コーナーで発射台のトーマスがバランスを崩したことにより飛び出すタイミングがずれ、大きく出遅れる形に。

 

一度はヴァイクスが後続に差を付けたものの、後方から伸びてきたのはフェラーリ。

第3ステージでの大落車の原因となったフェラーリが汚名返上となるステージ優勝。

 

カヴェンディッシュは結局4位に終わるも、マリア・ロッソ・パッショーネを獲得。

その他、最終コーナーで落車が多発しただけでなく、終盤にはフランク・シュレクが落車しトップから46秒遅れでゴール。

総合を争ううえで痛手となる結果に終わっています。

 

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【総合(マリア・ローザ)】 ※第11ステージ終了時点

1.ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 47:16:39

2.ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・バラクーダ) +17″

3.パオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ) +32″

4.ローマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ) +52″

5.ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター) +52″

6.イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +57″

7.ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +1’02”

8.ダリオ・カタルド(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ) +1’03”

9.エロス・カペッキ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +1’09”

10.リゴベルト・ウラン(コロンビア、SKY) +1’10”

 

●ポイント賞(マリア・ロッソ・パッショーネ)

マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、SKY) 77pt

 

●山岳賞(マリア・アッズーラ)

ミゲル・アンヘル・ルビアーノ(コロンビア、アンドローニ・ジョカトーリ) 24pt

 

●ヤングライダー賞(マリア・ビアンカ)

ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) 47:17:41

 

●チーム総合

リクイガス・キャノンデール 140:37:32

 

フルリザルト(公式サイト)

 

ジロ・デ・イタリアオフィシャルサイト http://www.gazzetta.it/Speciali/Giroditalia/2012/it/

 

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ジロ・デ・イタリア-Review(第4~7ステージ)

5件のコメント

今年のジロがいよいよイタリアに入国。

早速マリア・ローザの持ち主がステージごとに変わる目まぐるしい展開に。

チームTT、スプリント、中級山岳と詰まった第4~7ステージを振り返ります。

 

第1~3ステージのReviewはこちらからどうぞ。

 

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ジロ・デ・イタリア-5月5-27日

 

●第4ステージ(Verona~Verona、33.2kmTTT、難易度3)-5月9日

 

【結果】

1.ガーミン・バラクーダ 37:04

2.カチューシャ +05″

3.アスタナ +22″

 

【総合(マリア・ローザ)】

1.ラムナス・ナヴァルダウスカス(リトアニア、ガーミン・バラクーダ) 10:01:53

2.タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・バラクーダ) +10″

3.ロバート・ハンター(南アフリカ、ガーミン・バラクーダ) +10″

 

●ポイント賞(マリア・ロッソ・パッショーネ)

マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 45pt

 

●山岳賞(マリア・アッズーラ)

アルフレド・バローニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・セッレイタリア) 6pt

 

●ヤングライダー賞(マリア・ビアンカ)

ラムナス・ナヴァルダウスカス(リトアニア、ガーミン・バラクーダ) 10:01:53

 

●チーム総合

ガーミン・バラクーダ 28:51:40

 

フルリザルト(公式サイト)

 

戦前の予想でステージ優勝候補に挙がっていたSKY、グリーンエッジ、BMCがことごとくタイムを伸ばせず。

 

そんな中、予想に違わぬ速さを見せたのがガーミン。

前半はラスムッセンを中心にペースを作り、離脱後はナヴァルダウスカスやロセレルらTTスペシャリストによる強力な牽引もあり、トップタイムをマーク。

第1ステージでの個人TTでの好走が物を言い、ナヴァルダウスカスがリトアニア人選手として初のマリア・ローザを獲得。

 

2位にはカチューシャ、3位にアスタナと、TTTに不安があると言われていたチームが大健闘の走り。

それぞれのエースであるロドリゲス、クロイツィゲルにとっては大成功の結果と言えそうです。

 

グリーンエッジは期待のボブリッジがの不調もあり25秒差の6位。

SKYも30秒遅れの9位と不発。

BMCは31秒遅れの10位。

マリア・ローザのフィニーは前々日の第3ステージでの落車の影響からか、先頭での牽きがほとんどできず、さらにはコースアウトもあり、結果リーダージャージを手放すこととなりました。

 

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●第5ステージ(Modena~Fano、209km、難易度1)-5月10日

 

【結果】

1.マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、SKY) 4:43:15

2.マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) s.t.

3.ダニエレ・ベンナーティ(イタリア、レディオシャック・ニッサン) s.t.

 

【総合(マリア・ローザ)】

1.ラムナス・ナヴァルダウスカス(リトアニア、ガーミン・バラクーダ) 14:45:13

2.ロバート・ハンター(南アフリカ、ガーミン・バラクーダ) +05″

3.ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・バラクーダ) +11″

 

●ポイント賞(マリア・ロッソ・パッショーネ)

マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 65pt

 

●山岳賞(マリア・アッズーラ)

アルフレド・バローニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・セッレイタリア) 6pt

 

●ヤングライダー賞(マリア・ビアンカ)

ラムナス・ナヴァルダウスカス(リトアニア、ガーミン・バラクーダ) 14:45:13

 

●チーム総合

ガーミン・バラクーダ 43:01:35

 

フルリザルト(公式サイト)

 

大会序盤では最後となるスプリントステージ。

 

リーダーチームであるガーミンが集団を終始コントロール。

そんな中、残り35km付近でこの日有力であったL.S.アエドが落車。

そのあおりを受け、ファラーらも落車。

 

幾人かのスプリンターが脱落していくレースは、最終局面を迎えるとSKYが主導権を握ります。

残り1kmを切ってグリーンエッジはインピーをアタックさせて抵抗を試みるも、人数を揃えたSKYのリードアウトマンが冷静に対処。

トーマスから発射されたカヴェンディッシュが他を寄せ付けず、今大会2勝目のゴール。

 

他のスプリンターは良いポジションを確保できず。

それでも2位のゴスはマリア・ロッソ・パッショーネを堅守。

カヴェンディッシュと並ぶ、今大会のスプリンター2強を形成していると言えそうです。

 

———-

 

●第6ステージ(Urbino~Porto Sant’Elpidio、210km、難易度3)-5月11日

 

【結果】

1.ミゲル・アンヘル・ルビアーノ(コロンビア、アンドローニ・ジョカトーリ) 5:38:30

2.アドリアーノ・マローリ(イタリア、ランプレ・ISD) +1’10”

3.ミハル・ゴラス(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ) +1’10”

 

【総合(マリア・ローザ)】

1.アドリアーノ・マローリ(イタリア、ランプレ・ISD) 20:25:28

2.ミハル・ゴラス(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ) +15″

3.ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・バラクーダ) +17″

 

●ポイント賞(マリア・ロッソ・パッショーネ)

マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 65pt

 

●山岳賞(マリア・アッズーラ)

ミゲル・アンヘル・ルビアーノ(コロンビア、アンドローニ・ジョカトーリ) 24pt

 

●ヤングライダー賞(マリア・ビアンカ)

アドリアーノ・マローリ(イタリア、ランプレ・ISD) 20:25:28

 

●チーム総合

ガーミン・バラクーダ 60:02:38

 

フルリザルト(公式サイト)

 

今大会初の中級山岳ステージ。

繰り返されるアップダウンと、最大勾配16%の2級山岳が控え、苦戦する選手が続出。

 

スタートから15名が逃げグループを形成。

山岳賞争いで2位につけるルビアーノが山岳ポイントを荒稼ぎしていきます。

レースが進むにつれ、逃げグループは1人また1人と脱落し、レース後半には5名に減ります。

 

ゴールまで残り34km、3級山岳でルビアーノがアタック。

そのまま独走態勢に入ります。

 

一方のメイン集団は、リクイガスが徐々にペースを上げながらコントロール。

前日までの主役であったスプリンター勢がことごとく脱落。

カヴェンディッシュにいたっては2級山岳の急坂に耐えられず落車するほど。

また、マリア・ローザのナヴァルダウスカスも上りで苦しみ、下りで追い付くパターンを繰り返していたものの、レース後半に入り完全に脱落。

ジャージを手放すこととなります。

 

快調なルビアーノはそのまま逃げ切り態勢に。

34kmにわたる一人旅を制し、歓喜のゴール。

昨年は日本籍のチーム・NIPPOに所属し、エースとして活躍。

ツール・ド・北海道での総合優勝をはじめ、日本でのレースにも数々参戦した馴染みの選手が世界へと羽ばたく瞬間となりました。

 

また、メイン集団ではアタックと吸収を繰り返すことでペースの上げ下げが起こり、前を行く選手たちとの差を思うように縮められず、追走集団に残っていたマローリにマリア・ローザ獲得のチャンスが訪れます。

追走集団の他のメンバーに積極的なローテーションを促しながらマリア・ローザに向けて決死の牽引を見せるマローリ。

ゴール前では2位争いの牽制が入るもそれを制し、2位ボーナス14秒に加えメイン集団に41秒の差を付けてゴールしたことから、初のリーダージャージを獲得しました。

 

後方は多くのグルペットに分かれて、ようやくゴールにたどり着く状況。

カヴェンディッシュやブラウン、ボス、フィニーらが最終グループで滑り込みゴール。

あと39秒遅ければタイムアウトというギリギリのゴールとなりました。

 

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●第7ステージ(Recanati~Rocca di Cambio、205km、難易度3)-5月12日

 

【結果】

1.パオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ) 5:51:03

2.ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD) s.t.

3.フランク・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン) +03″

 

フルリザルト(公式サイト)

 

ついに我らが別府選手がエスケープ!

前日にエースであるゴスとともに大きく遅れてゴールしていたことから、逃げが許される形に。

 

セルヴァッジ、ラボッティーニ、ホーレンステインとともに、最大で9分を越える差を集団に対して付けます。

別府選手は途中の3級山岳をトップ通過。

快調にゴールを目指します。

 

メイン集団は、ランプレのほか、カチューシャやヘシェダルでのマリア・ローザ獲得を目指すガーミンがコントロールに加わったことでペースアップ。

逃げとの差が一気に縮まります。

 

残り28kmのスプリントポイントをきっかけに別府選手がアタック。

セルヴァッジがとともに一時抜け出すも、追い付いたラボッティーニがカウンターアタックで独走態勢に。

 

2級頂上ゴールに向かってメイン集団のペースが上り、逃げていた4人はそれぞれ吸収。

何選手かアタックするもいずれも決定的な動きとならない中、ピラッツィとエラダがアタックを成功させ、20秒前後のタイム差をキープしながら残り1kmまで逃げ続けます。

 

ラスト1.5kmからゴールに向かっての上りでメイン集団はスプリント態勢に。

ニエミエツに牽かれたスカルポーニが勢い良く飛び出し、ティラロンゴが食らいつく。

ゴール直前でティラロンゴが逆転し、そのままステージ優勝。

ゴール後には精根尽きて倒れ込むシーンも。

 

TTで遅れをとっていた総合系ライダーが挽回を狙ってのゴール。

2位のスカルポーニのほか、3位にF・シュレク、4位にはTTに不安を残すロドリゲスが入りました。

また、マリア・ローザは終盤脱落したマローリに代わり、終始安定した走りを続けるヘシェダルの手に。

 

逃げでの勝利を狙った別府選手は、15分30秒遅れでゴール。

この後のステージで再び逃げ勝利にチャレンジすることになるでしょう。

 

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【総合(マリア・ローザ)】 ※第7ステージ終了時点

1.ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・バラクーダ) 26:16:53

2.パオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ) +15″

3.ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) +17″

4.クリスチャン・ヴァンデヴェルデ(アメリカ、ガーミン・バラクーダ) +21″

5.ピーター・ステティーナ(アメリカ、ガーミン・バラクーダ) +26″

6.ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ) +26″

7.ローマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ) +35″

8.イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +40″

9.ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +45″

10.ダリオ・カタルド(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ) +46″

 

●ポイント賞(マリア・ロッソ・パッショーネ)

マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 65pt

 

●山岳賞(マリア・アッズーラ)

ミゲル・アンヘル・ルビアーノ(コロンビア、アンドローニ・ジョカトーリ) 24pt

 

●ヤングライダー賞(マリア・ビアンカ)

ピーター・ステティーナ(アメリカ、ガーミン・バラクーダ) 26:17:19

 

●チーム総合

ガーミン・バラクーダ 77:36:14

 

フルリザルト(公式サイト)

 

ジロ・デ・イタリアオフィシャルサイト http://www.gazzetta.it/Speciali/Giroditalia/2012/it/

 

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7件のコメント

5月5日にデンマーク・ヘアニングで開幕した今年のジロ・デ・イタリア。

昨日までデンマーク国内で3ステージを消化し、明日からはイタリアに舞台を移してのレースがスタートします。

1回目の休息日である今日は、その3つのデンマークステージを振り返ってみたいと思います。

 

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ジロ・デ・イタリア-5月5-27日

 

●第1ステージ(Herning~Herning、8.7kmTT、難易度3)-5月5日

 

【結果】

1.タイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム) 10:26

2.ジェラント・トーマス(イギリス、SKY) +09″

3.アレックス・ラスムッセン(デンマーク、ガーミン・バラクーダ) +13″

 

【総合(マリア・ローザ)】

1.タイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム) 10:26

2.ジェラント・トーマス(イギリス、SKY) +09″

3.アレックス・ラスムッセン(デンマーク、ガーミン・バラクーダ) +13″

 

●ポイント賞(マリア・ロッソ・パッショーネ)

タイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム) 25pt

 

●ヤングライダー賞(マリア・ビアンカ)

タイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム) 10:26

 

●チーム総合

ガーミン・バラクーダ 32:21

 

フルリザルト(公式サイト)

 

2012ジロの開幕は、デンマーク・ヘアニングでの8.7kmのTTで。

 

中盤に登場のナヴァルダウスカスが10:48のタイムをマークし、長らくトップに君臨。

終盤グループに登場の有力選手にとっては、このタイムが基準に。

 

均衡を破ったのは、イタリアの新鋭クロノマン・ボアロ。

10:45と、ナヴァルダウスカスのタイムを3秒上回ります。

 

それをきっかけに、次々と好タイムが続出。

先のツール・ド・ロマンディでもショートTTを制したトーマスが10:35、その後に登場のフィニーが10:26と圧倒的なタイムをマーク。

地元デンマークの期待を背負って登場のラスムッセンは、フィニーに13秒及ばず。

今年のジロ最初のマリア・ローザ着用者はフィニーに。

 

今後注目されるであろう総合勢は、クロイツィゲルが36秒差の28位、バッソが39秒差の35位と健闘。

一方で、F・シュレクが1分03秒遅れの124位、ディフェンディングチャンピオンとしてマリア・ローザで登場のスカルポーニは1:06秒遅れの135位と、まさかの結果に。

 

2年連続出場の別府選手は、1分10秒遅れの145位で3週間の戦いをスタートしています。

 

 

 

 

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●第2ステージ(Herning~Herning、206km、難易度1)-5月6日

 

【結果】

1.マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、SKY) 4:53:12

2.マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) s.t.

3.ジェフリー・ソープ(フランス、FDJ・ビッグマット) s.t.

 

【総合(マリア・ローザ)】

1.タイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム) 5:03:38

2.ジェラント・トーマス(イギリス、SKY) +09″

3.アレックス・ラスムッセン(デンマーク、ガーミン・バラクーダ) +13″

 

●ポイント賞(マリア・ロッソ・パッショーネ)

マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、SKY) 28pt

 

●山岳賞(マリア・アッズーラ)

アルフレド・バローニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・セッレイタリア) 3pt

 

●ヤングライダー賞(マリア・ビアンカ)

タイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム) 5:03:38

 

●チーム総合

ガーミン・バラクーダ 15:11:57

 

フルリザルト(公式サイト)

 

最大約11分の差を築いた逃げ3人は、早い段階で吸収。

また、地元デンマークに錦を飾るべくバクが一時単独トップを走るも、これも吸収。

アップダウンのほとんどないコースでもあり、予想通りのスプリント勝負。

 

ゴール前残り450mの最終コーナーで前方に位置取っていたボスとクリストフの接触をきっかけとした大きなクラッシュが発生。

落車を免れた10人程度のゴールスプリントは、SKYとガーミンが主導権争いをする脇からフスホフトが早掛け。

そのフスホフトの動きを利用して飛び出したゴスと、トーマスに発射されたカヴェンディッシュの2人が冷静にスプリントに突入。

ゴスに対し一瞬先にスプリントをかけたカヴェンディッシュの脚が勝る。

2位にゴス、3位に大健闘のソープが入線。

カヴェンディッシュはジロステージ8勝目(TTTを除く)を挙げ、今大会中の通算10勝到達が見えてきました。

 

マリア・ローザを着るフィニーは残り8kmで落車しバイク交換に手間取るも、最終局面を前に集団復帰し、ジャージを守っています。

 

———-

 

●第3ステージ(Horsens~Horsens、190km、難易度1)-5月7日

 

【結果】

1.マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 4:20:53

2.ファン・ホセ・アエド(アルゼンチン、サクソバンク) s.t.

3.タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・バラクーダ) s.t.

 

フルリザルト(公式サイト)

 

ゴールまで残り50km前後でスプリンターチーム、総合リーダーの危険回避などを目論むチームが激しくポジション争いを開始。

メイン集団のペースは上がる一方で、逃げはこの日も早々と吸収。

 

ゴールを前に、主導権争いが激化。

盤石と見られたSKYトレインが崩れ、ガーミン、サクソバンク、グリーンエッジなどが入り乱れる状況に、2日連続のステージ優勝を狙うカヴェンディッシュが後方へと追いやられます。

 

人数を揃えたトレインから最高のタイミングで発射されたゴスがゴールへと一直線に向かう後方で、捲りを図ったカヴェンディッシュがラインを急激に変えたフェラーリの後輪に引っかかり激しく落車。

複数の選手が巻き込まれ、その中にはマリア・ローザのフィニーも。

 

この日優勝のゴスはポイント賞でもトップに。

2位には地元チームとして期待の大きかったサクソバンクのエーススプリンター・アエドが入りました。

 

ラスト1kmでトレインを先導し好位置をキープする大活躍の別府選手もスプリントに絡み、ステージ9位。

好調さを維持してイタリア入りします。

 

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【総合(マリア・ローザ)】 ※第3ステージ終了時点

1.タイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム) 9:24:31

2.ジェラント・トーマス(イギリス、SKY) +09″

3.アレックス・ラスムッセン(デンマーク、ガーミン・バラクーダ) +13″

4.マヌエレ・ボアロ(イタリア、サクソバンク) +15″

5.ラムナス・ナヴァルダウスカス(リトアニア、ガーミン・バラクーダ) +18″

6.グスタフ・エリック・ラーション(スウェーデン、ヴァカンソレイユ・DCM) +22″

7.ブレット・ランカスター(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +23″

8.マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +23″

9.マルコ・ピノッティ(イタリア、BMCレーシングチーム) +24″

10.ジェシー・サージェント(ニュージーランド、レディオシャック・ニッサン) +26″

 

●ポイント賞(マリア・ロッソ・パッショーネ)

マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 45pt

 

●山岳賞(マリア・アッズーラ)

アルフレド・バローニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・セッレイタリア) 6pt

 

●ヤングライダー賞(マリア・ビアンカ)

タイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム) 9:24:31

 

●チーム総合

ガーミン・バラクーダ 28:14:36

 

フルリザルト(公式サイト)

 

ジロ・デ・イタリアオフィシャルサイト http://www.gazzetta.it/Speciali/Giroditalia/2012/it/

 

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ジロ・デ・イタリア-Preparation(選手編)

1件のコメント

コース編に続き、注目選手を見ていきたいと思います。

 

コースについてはこちらを。

ジロ・デ・イタリア-Preparation(コース編①)

ジロ・デ・イタリア-Preparation(コース編②)

 

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ジロ・デ・イタリア-5月5-27日

【過去5年の総合優勝者】

2011年 ミケーレ・スカルポーニ

2010年 イヴァン・バッソ

2009年 デニス・メンショフ

2008年 アルベルト・コンタドール

2007年 ダニーロ・ディルーカ

 

【注目選手】

ライダータイプ別に、押さえておきたい選手を独断でピックアップします。

スタートリストは公式サイトCycling Feverのほか、こちらのエントリーでもチェックください。

 

●総合系

ジョン・ガドレ(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディール) ←2011年総合3位

ホセ・ルハノ(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトーリ) ←2011年総合6位、ステージ1勝

エマヌエーレ・セッラ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ)

ホセ・セルパ(コロンビア、アンドローニ・ジョカトーリ)

ローマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ) ←2011年総合5位

マルコ・ピノッティ(イタリア、BMCレーシングチーム)

ドメニコ・ポッツォピーヴォ(イタリア、コルナゴCSF・イノックス)

ミケル・ニエベ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) ←2011年総合10位、ステージ1勝

ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・バラクーダ)

ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) ←2011年総合4位

ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・ISD) ←2004年総合優勝

ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD) ←ディフェンディングチャンピオン

イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) ←2006,2010年総合優勝

フランク・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン)

リゴベルト・ウラン(コロンビア、SKY)

マッテオ・カラーラ(イタリア、ヴァカンソレイユ・DCM)

 

●スプリンター

マヌエル・ベレッティ(イタリア、アージェードゥーゼル・ラモンディール) ←2010年ステージ1勝

ファビオ・フェリーネ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ

ロベルト・フェラーリ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ

トル・フスホフト(ノルウェー、BMCレーシングチーム

サシャ・モドロ(イタリア、コルナゴCSF・イノックス

アルノー・デマール(フランス、FDJ・ビッグマット

アンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・セッレイタリア

タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・バラクーダ) ←2010年ステージ1勝

マシュー・ハーレー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) ←2010年ステージ1勝

アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)

ジャンニ・メールスマン(ベルギー、ロット・ベリソル

フランシスコ・ホセ・ベントソ(スペイン、モビスター) ←2011年ステージ1勝

フランチェスコ・キッキ(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ

テオ・ボス(オランダ、ラボバンク

グレーム・ブラウン(オーストラリア、ラボバンク

マーク・レンショー(オーストラリア、ラボバンク

ダニエレ・ベンナーティ(イタリア、レディオシャック・ニッサン) ←2008年ステージ3勝

ファン・ホセ・アエド(アルゼンチン、サクソバンク

ルーカス・セバスチャン・アエド(アルゼンチン、サクソバンク

マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、SKY) ←2011年ステージ2勝、2009年ステージ3勝、2008年ステージ2勝

ロメン・フェイユ(フランス、ヴァカンソレイユ・DCM

 

●その他(逃げ、TT、ステージハンターなど)

グレゴール・ガズヴォダ(スロベニア、アージェードゥーゼル・ラモンディール

エンリコ・ガスパロット(イタリア、アスタナ)

パオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ) ←2011年ステージ1勝

アレッサンドロ・バラン(イタリア、BMCレーシングチーム

タイラー・フィニー(アメリカBMCレーシングチーム

サンディ・カザール(フランス、FDJ・ビッグマット

オスカル・ガット(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・セッレイタリア) ←2011年ステージ1勝

フィリッポ・ポッツァート(イタリアファルネーゼヴィーニ・セッレイタリア) ←2010年ステージ1勝

ジャック・バウアー(ニュージーランド、ガーミン・バラクーダ

ラムナス・ナヴァルダウスカス(リトアニアガーミン・バラクーダ

アレックス・ラスムッセン(デンマークガーミン・バラクーダ

セバスチャン・ロセレル(ベルギーガーミン・バラクーダ

クリスチャン・ヴァンデヴェルデ(アメリカガーミン・バラクーダ

別府史之(日本、オリカ・グリーンエッジ

ジャック・ボブリッジ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ

スヴェン・タフト(カナダ、オリカ・グリーンエッジ

ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ

アドリアーノ・マローリ(イタリア、ランプレ・ISD

ディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・ISD) ←2011年ステージ1勝

エロス・カペッキ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) ←2011年ステージ1勝

バルト・デクレルク(ベルギー、ロット・ベリソル) ←2011年ステージ1勝

マルツィオ・ブルセギン(イタリア、モビスター

ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター

ダリオ・カタルド(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ) ←2011年総合12位

ミハエル・クウィアトコウスキ(ポーランドオメガファーマ・クイックステップ

ネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、レディオシャック・ニッサン

ジェシー・サージェント(ニュージーランド、レディオシャック・ニッサン

マヌエレ・ボアロ(イタリア、サクソバンク

ジェラント・トーマス(イギリス、SKY)

ヤン・バルタ(チェコ、ネットアップ

トーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM

グスタフ・エリック・ラーション(スウェーデン、ヴァカンソレイユ・DCM) ←2010年ステージ1勝

 

総合争いは絶対的な優勝候補がおらず、混戦が予想されます。

 

ディフェンディングチャンピオンのスカルポーニは、今年こそ真の優勝となるか。

シーズン序盤は目立つ場面が少なかったものの、リエージュ~バストーニュ~リエージュで8位に入り状態が上向き。

当初の予定でいけば、ランプレの第1エースとして臨むことに。

そのスカルポーニと2枚看板として参戦するクネゴも好調。

前半ステージは動く必要はなく、勝負どころとなる終盤ステージでの走り次第でどちらが勝ちに行くか決まることになりそう。

ともにTTを苦手とする分、TTステージである第1,4ステージでのタイムロスを最小限にとどめておきたい。

 

2年前のチャンピオン・バッソは今シーズン不調続き。

直前のツール・ド・ロマンディは総合33位。

とはいえ、2年前の総合優勝時も直前まで不調でありながら、見事に本番に合わせてきており、今回もその再現となる可能性も。

ピーキングさえ合えば山岳での安定感は随一なうえ、TTもまとめてくるだけに総合力ではライバルの上をいくでしょう。

堅実なアシストを揃えている点でも優位か。

 

適したコース設定が多いのはロドリゲス。

上りスプリントや終盤に劇坂が待つステージが揃い、そこでアドバンテージを奪いたい。

やはり問題はTT。

ライバルに対し、どれだけのタイムロスでとどめられるかが1つポイントになるでしょう。

また、頂上ゴールにボーナスタイムが設定されない点もどう働くか。

 

ここまで順調に調整を進めているクロイツィゲルもチャンスあり。

安定感の高さで年々好リザルトをマーク。

今シーズン不調のTTと、パンチ力のあるライバルに対しどう対処するかが課題。

 

急遽出場のフランク・シュレクも、状態次第では総合優勝の可能性も。

難関山岳ステージが終盤に集中しているのも、休養していたフランクにとっては追い風。

 

昨年総合3位のガドレ、クラシックで好調だったヘシェダルもTTの走りいかんでは十分にチャンスあり。

ジロ・デル・トレンティーノ総合優勝のポッツォピーヴォ、山岳・TTのバランスの良いルハノにも期待。

 

今大会はスプリンターにもチャンスが多く、トップスプリンターが揃いました。

 

その1番手はカヴェンディッシュ。

今回はチーム自体がカヴェンディッシュのためにメンバーを組んだと言えるほどの構成。

ステージ勝利をいくつ重ねるか見もの。

 

その対抗馬はファラー、ゴスあたりか。

ただ、ともに今シーズン未勝利(TTT除く)と、ここ数年の勢いが無いのが不安材料。

ガーミン、グリーンエッジともに、このエーススプリンターを勝たせるためのメンバーを揃えているだけに、シーズン初勝利を何としてもここで飾りたいところ。

 

デマール、グアルティーニ、モドロといった若手スプリンターも刺客としてカヴェンディッシュに立ち向かいます。

3人の勢い的に、ステージ優勝の可能性は十分にありそう。

 

また、カヴェンディッシュの発射台として活躍したレンショーがエーススプリンターとして初めてグランツールに参戦。

ツールや、終盤の山岳ステージを避けてリタイアするスプリンターも多く出ることも予想され、そうなるとフスホフトなどにもチャンスが。

スプリントだけでなく、登板力も高いフスホフトはマリア・ロッソ・パッショーネの有力候補。

 

ステージ狙いの選手では、クラシックで大活躍のガスパロットやバラン、ポッツァート、ヴィスコンティといったイタリア勢に注目。

逃げのスペシャリスト・デヘントも期待される1人。

 

初日と最終日の行う個人TTも期待の選手が目白押し。

ラーション、フィニー、ボブリッジ、トーマスらを中心に、地元での初日マリア・ローザ獲得を目指すラスムッセンや、イタリア期待のクロノマン・ボアロやマローリあたりも押さえておきたいところです。

 

2年連続出場となる別府選手は、エーススプリンター・ゴスのアシストのほか、ステージ優勝がミッションに。

どのステージで動くか楽しみなところです。

また、第4ステージのTTTはチームとして大きなチャンスがあり、そこでの奮起にも期待がかかります。

 

【各賞ジャージ予想】

●マリア・ローザ(総合優勝)

イヴァン・バッソ

 

●マリア・ロッソ・パッショーネ(ポイント賞)

トル・フスホフト

 

●マリア・アッズーラ(山岳賞)

ホアキン・ロドリゲス

 

●マリア・ビアンカ(ヤングライダー賞)

リゴベルト・ウラン

 

※この予想は展開を見て随時修正していきます(笑)。

 

 

ジロ・デ・イタリアオフィシャルサイト

http://www.gazzetta.it/Speciali/Giroditalia/2012/it/

ジロ・デ・イタリアオフィシャルiPhoneアプリ

http://itunes.apple.com/jp/app/giro-ditalia/id522688460?mt=8&ls=1

 

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ジロ・デ・イタリア-Preparation(コース編②)

ジロ・デ・イタリア2012・出場選手リスト

ジロ・デ・イタリア出場チームが決定

 

ジロ・デ・イタリア-Preparation(コース編②)

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引き続き、第12ステージ以降を見ていきたいと思います。

 

第1~11ステージについてはこちらを。

ジロ・デ・イタリア-Preparation(コース編①)

 

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ジロ・デ・イタリア-5月5-27日

【過去5年の総合優勝者】

2011年 ミケーレ・スカルポーニ

2010年 イヴァン・バッソ

2009年 デニス・メンショフ

2008年 アルベルト・コンタドール

2007年 ダニーロ・ディルーカ

 

【コース分析】

 

合計距離:3476.4km(ステージ平均165.5km)

平坦ステージ:7

中級山岳ステージ:7

超級山岳ステージ:4

山頂フィニッシュ:6

個人タイムトライアル:2

チームタイムトライアル:1

休息日:2

 

●第12ステージ(Seravezza~Sestri Levante、155km、難易度3)-5月17日

 

●第13ステージ(Savona~Cervere、121km、難易度1)-5月18日

 

●第14ステージ(Cherasco~Cervinia、209km、難易度5)-5月19日

 

●第15ステージ(Busto Arsizio~Lecco/Pian dei Resinelli、169km、難易度4)-5月20日

 

●休息日②-5月21日

 

●第16ステージ(Limone sul Garda~Falzes/Pfalzen、173km、難易度3)-5月22日

 

●第17ステージ(Falzes/Pfalzen~Cortina d’Ampezzo、186km、難易度5)-5月23日

 

●第18ステージ(San Vito di Cadore~Vedelago、149km、難易度1)-5月24日

 

●第19ステージ(Treviso~Alpe di Pampeago/Val di Fiemme、198km、難易度5)-5月25日

 

●第20ステージ(Caldes/Val di Sole~Passo dello Stelvio、219km、難易度5)-5月26日

 

●第21ステージ(Milano~Milano、30.1km、難易度3)-5月27日

 

ジロ後半戦は、各賞ジャージの持ち主が目まぐるしく変わる可能性があるでしょう。

 

4級、3級、2級、3級と立て続けにカテゴリー山岳が訪れる第12ステージ。

ゴール前残り11kmで迎える最後の3級でステージ狙いの選手が動きを見せそう。

逃げを決めたい選手にとっても、比較的チャンスのあるステージと言えるでしょう。

 

山岳ステージが本格する前最後のスプリントステージは第13ステージ。

121kmと距離が短く、終始スプリンターチームがコントロールする展開か。

総合狙いの選手にとっては、骨休めとなる貴重な1日を過ごすことでしょう。

 

第14ステージを皮切りに、マリア・ローザをめぐる争いが熾烈化へ。

この日は後半に2つの1級山岳をこなします。

ゴールへと向かうCerviniaの上りは28km。

当然高い難易度を誇り、総合争いに残る条件としてまずは脱落しないことが大前提となってくるでしょう。

 

イタリア入国から12日間にわたる長い長いロードは、第15ステージで終わりを迎えます。

前半に1級山岳をクリアすると、その後は3級、2級、2級とこなしていくことになります。

最後の2級山岳はゴールまで7kmの上り。

10%近い勾配が続くレイアウトは、総合成績とは関係のないパンチャーやアタッカーにとってチャンスが待っているかもしれません。

 

休養日明けの第16ステージは、逃げたい選手で前半からハイペースで推移しそう。

カテゴリー山岳が設けられていないものの、ゴールに向かう上りはさながらクラシックレースのよう。

ゴール前残り4kmで迎える最大勾配12%の上りのほか、路面が石畳の場所もあり、総合上位勢でわずかでもタイム差を広げたいor取り戻したい選手が動く可能性も。

 

第17ステージは、後半ステージの中でも1つポイントとなる部分が目白押し。

最後の1級山岳PASSO GIAUの頂上はゴール前約18km。

そこからは、ゴール地であるコルティナ・ダンペッツォへの超テクニカル&ハイスピードダウンヒル。

ダウンヒラーにとっては、総合争いを優位にするための勝負区間になることは間違いありません。

 

今大会最後のスプリントステージとなる第18ステージ。

焦点は、ここまでにスプリンターがレースに残っているかという点。

ツールを見据えて離脱を選択するスプリンターや、山岳ステージでタイムアウトとなる選手が多数出ていた場合、数少ない残った選手にチャンスが巡ってくるでしょう。

 

マリア・ローザ争奪戦はいよいよ佳境を迎えます。

第19ステージは198kmのレース距離に対して、獲得標高が5000mを超える“異常”とも言えるコース設定。

ゴール地となるALPE DI PAMPEAGOはゴールを含め2回通過。

ゴールを目指す2回目は山頂へ向かう途中にゴールが設けられているものの、ゴール前2kmから約1kmにわたり最大勾配16%の激坂が待ち受けます。

当然、生き残りをかけたサバイバルなレースとなるはずです。

 

第20ステージのゴール地PASSO DELLO STELVIOが今大会のチマ・コッピポイント。

この頂上ゴールが、今大会最後の山岳での争いに終止符を打ちます。

とはいえ、最後の山岳だけではなく、前半の3級山岳TEGLIOは最大勾配15%、後半の1級山岳MORTIROLOも最大勾配22%と、ボディブローのように選手の脚を削ることでしょう。

マリア・ローザ争いはもちろん、山岳賞マリア・アッズーラ争いも最後の戦いが繰り広げられることでしょう。

 

そして今年もミラノ市街地での個人タイムトライアルでジロは幕を閉じます。

テクニカルなコースは、TTスペシャリストにとって格好のアピールとなることでしょう。

マリア・ローザをかけた総合争いは、果たして総合トップ選手のウィニングランとなるのか。

前日終了時でトップと2位以下が数秒差でひしめき合っていた場合は、最終TTでの大逆転も十分にあり得るでしょう。

最後に、ピンクに染まったドゥオーモ広場でトロフィーを掲げられるのはいったい誰になるのでしょうか!

 

追って、選手編としてライダータイプ別に注目選手をピックアップしてみたいと思います。

 

 

ジロ・デ・イタリアオフィシャルサイト http://www.gazzetta.it/Speciali/Giroditalia/2012/it/

 

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