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ローラー台の導入

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昨年9月から乗り始めたロードバイク。

当初は乗れる時だけ乗れたら良い、天候や時間の都合で乗れなければそれで構わない、といったスタンスだったのですが、ここ最近になって乗車時間のやりくりが上手いことできるようになってきて状況が変わってきました。

さらには、乗車効果が身体に目に見えて現れるようになってきて、それがモチベーションになっていると言うべきなのでしょうか、今度は何らかの理由で乗れない日が出てくると何だか気持ちまで乗れない、なんて1日を送るようになってしまいました。

雨の日に限らず、冬になってあまりの強風(暴風)で外では乗ることができないと判断せざるを得ない日もあり、そんな時に溜まるフラストレーションといったらありません。

 

2月に入り、そんな懸案事項が解消されつつあります。

 

私の元にもローラー台が導入されました。

 

とはいえ、ロードバイクを買ってまだ半年足らず、バイク以外にウェアや小物など諸々揃えるのにお金を使ってしまい、ローラー台購入資金が手元にありません…。

そんな私に手を差し伸べてくださったのが、ロードに乗る前からいろいろお世話になっている(なりっぱなし)CHULL氏。

1台貸していただくことになりました。

 

こと自分が乗る点に関しては初心者いや素人いや無知同然なこともあり、ローラーに乗るにしてもどんなのが自分に合っていて、どのメーカーが良いのかなんていうのも全く分からない。

そこで、お借りして自分にとって必要な機能や丈夫さ、音の問題なんかも乗りながら学んでいこうという次第なのであります。

いや、これは本当です(笑)。

 

早速数回乗っておりますが、まだまだローラーに乗せられている状態であることは否めません…。

まぁそれでも、一定ペースを維持して乗り続けることができるようになってきましたし、相応の効果が出るまでもう少しか!?

 

ローラーネタ、何か続報があれば都度書いていくことにします。

いずれにせよ、これで天候に左右されずに“自転車充”を日々満喫できそうです。

 

オムループ・ヘット・ニュースブラッド&クールネ~ブリュッセル~クールネ-Preparation

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いよいよベルギーレースが開幕します。

ベルギーでのレースが始まらないとロードレースシーズンが始まった気にならない、なんて人もいるのではないでしょうか。

そのベルギーレース開幕戦恒例の2連戦、オムループ・ヘット・ニュースブラッドとクールネ~ブリュッセル~クールネの予習をしたいと思います。

 

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オムループ・ヘット・ニュースブラッド(ヘント~ヘント、200.3km)-2月25日

【過去5年の優勝者】

2011年 セバスチャン・ランゲフェルド

2010年 フアン・アントニオ・フレチャ

2009年 トル・フスホフト

2008年 フィリッポ・ポッツァート

2007年 フィリップ・ジルベール

 

【コース分析】

山岳(というほどのものではないですが)ポイント10ヶ所、石畳ポイント9ヶ所設定されています。

標高が一番高いところで125mと、全体を通しては平坦とは言えますが、斜度10%台の上りが多いこともあり、それを利用した揺さぶりが多いのがレースの特徴。

レースが動くのは156km地点のHaaghoekのパヴェあたりから。

有力選手たちが様子見のアタックや集団のふるい落としを始めます。

そして早ければ172km地点のLippenhovestraatのパヴェ、または179km地点のLange Munteのパヴェで、またはそれを越えてからのアタックで生き残る選手が限定されるはず。

それぞれ1000m、2000m超えと距離のあるパヴェが勝負どころとなりそうです。

 

【暫定エントリーリスト】

 

【注目選手】

セバスチャン・ランゲフェルド(オランダ、グリーンエッジ) ←ディフェンディングチャンピオン

トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)

シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)

ラース・イェティング・バク(デンマーク、ロット・ベリソル)

ベルンハルト・アイゼル(オーストリア、SKY)

フアン・アントニオ・フレチャ(スペイン、SKY) ←2010年チャンピオン

マシュー・ヘイマン(オーストラリア、SKY)

フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム) ←2008年チャンピオン

アレッサンドロ・バラン(イタリア、BMCレーシングチーム)

トル・フスホフト(ノルウェー、BMCレーシングチーム) ←2009年チャンピオン

タイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)

フレフ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム)

ロイド・モンドリー(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディール)

ウィリアム・ボネ(フランス、FDJ・ビッグマット)

ヴォラドミール・グセフ(ロシア、カチューシャ)

ルカ・パオリーニ(イタリア、カチューシャ)

ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク)

マッティ・ブレシェル(デンマーク、ラボバンク)

マールテン・チャリンギ(オランダ、ラボバンク)

ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・バラクーダ)

マルティン・マースカント(オランダ、ガーミン・バラクーダ)

デヴィッド・ミラー(イギリス、ガーミン・バラクーダ)

ヨハン・ファンスーメレン(ベルギー、ガーミン・バラクーダ)

セプ・ファンマルケ(ベルギー、ガーミン・バラクーダ)

ステイン・デヴォルデル(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)

ビョルン・ルークマンス(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)

バルト・デワーレ(ベルギー、ランドバウクレジット・ユーフォニー)

ボビー・トラクセル(オランダ、ランドバウクレジット・ユーフォニー)

レイフ・ホステ(アクセントジョブス・ウィレムスヴェランダス)

ウィリアム・クラーク(オーストラリア、チャンピオンシステム)

アドリアン・プティ(フランス、コフィディス)

フィリッポ・ポッツァート(イタリア、ファルネーゼヴィーニ) ←2007年チャンピオン

ロイ・カーヴァース(オランダ、プロジェクト1t4i)

コーン・デコルト(オランダ、プロジェクト1t4i)

ジョン・デーゲンコルブ(ドイツ、プロジェクト1t4i)

ドミニク・クレンメ(ドイツ、プロジェクト1t4i)

ニコライ・トルーソフ(ロシア、ルスベロ)

トマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)

 

セミクラシック初戦からメンバーが揃いました。

プロコンチームのメンバーに関しては有力選手の見落としがあるかもしれませんが、私が分かる範囲で選手をリストアップ。

 

例年この大会に並々ならぬ意気込みで臨むのはボーネン。

今年はツール・ド・サンルイス、ツアー・オブ・カタールで勝利を量産、ツアー・オブ・オマーンでは勝利は無かったもののアシストを兼ねながら順調に調整。

Ωクイックの組織力も既に各レースで見せつけているだけに、ボーネンをサポートする体制も整っていると見て良いでしょう。

シャバネルとのダブルエース態勢で、後半の勝負どころでまず動くのはシャバネル、スプリントに持ち込まれればボーネンという役割分担は明確。

 

チーム力で続くのが優勝経験者2人を揃えるBMC。

ジルベール、フスホフト、バラン、ファンアーヴェルマートとエースクラスを4人揃える豪華メンバー。

逃げ、スプリントどちらでも対応可能なだけに、ライバルからすると隙を見つけにくいでしょう。

各チームからのマークを上手くかいくぐることと、スプリントになった場合は最終局面までにボーネンを振り落しておくことが必要。

 

2010年に逃げで勝利を飾ったフレチャもこのレースと相性が良い1人。

昨年も2位に入っており、今年も優勝候補。

スプリントになると分が悪いだけに、早め早めの仕掛けは間違いなし。

ベテランならではの勝負勘で、一瞬のチャンスを活かせるか。

 

選手層の厚いガーミンは、2010年2位のハウッスラーがエース。

今シーズン勝利こそ無いものの、スプリントではコンスタントに上位に入っており、故障続きだった数年を思えば今年は良好。

今年はクラシックとオリンピックに集中するとコメントしていることもあり、そろそろ調子を上げてくるでしょう。

マースカント、ファンスーメレンといった石畳巧者がアシストに付くのも強み。

 

その他、昨年優勝のランゲフェルド、シクロクロスでの調整上がりのボーム、毎年アタックで魅せるヴォクレール、クラシックでは上位常連のルークマンスあたりも押さえておきたい選手。

故障で昨年1年ほぼ棒に振ったブレシェルの復調にも期待したいものです。

 

【優勝予想】

トム・ボーネン

 

オムループ・ヘット・ニュースブラッドオフィシャルサイト http://www.omloophetnieuwsblad.be/

 

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クールネ~ブリュッセル~クールネ(クールネ~クールネ、198km)-2月26日

【過去5年の優勝者】

2011年 クリストファー・サットン

2010年 ボビー・トラクセル

2009年 トム・ボーネン

2008年 ステッフェン・デヨンフ

2007年 トム・ボーネン

 

【コース分析】

コースにはパヴェが数ヶ所ありますが、例年勝負はクールネの周回コースに入ってから。

前日のオムループ・ヘット・ニュースブラッドとは若干趣は異なり、スプリンター向けのワンデーレースといった感じ。

2010年のように大荒れになれば予想外の展開もあり得ますが、恐らく優勝者はスプリンターになると予想されます。

 

【暫定エントリーリスト】

 

【注目選手】

マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、SKY)

クリストファー・サットン(オーストラリア、SKY) ←ディフェンディングチャンピオン

トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) ←2007,2009年チャンピオン

ゲラルド・チオレック(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)

アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)

デニス・ガリムジャノフ(ロシア、カチューシャ)

マーク・レンショー(オーストラリア、ラボバンク)

タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・バラクーダ)

イェンス・ケウケレイエ(ベルギー、グリーンエッジ)

アイディス・クルオピス(リトアニア、グリーンエッジ)

アレッサンドロ・バラン(イタリア、BMCレーシングチーム)

フレフ・ファンアーヴェルマート(イタリア、BMCレーシングチーム)

クリストフ・ホダールト(ベルギー、アージェードゥーゼル・ラモンディール)

ステイン・デヴォルデル(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)

ケニー・ファンヒュンメル(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)

ロメン・フェイユ(フランス、ヴァカンソレイユ・DCM)

レオポルド・ケーニヒ(チェコ、チームネットアップ)

ヤン・バルタ(チェコ、チームネットアップ)

ヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、FDJ・ビッグマット)

アルノー・デマール(フランス、FDJ・ビッグマット)

レイフ・ホステ(ベルギー、アクセントジョブス・ウィレムスヴェランダス)

ステファン・ファンダイク(オランダ、アクセントジョブス・ウィレムスヴェランダス)

トマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)

新城幸也(日本、ユーロップカー)

セバスチャン・シャバネル(フランス、ユーロップカー)

ダニエレ・コッリ(イタリア、チームタイプ1・サノフィ)

ジミー・アングルヴァン(フランス、ソール・ソジャサン)

ミカエル・ファンステイエン(ベルギー、トップスポルトフラーンデレン・メルカトール)

レオナルド・ドゥケ(コロンビア、コフィディス)

アドリアン・プティ(フランス、コフィディス)

ジョン・デーゲンコルブ(ドイツ、プロジェクト1t4i)

トム・フィーラース(オランダ、プロジェクト1t4i)

ボビー・トラクセル(オランダ、ランドバウクレジット・ユーフォニー) ←2010年チャンピオン

ギョーム・ボイヴィン(カナダ、スパイダーテック・パワードバイC10)

ニコ・イークホウト(ベルギー、アンポスト・ショーンケリー)

 

スプリンターを中心に列挙してみました。

傾向として、前日のオムループ・ヘット・ニュースブラッドで上位に入った選手や力を使った選手はこの日はお休みモードになります。

スプリンター有利の展開になるのはそうした理由もあるでしょう。

 

上記で多く選手を挙げましたが、中でもカヴェンディッシュ、ボーネン、グライペル、ファラーに絞っても良いくらい。

それほど4選手とも素晴らしいシーズンインを果たしています。

 

カヴェンディッシュは今年初戦のツアー・オブ・カタールでステージ2勝。

続くツアー・オブ・オマーンでは自分の形に持っていけませんでしたが、状態に問題は無さそう。

今回は女房役・アイゼルがいませんが、ディフェンディングチャンピオンのサットンを発射台に、フレチャ、ハント、スタナードなどがトレインを組み絶好の展開に持ち込みたい。

 

ボーネンは前日次第か。

スティーグマン、チオレックと好調のスプリンターも控えていることもあり、展開次第では無理せずリタイアもあるでしょう。

特にカヴェンディッシュ、グライペル、ファラーに対しては分が悪いだけに、ガチンコスプリントで勝つことは難しいという点もあります。

 

今のところダントツでNo.1スプリンターの地位にいるのがグライペル。

ダウンアンダーで3勝、オマーンで2勝の計5勝は現在最多勝。

今回もレイネス、シーベルグ、ヘンダーソンの露払い役を引き連れ参戦。

多少の石畳は問題なくこなせるだけに、優勝候補筆頭と見て良いかもしれません。

 

まだ勝利の無いファラーはオマーン最終ステージで得た手ごたえを活かせるか。

徐々にトレインが形になってきているだけに、いよいよここで本領発揮もあるでしょう。

最終局面を前にパンク、メカトラなどに見舞われることの多い選手だけに、トラブルに巻き込まれないことが勝利の大前提。

 

一昨年シーズン前半にブレイクしたケウケレイエ、カタールで健闘のクルオピス、同じく最終ステージを制したデマールあたりも若手注目株。

また、ユーロップカーからは新城選手が出場。

逃げまたはセバスチャン・シャバネルのリードアウトを務めることになりそうですが、状況によっては自ら勝負の可能性もあり。

ベルギーレースでもリザルトを残しつつあるほか、3月にはビッグレース出場を控えているだけに、ここで景気付けとなる好走に期待したいところです。

 

【優勝予想】

アンドレ・グライペル

 

クールネ~ブリュッセル~クールネオフィシャルサイト http://www.kuurne-brussel-kuurne.be/

 

ツアー・オブ・オマーン-Review

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ツアー・オブ・カタールとの連戦とはいえ、オールラウンド要素の高いツアー・オブ・オマーン。

活躍するライダーはスプリンターから総合系ライダーにバトンタッチします。

 

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第1ステージ(Al Alam Royal Palace~Wadi Al Hoqayn、159km)-2月14日

 

【結果】

1.アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) 3:26:09

2.デニス・ガリムジャノフ(ロシア、カチューシャ) s.t.

3.タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・バラクーダ) s.t.

 

【総合】

1.アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) 3:25:59

2.デニス・ガリムジャノフ(ロシア、カチューシャ) +04″

3.タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・バラクーダ) +06″

 

●ポイント賞

アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) 15pt

 

●ヤングライダー賞

デニス・ガリムジャノフ(ロシア、カチューシャ) 3:26:03

 

●チーム総合

リクイガス・キャノンデール 10:18:30

 

●敢闘賞

アレクサンドル・ルメア(フランス、ブリヂストンアンカー) 5pt

 

まずは口火を切るスプリンターによる争い。

 

日本期待のブリヂストンアンカーのフランス人、ルメアが逃げで魅せます。

2つのスプリントポイントを1位、2位でそれぞれ通過し、この日の敢闘賞を獲得。

 

BMC、ロット、リクイガスなどが激しいポジション争いを繰り広げる中、まず仕掛けたのはラボバンクのブラウン。

そしてファラーが反応し、ガリムジャノフがチェック。

2人の後ろに付き、冷静にタイミングを見極めたグライペルが余裕の捲りでオープニングステージ優勝。

カタールで好調のボーネン、カヴェンディッシュはこの日上位に顔を出せずに終わっています。

 

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第2ステージ(Sur~Wadi Dayqah Dam、140.5km)-2月15日

 

【結果】

1.ペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) 3:10:44

2.バーデン・クック(オーストラリア、グリーンエッジ) s.t.

3.トム・イェルテ・スラフテル(オランダ、ラボバンク) s.t.

 

【総合】

1.ペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) 6:26:43

2.アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) +04″

3.バーデン・クック(オーストラリア、グリーンエッジ) +07″

 

●ポイント賞

ペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) 21pt

 

●ヤングライダー賞

ペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) 6:26:43

 

●チーム総合

レディオシャック・ニッサン 19:50:49

 

●敢闘賞

クラース・ロデウィック(ベルギー、BMCレーシングチーム) 6pt

 

コース後半の上り基調と、ゴール前のアップダウンが大きな特徴のステージ。

 

終盤のアップダウンで、カヴェンディッシュ、ゴスといったスプリンターの多くが脱落。

残り1kmを切ってペーター・ベリトスのアタックをきっかけに、集団が崩壊。

しかしペーターは後続を引き離すことができず、残り250mで吸収。

残った数選手によるスプリントを制したのはサガン。

まさにこのステージにピッタリの選手が狙い通りの勝利を収めました。

スプリンターのクックが健闘の2位、前日優勝のグライペルも4秒遅れの10位と粘りを見せました。

 

ブリヂストンアンカー勢はレバが6秒遅れの11位、清水選手が13秒遅れの23位と好リザルトをマークしています。

 

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第3ステージ(Al Awabi [Al Alya]~Muscat Heights [Bank Muscat HQ]、144.5km)-2月16日

 

【結果】

1.マルセル・キッテル(ドイツ、プロジェクト1t4i) 3:23:00

2.アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) s.t.

3.ナセル・ブアニ(フランス、FDJ・ビッグマット) s.t.

 

【総合】

1.アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) 9:59:41

2.ペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) +2″

3.ナセル・ブアニ(フランス、FDJ・ビッグマット) +8″

 

●ポイント賞

アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) 28pt

 

●ヤングライダー賞

ペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) 9:59:43

 

●チーム総合

レディオシャック・ニッサン 29:59:49

 

●敢闘賞

アレクサンドル・ルメア(フランス、ブリヂストンアンカー) 8pt

 

スタートからしばらくは下り基調、ゴール前はフラットなレイアウト。

 

第1ステージに続き、ルメアが敢闘賞狙いの逃げを敢行。

中間ポイントを獲得し、敢闘賞ジャージを奪還。

集団に吸収される直前には猛烈なアタックをするなど、その力を存分にアピールします。

 

スプリントを目前に、グリーンエッジやガーミンがコントロールするも、いずれもリードアウトマンが早くに力尽き隊列が乱れる格好。

最後はロットの発射台が長牽きを強いられる形となり、失速した隙を突いたキッテルがゴールへ一直線。

加速が遅れたグライペルをはじめ、キッテル以外のスプリンターがこぞってライン取りに苦心し、後塵を拝する結果に。

大外からの逆転を狙ったカヴェンディッシュも、ブアニの寄せにより塞がれてスプリントを途中で断念。

そのブアニが3位に入り、今大会好調なところを見せました。

 

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第4ステージ(Bidbid [Nafa’a]~Al Wadi Al Kabir、142.5km)-2月17日

 

【結果】

1.アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) 3:37:02

2.ペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) s.t.

3.トニー・ギャロパン(フランス、レディオシャック・ニッサン) s.t.

 

【総合】

1.アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) 13:36:33

2.ペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) +06″

3.ナセル・ブアニ(フランス、FDJ・ビッグマット) +18″

 

●ポイント賞

アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) 43pt

 

●ヤングライダー賞

ペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) 13:36:39

 

●チーム総合

レディオシャック・ニッサン 40:50:55

 

●敢闘賞

クラース・ロデウィック(ベルギー、BMCレーシングチーム) 12pt

 

いよいよ総合順位に変動が起き始めるステージに。

終始アップダウンが繰り返され、スプリンターには苦しいステージ。

 

残り5kmを前にまず動いたのはニバリ。

それをシャバネルがチェック、ニバリのチームメイト・サガンもフォローに入ります。

ニバリのアタックは空振りに終わり、次はシャバネルがアタック、サガンがチェックに。

カザールなど数名が2人に追い付くも、スプリンターチームの必死のコントロールに屈します。

 

フラムルージュを過ぎてニバリが再度アタックしたものの不発。

このステージでは予想外のスプリント勝負は、カンチェラーラの早掛けに冷静に対応したグライペルが勝利。

際どい差でサガンが2位に。

 

最終的には48選手がメイン集団に生き残る結果に。

ブリヂストンアンカー勢は吉田選手がスプリントに参戦し16位。

総合で上位に付けるレバ、清水選手も余裕の集団ゴール。

このステージで再び敢闘賞ジャージを奪われたルメアは、明日以降のステージで再び奪還を狙います。

 

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第5ステージ(Royal Opera House, Muscat~Jabal Al Akhdhar [Green Mountain]、158km)-2月18日

 

【結果】

1.ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) 4:43:47

2.ペーター・ベリトス(スロバキア、オメガファーマ・クイックステップ) +10″

3.サンディ・カザール(フランス、FDJ・ビッグマット) +25″

 

【総合】

1.ペーター・ベリトス(スロバキア、オメガファーマ・クイックステップ) 18:20:58

2.ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +01″

3.トニー・ギャロパン(フランス、レディオシャック・ニッサン) +17″

 

●ポイント賞

アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) 43pt

 

●ヤングライダー賞

トニー・ギャロパン(フランス、レディオシャック・ニッサン) 18:21:15

 

●チーム総合

レディオシャック・ニッサン 55:05:40

 

●敢闘賞

クラース・ロデウィック(ベルギー、BMCレーシングチーム) 15pt

 

総合成績を決定づけるクイーンステージ。

やはり制したのは登坂力に長けた選手でした。

 

頂上ゴールとなるグリーンマウンテンに入り仕掛けたのはニバリ。

前日のステージでも積極性を見せ、状態の良さをここでも発揮。

一時はペーター・ベリトスのチェックもありアタックの脚を緩めますが、この動きで集団が崩壊。

スプリンターはもとより、総合2位につけていたサガン、この大会に意気込みを見せていたバランなどが次々と脱落。

 

集団が15人程度に絞られたところでニバリが再びアタック、ゴールまで突き進みます。

ニバリを追う集団の先頭には清水選手の姿が。

 

ニバリがクイーンステージを制覇。

2位にはテンポで上り続けたベリトスが入り、総合トップに。

カザール、ジャヌソンのFDJコンビが3位、4位に入線。

 

最終局面まで集団で勝負したレバが8位、清水選手が13位と、トップライダーに混じって大健闘。

それぞれ総合9位、13位にジャンプアップして最終ステージを迎えます。

 

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第6ステージ(Al Khawd~Matrah Corniche、130.5km)-2月19日

 

【結果】

1.マルセル・キッテル(ドイツ、プロジェクト1t4i) 3:11:04

2.ペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) s.t.

3.タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・バラクーダ) s.t.

 

最終ステージは恒例の首都・マスカットゴール。

とはいえ、総合でベリトスとニバリの差が1秒とあり、中間ポイント次第では逆転もあり得ます。

 

その中間ポイント、1つ目は逃げメンバーが獲りますが、2つ目はΩクイックとリクイガスの熾烈な争いに。

Ωクイックはエーススプリンター・ボーネンを、リクイガスはサガンを送り込んだものの、肝心のニバリがポイントを獲れず。

ゴールポイントでの逆転の可能性はあるものの、スプリンターの存在を考えると事実上総合はベリトスのものに。

 

最後のスプリント。

グリーンエッジからガーミンに主導権が移り、ファラーにとっては絶好の形で加速へ。

しかしここで地力を見せたのがキッテル。

ゴール前の右カーブを外から、自らの脚のみで捲るスーパースプリント。

ステージ2勝目を最高の形で飾りました。

 

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【総合成績】

1.ペーター・ベリトス(スロバキア、オメガファーマ・クイックステップ) 31:32:02

2.ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +01″

3.トニー・ギャロパン(フランス、レディオシャック・ニッサン) +17″

4.サンディ・カザール(フランス、FDJ・ビッグマット) +21″

5.アルノルド・ジャヌソン(フランス、FDJ・ビッグマット) +30″

6.トム・イェルテ・スラフテル(オランダ、ラボバンク) +30″

7.ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) +47″

8.ラムナス・ナヴァルダウスカス(リトアニア、ガーミン・バラクーダ) +49″

9.トマ・レバ(フランス、ブリヂストンアンカー) +50″

10.ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン) +52″

 

●ポイント賞

ペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) 53pt

 

●ヤングライダー賞

トニー・ギャロパン(フランス、レディオシャック・ニッサン) 21:32:19

 

●チーム総合

レディオシャック・ニッサン 64:38:52

 

●敢闘賞

クラース・ロデウィック(ベルギー、BMCレーシングチーム) 15pt

 

【戦評】

アップダウンが多く、スプリンターのみならずグランツールで総合上位を目論む選手たちの調整レースとしての意味合いも強かった今回。

 

まずはスプリンター。

それぞれステージ2勝を挙げたグライペル、キッテルの存在が際立っていました。

 

グライペルは第4ステージを制したように、多少の上りは難なくこなせる強さを身に付けた印象。

スプリント以外にクラシックでのアシストを担った昨シーズンの経験が今に活きているという見方をしても良いかもしれません。

 

一方のキッテルも、トップスプリンターを十分に渡り合えるだけの力を発揮。

トレインを必要とせず、当たり負けしない大きな体躯を活用したポジション確保ができるのが強み。

仮に若干後ろ目からのスプリントを余儀なくされても、抜群の加速力でゴール直前で逆転するパターンも形になってきています。

昨年のブエルタに続くビッグレースの勝利が、今年は何度も見られる予感をさせてくれる走りでした。

 

シーズン序盤から常に上位に顔を見せているファラーは、最終ステージでトレインが形になり次につながる終わり方。

3月開催のステージレースでは理想形からの勝利の量産もありそうです。

 

カタールで好調だったボーネンは2月末からのベルギーレースに向けて無理をしなかった様子。

カヴェンディッシュもなかなかスプリントの形に持っていけずに苦戦を強いられましたが、状態は悪くないでしょう。

その他、ブアニのがんばりも光っていました。

 

続いて、総合上位勢について。

 

総合2位に終わったものの、クイーンステージを圧倒的な強さで制したニバリ。

第4ステージまではサガンのアシストを務めていたこともあり、トップから数秒落としてゴールしていたのが最終的に総合成績に影響しましたが、全く問題無いでしょう。

それ以上にグリーンマウンテンで見せた爆発力を評価すべき。

これまではTTの強さを合わせた安定した総合力でグランツールの上位に名を連ねてきましたが、今年は勝負どころで決め手となり得るアタックが武器になりそう。

それも、一度ダメなら二度、三度と仕掛けられるだけの強さがありそうです。

 

総合優勝のベリトスは、グリーンマウンテンで大崩れしなかったことがタイトル獲得の要因でしょう。

一昨年のブエルタ3位は鮮烈な印象を残しましたが、昨年はスプリントトレインの役割が強く総合争いには加われなかっただけに、チーム移籍を機に自身の勝負に集中できる環境が整ったか。

アシストできる選手も揃っているだけに、グランツールでは再び上位争いに顔を表しそうです。

 

3位以降は第4,5ステージで勝負できた選手が並びました。

ギャロパン、カンチェラーラの2人をトップ10に送り込みチーム総合を制したレディオシャック、カザールとジャヌソンを総合4,5位に送り込んだFDJなどは総合力の高さをアピール。

総合6位のスラフテル、8位のナヴァルダウスカスといった若手の上位進出も評価したいところです。

特に2人とも将来を嘱望される選手だけに、ここでの活躍は1つのきっかけにしてほしいもの。

また、総合優勝候補でもあったロドリゲスは総合7位で終え、無難なシーズンスタートを切りました。

 

ブリヂストンアンカーの活躍も忘れてはなりません。

最終的にレバが総合9位、清水選手が総合13位、ルメアが敢闘賞2位と、新体制のチームとしては時期と出場チームを見ればこれ以上ない結果。

特に第5ステージで果敢に挑み集団を牽く場面もあった清水選手の走りは、ファンに大きな勇気と希望を与えてくれました。

ステージ10位以内を狙って臨んだ今回、レースが進むにつれレバと清水選手が総合狙い、ルメアが敢闘賞狙いの逃げ、吉田選手がスプリントと明確な役割ができたのも活躍の要因と言えそう。

この大成功で、他チームや関係者からも声をかけられるなど、認められる存在となりつつあります。

今後もフランスレース中心に転戦するチームですが、早い段階での勝利に期待したいです。

 

ツアー・オブ・オマーンオフィシャルサイト

http://www.letour.fr/us/homepage_courseTOO.html

 

現在、大絶賛シーズン最多勝! ティーナン-ロック

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昨日終了したフランスレース、ツール・ドゥ・オートヴァール(UCI2.1)。

第2ステージ最後のファイエンスの上りを制した選手に「!?」となった方もいるかもしれません。

実際、Twitter上でも「誰?」といったツイートが多数見受けられました。

 

その正体。

ジョナサン・ティーナン-ロック、イギリス人。

エンデュラレーシング所属の27歳。

昨年のツアー・オブ・ブリテンの山岳賞を獲得した選手と言えばピンとくる人がいるのではないでしょうか。

 

オートヴァールの総合優勝で今シーズン5勝目。

これ、アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)やエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、リクイガス)と並んで、何気にシーズン最多勝だったりします。

今月上旬のツール・メディテラネアンで総合も含めての3勝は、強風や寒さによる悪条件下でトップライダーが無理をしないorリタイアした中でのリザルトだったのこともあり、まぁこんなこともあるかな…くらいに見ていましたが…。

昨日だけでなく、上りスプリントで集団を引き離してゴールした一昨日の第1ステージ(逃げ切った2人に続いて3位)の走りを見る限り、どうやら本物のよう。

 

上りで上半身全体を揺する独特のダンシングが特徴のティーナン-ロック。

過去のリザルトを見ていくと、2009年からいくつかのレース結果が出てきました。

それ以前は国内選のリザルト程度。

 

いろいろと調べてみると、ある程度判明しました。

 

イングランド南西部のプリマス生まれ。

ジェレミー・ハントやヤント・バーカーなどを輩出したサイクリングクラブ出身で、15歳でマウンテンバイクでデビュー、18歳でロード転向。

2004年にヴェローナで開催された世界選手権ではU23ロードのイギリス代表に選出、アンダーカテゴリーでは将来を嘱望された選手だったとか。

その証拠に、翌年フランスの名門アマチュアチーム『CC Etupes』に加入し、アマチュア・ツール・ドゥ・オートヴァールで優勝しています。

 

しかし、順調に見えたキャリアに暗雲が。

ウイルス感染による戦線離脱、回復後も疲労回復の遅れや不眠、軽いライド程度で風邪のような症状が出るといった状態に悩まされることに。

それを機に、ロードレーサーとしてのキャリアを一旦終え、ブリストル大学での学位取得に専念。

実際、U23イギリス代表に選ばれた2004年以後、2008年までリザルトが残っていないのですが、その理由は学業専念にあったものと思われます。

 

2008年に競技復帰しアマチュアチームでの活動を経て、2009年にはPlowman Craven – Madisonと契約。

2010年からは世界的人気チーム、ラファコンドル・シャープに加入し、昨年のブリテン山岳賞獲得。

そして今年からはエンデュラレーシングに移籍し、今回の活躍にいたっている、というわけです。

 

2010年のツアー・オブ・ジャパンにラファが出場した際は、当時イギリスチャンピオンだったクリスチャン・ハウスなどがメンバー入りし話題になりましたが、ティーナン-ロックはメンバー外で来日していません。

それもあってか、日本のファンには馴染みの薄い選手でした。

こうして突然力を発揮し始めるとどうしても“ド”の字を疑ってしまったりしますが、ロードキャリアそのものが浅いことや、去年まで2クラスの山岳ステージでは数勝している実績もあるので、恐らく大丈夫かと思います。

というか大丈夫でしょ!

 

競技復帰する際に、ヨーロッパのトッププロになることを諦め、イギリスのプロチームとの契約を目指したという彼。

しかし、この活躍でもしかするともしかするかもしれません。

まだシーズン序盤、先に控えるグランツールやその他ビッグレースに向け、パンチャー的要素を備えた登坂力を求めているチームが着手するかもしれません。

現在所属するエンデュラレーシング自体がプロチーム所属経験のある選手が揃い、コンチネンタルチームとしては“戦える集団”であることは間違いないですが、あとは本人の気持ち次第か!?

トップチームからのオファーがあるかはもとより、一度は諦めた国外でのプロ契約を目指すかどうか本人の判断も気になるところです。

 

ジョナサン・ティーナン-ロック。

この勢いがいつまで続くのか、目が離せません。

 

Twitter:Jonathan T-Locke @J_T_Locke

Facebook:Jonathan Tiernan-Locke

 

 

ロードレース中継に対するファンとしてのあり方を考える

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昨日、J SPORTSが4月に開催されるクラシックレース、ロンド・ファン・フラーンデレンとアムステルゴールドレースの放映を発表しました。

一方で、今年も世界選手権の放映を行わないことにも言及していました。

 

J SPORTSでの放映がないレースに関しては、ストリーミングで観られたら良いくらいの感覚でいることもあり、昨年に続いて今年も世界選手権の放映がないことに関しても、特にがっかりするわけでもなく「そんなもんか」くらいで受け止めました。

というのも、自宅でのJ SPORTS本格導入が昨年と、TwitterやFacebookでお世話になっているRRファンの方々よりも比較的遅く、ストリーミングでの観戦期間が長かったことからそれほどの抵抗がないというのがあります。

ツールのような権利の厳しいレースなんかは、観るもの観るもの次々と検閲に引っかかっていく中で、どうにかこうにか生き延びているストリーミングを渡り歩いて観ていたので、その経験から観られるだけで上等だという意識が強いのです。

ただ、現地で中継しているテレビ局が配信しているものを除いて、ストリーミングによるレース観戦は決して望ましいことではないというのは強調しておきたいと思います。

それは、「観るな」「おすすめしない」という次元の話ではなく、観戦するにあたってのさまざまな観点からの話ですので、今回は膨らまさないでおきます。

 

ビッグレースの放映がなされないとなると、どうしても「放映権が獲得できなかった=お金の問題」といった見方をされがちになります。

観たい側にとっては、観られない理由として着目しやすい部分であることは間違いありません。

 

そこで、お金の問題を前提に考えてみますが、そこには複雑な事情が絡んでいるのだと思います。

お金の問題以外で放映できないケースもあるかとは思いますので、あくまでもこれは一例として。

 

私も普段はメディアの仕事(報道機関ではありませんが)を本業としていることもあり、ある程度想像がつきます。

テレビ、ラジオ、新聞、雑誌といった媒体はスポンサー収入が多くを占めていることから、そのスポンサーの意向によってネタをピックアップすることがしばしばあります。

もちろん、テレビであれば視聴者、新聞・雑誌の紙媒体であれば読者の要望やニーズに応じた構成にするのが基本ではありますが、そこに“スポンサーの意向”というものをどうしても組み込まねばならないことがあるのです。

それが仮に視聴者・読者に不必要な情報であったとしても、作り手にお金を落としている立場の人たちの声を反映させねば、番組や誌面自体が無くなる可能性があるだけに、無視するもできません。

 

したがって、いくらビッグレースを放送局側が放映したくても、ファンがテレビで観戦したくても、スポンサーの意向にそぐわなければそれは実現が難しくなります。

ここまでの流れから世界選手権を例に挙げますが、2012年の世界一が決まるレースでその価値をスポンサー側が理解していたとしても、番組スポンサー費用に充てる予算の都合、時期的に推したい商品があるか否か、ほかにスポンサードしたいレース中継がある、などといった理由から敬遠することは大いにあり得るということです。

また、放映する側(放送局)としても、そこに利が生まれなければビジネス的なメリットがありません。

放映権料や実況・解説者へのギャラに対して、スポンサーなどからの収入が無ければ赤が出ることは説明するまでもないでしょう。

 

昨年の世界選手権で放映権を日本のテレビ局が獲得しなかったことについて、数局に問い合わせをした人がいたそうですが、局側のレスポンスは「権利上の都合で」といったニュアンス一点張りだったとか。

ファンとしては、局側のその姿勢に立腹するのは理解できなくもありません。

なぜ放映しないのかの問いに対して、「権利上の都合で」というのは明確な返答にはなっていないのは確か。

しかし、局と局、局とスポンサーのやり取りをいちいち視聴者に説明する必要性もありません。

ファンとしては妥協ではありませんが、放映できないことについては上記のことなどを踏まえたうえで、一定の理解を示す必要性があると私は考えます。

ちなみに、昨日J SPORTSツイッターアカウントの中の人があるリプライに対して「放送権を持っていない理由は各取引先様も関係する機密事項になりますので・・・」と応えていましたが、これが返答できうるMAXの内容と言えるかと思います。

私も本業でもし似たような問い合わせがあれば、これに近い返答をするだろうと想像をしました。

 

もっとも、作り手は観る側の要望や意見を無視しているわけがありません。

その意識はファンや視聴者が失ってはいけない部分だと思います。

そして、作り手にも実現できること、応えられることには種々の事情から限界があるということも忘れてはいけません。

 

決してJ SPORTSの肩を持っているわけではないのですが、局側の立ち位置とファンとしての立ち位置双方に身を置いて考えてみました。

リクエストすること、要望を出すこと、問い合わせることはやろうと思えば簡単なことです。

結果や答えに対して感情的になるばかりではなく、考えられる理由や事情を整理しながら自分なりに解釈するのも、ファンならびに視聴者として必要な姿勢ではないでしょうか。

 

ツアー・オブ・カタール-Review

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シーズン序盤のスプリンターの祭典ともいえるツアー・オブ・カタール。

今年は3年ぶりに“カタールマイスター”が輝きを放った大会となりました。

 

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第1ステージ(Barzan Towers~Doha Golf Club、142.5km)-2月5日

 

【結果】

1.トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) 3:11:32

2.アダム・ブライス(イギリス、BMCレーシングチーム) s.t.

3.ペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) s.t.

 

【総合】

1.トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) 3:11:22

2.アダム・ブライス(イギリス、BMCレーシングチーム) +4″

3.ペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) +6″

 

●ポイント賞

トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) 15pt

 

●ヤングライダー賞

アダム・ブライス(イギリス、BMCレーシングチーム) 3:11:26

 

●チーム総合

オメガファーマ・クイックステップ 9:34:36

 

各チームのエーススプリンターの調整具合を測ることのできるオープニングステージ。

 

ToQ特有の集団が縦長になる展開。

一時ガーミンのトレインが好位置をキープする場面があるもすぐに隊列が崩れ、他チームも上手くトレイン形成できない状態。

そんな中、抜群のタイミングで前方に上がったスティーグマンを発射台に加速したボーネンがこの大会通算19勝目となるステージ優勝。

 

エーススプリンターのポジション取りに力を注いだ別府選手は集団内でゴール。

そして、船出のレースとなったブリヂストンアンカー勢も、終盤脱落した吉田選手、西薗選手を除き無難なスタートを切っています。

 

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第2ステージ(Lusail~Lusail、11.3kmチームTT)-2月6日

 

【結果】

1.ガーミン・バラクーダ 12:38

2.オメガファーマ・クイックステップ +7″

3.SKY +9″

 

【総合】

1.トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) 3:24:07

2.タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・バラクーダ) s.t.

3.ヨハン・ファンスーメレン(ベルギー、ガーミン・バラクーダ) +3″

 

●ポイント賞

トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) 15pt

 

●ヤングライダー賞

ラムナス・ナヴァルダウスカス(リトアニア、ガーミン・バラクーダ) 3:24:10

 

●チーム総合

ガーミン・バラクーダ 9:47:14

 

11.3kmとTTTにしては短めの距離とはいえ、チームの総合力・組織力を占うには十分なステージ。

エーススプリンターで総合優勝を狙いたいチームにとっては、チームリーダーを守りながら、そしてトラブルなく走りきることが大前提となります。

 

そんな中、TTTでは決して外すことのないガーミンがここでも力を発揮。

2位に7秒差を付けて優勝。

そして、前日ステージ優勝のボーネンを据えるΩクイックが大健闘ともいえる2位。

シーズン序盤からチームが絶好調であることをここでも証明しました。

 

UCIプロチームが上位11位までを占め、その次にプロコン勢が、コンチネンタル勢が下位に沈み、チーム力の差がはっきりと出る結果となりました。

ブリヂストン・アンカーは1分11秒遅れの15位でゴールしています。

 

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第3ステージ(Dukhan~Al Gharafa Stadium、146.5km)-2月7日

 

【結果】

1.マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、SKY) 3:23:48

2.トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) s.t.

3.アイディス・クルオピス(リトアニア、グリーンエッジ) s.t.

 

【総合】

1.トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) 6:47:49

2.タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・バラクーダ) +6″

3.マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、SKY) +8″

 

●ポイント賞

トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) 27pt

 

●ヤングライダー賞

リュディガー・セリグ(ドイツ、カチューシャ) 6:48:07

 

●チーム総合

ガーミン・バラクーダ 19:58:44

 

ブリヂストン・アンカーのアレクサンドル・ルメアが逃げに入る活躍を見せたこのステージ。

残り40kmから横風を利用した集団分断が激しくなり、有力選手が数多く後方に取り残される形に。

我らが別府選手もその1人で、上位争いに加わることができず。

 

ゴールに向かったペースが上がる一方のメイン集団は、複数の選手を送り込んだガーミン・Ωクイック・SKYが主導権を握る展開。

スプリントはスティーグマンの強力な引き上げから発射されたボーネンが一度は飛び出すも、リタイアしたアポローニオに変わり最終リードアウトを務める職人・アイゼルが上手くボーネンをチェック。

そのアイゼルが他選手の寄せでボーネンのチェックを外した一瞬を逆に利用したカヴェンディッシュが一気の加速、今シーズン初勝利を挙げました。

また、同様にボーネンのチェックに入っていた若手注目株・クルオピスが3位に入線。

 

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第4ステージ(Al Thakhira~Madinat Al Shamal、144km)-2月8日

 

【結果】

1.トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) 3:03:14

2.トム・フィーラース(オランダ、プロジェクト1t4i) s.t.

3.ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン) s.t.

 

【総合】

1.トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) 9:50:50

2.タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・バラクーダ) +31″

3.フアン・アントニオ・フレチャ(スペイン、SKY) +34″

 

●ポイント賞

トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) 45pt

 

●ヤングライダー賞

ラムナス・ナヴァルダウスカス(リトアニア、ガーミン・バラクーダ) 9:51:59

 

●チーム総合

オメガファーマ・クイックステップ 29:08:48

 

今大会のハイライトとなった第4ステージ。

 

まず、ブリヂストン・アンカーの清水選手がエスケープ。

約70kmにわたって逃げ続ける果敢な走り。

 

このステージでも横風による分断が起き、終盤には40名弱の集団に。

そして残り5km、チームメートが全員脱落し孤立状態となっていたカンチェラーラが自ら勝負すべく強烈なアタック。

これにより集団があっけなく破壊、即座に反応できたのはBMCのブライスのみ。

しかしブライスはカンチェラーラのスピードに合わせてローテーションすることができず、単独で合流したフレチャ、アシスト2名に引き連れられたボーネン、脱落した選手を上手く風除けに使いながら猛然と追い上げたフィーラースが追い付き、最終局面へ。

 

こうなると、スプリント力で抜けるのがボーネンと、普段はキッテルの発射台を務めるフィーラース。

ボーネンは発射台のスティーグマンを残しており、圧倒的有利な展開。

カンチェラーラがロングスプリントを仕掛けるも、冷静に対処したボーネンが余裕の勝利。

総合上位勢に差を付けてゴールすることに成功し、総合優勝に向けて大きなアドバンテージを獲得しました。

 

さながら“北のクラシック”の主役となる選手たちが争ったこのステージ。

まさに今年の石畳を制する戦いを占うレースと見ても良いかもしれません。

 

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第5ステージ(Camel Race Track~Al Khor Corniche、160km)-2月9日

 

【結果】

1.マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、SKY) 3:30:34

2.ダニエル・オス(イタリア、リクイガス・キャノンデール) s.t.

3.ペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) s.t.

 

【総合】

1.トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) 13:21:30

2.タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・バラクーダ) +31″

3.フアン・アントニオ・フレチャ(スペイン、SKY) +34″

 

●ポイント賞

トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) 45pt

 

●ヤングライダー賞

ラムナス・ナヴァルダウスカス(リトアニア、ガーミン・バラクーダ) 13:22:39

 

●チーム総合

オメガファーマ・クイックステップ 39:40:48

 

このステージでもブリヂストン・アンカーが躍動。

西薗選手が約120kmにわたる逃げを敢行。

いま最も可能性のある日本人選手の1人でもあるだけに、好アピールになったはず。

 

そして、ゴールはもちろんスプリント。

有力チームが入り乱れ、各チームともトレインが総崩れ。

スプリンターの位置取りの上手さと加速力による争いとなった局面を制したのは、やはりカヴェンディッシュ。

今大会2勝目、ここ数年では最高ともいえるシーズンインと言えるでしょう。

 

総合トップのボーネンは位置取りをミスしたこともあり、無理せず集団内でゴール。

前日までの2ステージで集団から遅れていた別府選手もこの日はアシストで力を発揮し、状態の良さを見せています。

 

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第6ステージ(Sealine Beach Resort~Doha Corniche、120km)-2月10日

 

【結果】

1.アルノー・デマール(フランス、FDJ・ビッグマット) 2:20:44

2.デニス・ガリムジャノフ(ロシア、カチューシャ) s.t.

3.マーク・レンショー(オーストラリア、ラボバンク) s.t.

 

昨年のU23世界チャンピオンがその才能を見せつけることとなります。

 

距離の短いステージとあって、スタートから超ハイスピード。

ドーハ・コルニッシュの周回コースを前に足きりとなる選手が続出。

 

やはりこのステージも各チーム入り乱れての位置取り合戦。

どのチームも主導権を握られない状況からのスプリント態勢に。

直後、カヴェンディッシュがマークをしていたファラーの後輪に触れ落車。

ファラーも勢いを失う形に。

その影響で集団が崩れる中、ラインを消されることなくスピードに乗ったデマールが見事な勝利。

 

昨年の世界選U23でのアルカンシェル獲得時も、抜群の加速力で勝利を収めたデマール。

今大会ベストメンバーを揃えたと言えるFDJ・ビッグマットにとっては大きな勝利となりました。

 

チームメートのデイヴィスをアシストした別府選手は、自らもスプリントして13位でゴール。

ブリヂストン・アンカーの吉田選手も、カヴェンディッシュの落車による集団崩壊の影響を受けながらも28位でゴールしています。

 

また、清水選手と西薗選手が早々に脱落し、周回コースを前に足きりという厳しい結果に終わっています。

 

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【総合成績】

1.トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) 15:42:14

2.タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・バラクーダ) +28″

3.フアン・アントニオ・フレチャ(スペイン、SKY) +33″

4.ヘルト・スティーグマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) +34″

5.トム・フィーラース(オランダ、プロジェクト1t4i) +1:00

6.マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、SKY) +1:05

7.ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン) +1:06

8.ラムナス・ナヴァルダウスカス(リトアニア、ガーミン・バラクーダ) +1:09

9.アイディス・クルオピス(リトアニア、グリーンエッジ) +1:10

10.アダム・ブライス(イギリス、BMCレーシングチーム) +1:14

 

●ポイント賞

トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) 45pt

 

●ヤングライダー賞

ラムナス・ナヴァルダウスカス(リトアニア、ガーミン・バラクーダ) 15:43:23

 

●チーム総合

オメガファーマ・クイックステップ 46:43:00

 

【戦評】

カタール特有の風の影響で過去には波乱の展開もあっただけに、今年は果たしてどのようなレースになるのか注目されたところでしたが、結果的にはスプリンターによる争いに終始した格好となりました。

 

総合優勝のボーネンは、まさに“カタールマイスター”と呼ばれるにふさわしい戦いぶりでした。

ステージ2勝のほか、後塵を拝したステージでも安定して集団に残り、全く危なげない走り。

むしろ最後の2ステージは無理せずゴールしていた印象でした。

ボーネンの強さと言えば、かつて世界の頂点を極めたスプリントとそれを後押しする勝負勘、さらには“北のクラシック”に代表される悪条件のコースにおけるパワーを活かした抜群の独走力が挙げられると思います。

ここ数年は怪我の影響もあり、持ち味が影を潜めていた印象でしたが、相性の良いカタールで復活ののろしを上げたと言って良いでしょう。

もちろん、ボーネンを支えたアシストの働きも忘れてはなりません。

選手個々がしっかりと冬場のトレーニングをこなし、絶好調のチームをプロトンのトップに押し上げている姿は、これまでの低迷を忘れさせてくれるものがあります。

 

最終ステージでの落車もあり、結果的には総合6位に終わったカヴェンディッシュ。

しかし、総合成績以上にステージで挙げた2つの勝利は我々に鮮烈な印象を与えました。

例年この時期はトレーニングライド状態で、スプリントに絡めないことが多かっただけに、シーズン初戦で見せた圧巻のスプリントはアルカンシェルにふさわしいものと言えるでしょう。

今後さらに彼のスプリントを活かすべくトレインの改良なども行ってくるはず。

また、ウィギンスやフルーム、ボアッソン・ハーゲンといったスーパーエースたちとどのように共生していくかも見ものです。

 

第4ステージで生き残ったカンチェラーラ、フレチャ、フィーラースあたりも春のクラシックシーズンに期待が持てる走りを見せました。

特にフィーラースは昨年キッテルの発射台としてブエルタで大活躍したのが記憶に新しいですが、そこでの走りをきっかけに一段階上の走りができるようになった印象。

パリ~ルーベでは昨年27位、一昨年13位に入っており、今年は優勝争いに加わる可能性もありそう。

 

今シーズン初勝利はお預けとなったファラーも安定して上位に食い込み、総合2位。

トレイン形成はできているものの、その動き出しが若干早いのか、肝心のスプリントのタイミングでは既に崩れてしまっている感。

ジュリアン・ディーンが移籍した影響が少なからずあるかもしれません。

しかし、そこはヴォーターズ監督率いるチーム。

抜群の組織力で、クラシックシーズンまでには修正してくることでしょう。

 

日本人選手が目立った大会でもありました。

別府選手は早くも新チームにフィットし、信頼を勝ち得ている様子。

その証拠に、毎ステージ集団先頭に顔を出し、エーススプリンターを引き上げている姿がたびたび中継カメラに捉えられていました。

最終ステージでは自らもスプリント。

今年はこれまで以上にオールラウンドな働きが求められているだけに、その期待度も高いことでしょう。

 

ブリヂストン・アンカーは最終的に5名が完走。

日本人選手では、井上選手・吉田選手が無事ゴールしています。

リザルト以上に、積極的な逃げを見せ続けたことが高い評価につながりそうです。

吉田選手が最終ステージで見せたスプリントなども、これからのチームの活躍を予感させてくれるものとなりました。

一方で、レース終盤では集団の後方で走るのを余儀なくされていたこともあり、プロトン内でのリスペクトはまだ得られていない様子。

しかし、カタール・オマーンの連戦でその存在を知らしめることで、状況が大きく変わってくるに違いありません。

オマーンでの走りにも要注目です。

 

ツアー・オブ・カタールオフィシャルサイト

http://www.letour.fr/indexTQA_us.html

cyclowiredに掲載されたブリヂストン・アンカーのカタール参戦レポート

http://www.cyclowired.jp/?q=node/77145

 

アメリカを拠点とする日本人ライダー

2件のコメント

プロアマ問わず、海外で活動する日本人ライダーでスポットが当たるのはやはりヨーロッパに拠点を置いている選手。

中でも別府選手、新城選手、土井選手、宮澤選手の存在は日本のロードレース界において群を抜いている存在であることは言うまでもありません。

 

一方で、今年からアメリカを拠点にレース活動を行う選手がいます。

日隈優輔、29歳。

VC福岡の代表、ツール・ド・福岡の発起人、と言えばピンとくるファンも多いのではないでしょうか。

 

2005年から5年間フランスでアマチュアとして活動。

2009年後半からは郷里の福岡でVC福岡を立ち上げ、2010年にツール・ド・福岡の初開催を実現。

昨年もチーム活動のほかスポーツタレントとして、さらにはツール・ド・福岡の成功にも尽力しました。

また、かつてはダイハツ・ボンシャンス飯田、チームフジ・アジアに所属し、UCIアジアツアーのレースを転戦していた経験もあります。

 

そんな彼が今年選んだ道は、アメリカを拠点とした活動。

UCIコンチネンタルチームのWonderful Pistachios Cyclingに加入し、UCIアメリカツアーやアメリカ国内ツアーを転戦することになるようです。

 

Wonderful Pistachio Cyclingは今年12名の選手で構成。

日隈選手とともに今年加入したKirk CARLSENは、2010年にガーミン・トランジッションズでプロデビュー、昨年はチポトレデベロップメントチームに所属した実績ある選手。

アックア・サポーネなどのプロチーム・プロコンチームを渡り歩いたフランス人、オーレリアン・パスロンなども合流し、レベルの高いチームと見て良さそうです。

 

29歳という年齢は、ロードレースシーンにおいては決して若いとは言えません。

20歳代後半にもなれば、ヨーロッパプロを夢見た日本人選手も次々と日本国内での競技継続にシフトしていきます。

そんな中、目標を次々と設定し、その過程でアメリカへの進出を果たす点は評価に値するのではないでしょうか。

言葉は悪くなってしまいますが、決して表舞台を歩み続けているわけではない、むしろ地道に進み続けるスタンスはファンとして心から応援したい気持ちにさせられます。

 

日隈選手のブログを拝見するに、2月23日からチームのトレーニングキャンプがスタートするよう。

そして、チームの主たる目標は5月のツアー・オブ・カリフォルニア、8月のツアー・オブ・ユタ、USAプロサイクリングチャレンジ・イン・コロラドとのこと。

これらのビッグレースで「Yusuke HIGUMA」の名前が見られることに期待したいものです。

何なら、ジャパンカップでの凱旋出場なんてのも実現させてほしいですね。

 

 

日隈優輔選手ブログ「KUMAちゃんの。」 http://ameblo.jp/higumax/

Wonderful Pistachio Cycling入りについては2012年1月4日分エントリーに記載

 

cycling newsに掲載されたWonderful Pistachio Cycling関連記事(2011年12月29日分)

http://www.cyclingnews.com/news/wonderful-pistachios-expands-schedule-for-2012

 

Wonderful Pistachio Cycling http://www.wonderfulpistachiosprocycling.com/

「RIDERS」には日隈選手の紹介も

 

ツアー・オブ・オマーン-Preparation

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先日終了したツアー・オブ・カタールのReviewをまとめたいところですが、今日からツアー・オブ・オマーンが開幕しますので、まずはこちらから書いていきたいと思います。

カタールについては、明日以降アップします。

初開催となった一昨年、そして昨年と、カタール→オマーンの流れを汲んでいた選手が多かったのですが、今年はそういった選手が少ない印象があります。

 

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ツアー・オブ・オマーン-2月14-19日

【過去2年の総合優勝者】

2011年 ロベルト・ヘーシンク

2010年 ファビアン・カンチェラーラ

 

【コース分析】

 

●第1ステージ(Al Alam Royal Palace~Wadi Al Hoqayn、159km)

 

●第2ステージ(Sur~Wadi Dayqah Dam、140.5km)

 

●第3ステージ(Al Awabi [Al Alya]~Muscat Heights [Bank Muscat HQ]、144.5km)

 

●第4ステージ(Bidbid [Nafa’a]~Al Wadi Al Kabir、142.5km)

 

●第5ステージ(Royal Opera House, Muscat~Jabal Al Akhdhar [Green Mountain]、158km)

 

●第6ステージ(Al Khawd~Matrah Corniche、130.5km)

 

第2ステージのみ、公式HPでプロフィールが誤掲載されていましたので、入手でき次第こちらでも掲載します。

前述したカタール→オマーンの流れを汲む選手が今年は減り、カタール終了後離脱、オマーンから合流といった選手が各チーム相次いでいます。

その要因として、昨年までは山岳ステージ1・TTステージ1・残りはスプリントステージといった構成でしたが、今年はTTが無くなり、総合成績を左右するアップダウンの激しいステージが山岳含め2つになったことが大きいと思われます。

第4・5ステージはスプリンターにとっては厳しいものとなりますが、総合系やパンチャータイプのライダーにとってはシーズン序盤の小手調べにはピッタリのレイアウトと言えるでしょう。

 

【注目選手】

ライダータイプ別に、押さえておきたい選手を独断でピックアップします。

全スタートリストは公式サイト、またはCycling Feverから。

 

●総合系・パンチャー系(総合争いをすると思われる選手)

アレッサンドロ・バラン(イタリア、BMCレーシングチーム)

マルコ・ピノッティ(イタリア、BMCレーシングチーム)

サンディ・カザール(フランス、FDJ・ビッグマット)

クリスチャン・ヴァンデヴェルデ(アメリカ、ガーミン・バラクーダ)

ヴォラドミール・グセフ(ロシア、カチューシャ)

ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)

ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)

ペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)

シルヴァン・シャバネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)

ペーター・ベリトス(スロバキア、オメガファーマ・クイックステップ)

トム・イェルテ・スラフテル(オランダ、ラボバンク)

ローレンス・テンダム(オランダ、ラボバンク)

ヤコブ・フグルサング(デンマーク、レディオシャック・ニッサン)

アンディ・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン)

 

●スプリンター

アダム・ブライス(イギリス、BMCレーシングチーム)

マチュー・ラダニュー(フランス、FDJ・ビッグマット)

ドミニク・ローラン(カナダ、FDJ・ビッグマット)

アンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼ・ヴィーニ)

タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・バラクーダ)

バーデン・クック(オーストラリア、グリーンエッジ)

マシュー・ゴス(オーストラリア、グリーンエッジ)

アイディス・クルオピス(リトアニア、グリーンエッジ)

デニス・ガリムジャノフ(ロシア、カチューシャ)

リュディガー・セリグ(ドイツ、カチューシャ)

ダニエル・オス(イタリア、リクイガス・キャノンデール)

アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)

グレゴリー・ヘンダーソン(ニュージーランド、ロット・ベリソル)

トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)

マルセル・キッテル(ドイツ、プロジェクト1t4i)

グレーム・ブラウン(オーストラリア、ラボバンク)

トニー・ギャロパン(フランス、レディオシャック・ニッサン)

ロバート・ワグナー(ドイツ、レディオシャック・ニッサン)

ダヴィデ・アポローニオ(イタリア、SKY)

マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、SKY)

ベルンハルト・アイゼル(オーストリア、SKY)

 

●その他

タイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)

井上和郎(日本、ブリヂストン・アンカー)

西薗良太(日本、ブリヂストン・アンカー)

清水都貴(日本、ブリヂストン・アンカー)

吉田隼人(日本、ブリヂストン・アンカー)

クリントン・エイベリー(ニュージーランド、チャンピオンシステム)

ウィリアム・クラーク(オーストラリア、チャンピオンシステム)

デヴィッド・ミラー(イギリス、ガーミン・バラクーダ)

ラムナス・ナヴァルダウスカス(リトアニア、ガーミン・バラクーダ)

ヨハン・ファンスーメレン(ベルギー、ガーミン・バラクーダ)

スチュアート・オグレディ(オーストラリア、グリーンエッジ)

ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン) ←2010年総合優勝

ヤロスラフ・ポポヴィッチ(ウクライナ、レディオシャック・ニッサン)

デヴィッド・マッキャン(アイルランド、RTSレーシングチーム)

 

昨年までとはステージ構成が変化したとはいえ、総合系からスプリンター、逃げと得意とする選手までそうそうたる面々が今年も揃いました。

 

まずスプリントですが、リードアウトマンを複数揃えて万全を期するのがガーミン、グリーンエッジ、ロット、Ωクイック、SKYといったところ。

この中で既に結果を残しているのが、グライペルのロット、ボーネンのΩクイック、カヴェンディッシュのSKY。

グライペルはダウンアンダーでの活躍後、体調を崩しカタールを欠場。

このオマーンでは復調具合がどの程度か見もの。

ボーネンはここ数年には無かった好調さを見せており、飛ばし過ぎが心配されるものの春のクラシックシーズンに向けて好材料を揃えています。

また、カヴェンディッシュもカタールで2勝。

昨年、一昨年とシーズン前半は振るわなかっただけに、見違えるようなシーズンインとなっています。

この3選手・チームに追随するのが、やはりファラーのガーミン。

カタールでも積極的なリードアウトを見せ、TTTでは組織力を証明しただけに、あとはそのリードアウトが形になれば十二分に勝負できるでしょう。

 

その他、カタール第4ステージでカンチェラーラのアタックに唯一反応したブライス、同第3ステージ3位のクルオピス、同第5ステージ2位のオス、同第6ステージ2位のガリムジャノフといった若いスプリンターがシーズン早々良い動きを見せているだけに、今回も注目。

極寒のフランスレースで好リザルトを残したキッテルがいよいよトップスプリンターと交わる点も見逃せません。

 

そして総合争いですが、クライマーだけではなくパンチャー系の選手にもチャンスがあるだけに、優勝候補目白押し。

本来の力からすると一枚抜けているのがアンディ、フグルサングのレディオシャック・ニッサンコンビですが、グランツールを見据えてのこの時期だけに、どれだけの本気度を見せるかが疑問。

同様に、ニバリも今大会はサガンのアシストに回るのではないかと思われます。

そのサガンはカタールではスプリントに絡むステージもあり、上々の滑り出し。

オマーンではリザルトを狙うとのコメントもあり、スプリント・山岳とも上位に絡む可能性が高いでしょう。

第5ステージで生き残ることができれば総合優勝も見えてきます。

 

もう1人、この大会に意気込んでいるのがバラン。

今回のレイアウトを自分向きと捉えている様子で、サガンと同じく第5ステージの走りいかんでは総合に絡む可能性が高そう。

 

そこに大きく立ちはだかるであろう存在がロドリゲス。

シーズン通して波がほとんどなく、上りで見せる一気のスピードに対抗できる選手は現在のプロトンではそういないでしょう。

第5ステージの上りは最高で13.5%、まさに彼向きのコースではないでしょうか。

 

他では、ミドルツールで力を発揮するテンダム、いぶし銀の走りを見せるカザール、安定感のあるヴァンデヴェルデやピノッティあたりを押さえておきたいところです。

 

カタールに続き、ブリヂストン・アンカーが出場。

井上・西薗・清水・吉田の4選手が引き続きエントリー。

カタールでは積極的な逃げを見せ、その存在を少しずつ世界にアピールしています。

オマーンでもスタンスを変えず、徐々にプロトンに認められるよう力を見せてもらいたいところです。

 

【総合優勝予想】

ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)

 

ツアー・オブ・オマーンオフィシャルサイト http://www.letour.fr/us/homepage_courseTOO.html

 

GreenEDGEのMEMBERSHIPSに入会しました!

1件のコメント

昨年12月半ばにグリーンエッジから発表されたメンバーシップ募集。

日本人選手の加入や、オージーライダーに好きな選手が多かったこともあり、チームのサポーターになるべく入会することにしました。

クリスマス時期に入会手続きをしたのですが、その特典が今日ようやく届いたのでした(本来なら3日前に届いていたはずが、家を空けていたため今日受け取り)。

 

私が入会したのは、4つあるメンバーシップパッケージのうち、下から2番目のDOMESTIQUE MEMBERSHIP PACKAGE

その内訳は、

 

・レプリカジャージ(選手たちが着ているフルジップタイプとは異なり、ハーフジップタイプのもの)

・ライダーズキャップ

・オフィシャルTシャツ

・チームキャップ

・リストバンド

・エリートウォーターボトル

・バンパーステッカー

・ミュゼットバッグ

 

これで135.45オーストラリアドル、日本円にして11000円ちょっとです。

結構お得だと思います。

だからか知りませんが、2月頭に届いたオフィシャルメールでは「遅くとも2月2週目明けには届く」と言いながら若干遅れて届いたり、宛名のスペルが間違えられていたり(私の名前は発音や表記がしにくいらしい…フランスでも同様の経験があります)、ジャージサイズが納品書にはオーダー通り「medium」と記載されているにも関わらず実際は「small」が入っていたりと、オーストラリアクオリティ全開…。

まぁ、ジャージは試着したところSサイズでも大丈夫そうなので、今のペースでロードバイクに乗っていれば太ることは無いだろうと解釈してクレームは言わないでおきます(笑)。

 

さて、このメンバーシップ加入の経緯ですが、前述の通りチームを応援したいという気持ちを多少でも表したかったのと、ミーハー心炸裂で「グリーンエッジのジャージで走りたい」との思いからでした。

どちらかと言えば、後者であることはここだけの話…。

 

ということで、どのパッケージを申し込むか考慮することになります。

一番手頃なGREEN TEAM MEMBERSHIP PACKAGEだと、日本円にして6000円弱ではあるものの、ジャージやライダーズキャップが付いておらずロードバイクに乗るうえでの“実用性”に欠けている。

上から2番目のPELOTON MEMBERSHIP PACKAGEだと、ジャージ・ビブショーツ・サマーレースグローブが付き(何故ソックスが無い!?)、さらにはエリートウォーターボトルが2本入り、前述の“実用性”はかなり高いものの、ポロシャツやバッグが加わるからか値段が450オーストラリアドル、日本円にして37000円程度となり金銭的にちょっと厳しい。

最上位のPODIUM MEMBERSHIP PACKAGEまでいくと、900オーストラリアドル、日本円にして75000円弱とあり得ない額になってしまいます。

 

何より、PELOTON-だとチームとのトレーニングセッションが、PODIUM-にいたるとプロライダー1日体験と、オーストラリア人またはオーストラリアで生活していないとその恩恵が受けられないものになっています。

前記した“実用性”を重視した消去法の結果、DOMESTIQUE-になった、という格好です。

ちなみに、PODIUM-のプロライダー1日体験の内容は、チームと一緒に朝食作戦会議参加トレーニングライドチームと一緒にディナーといったもの。

それが含まれて75000円と考えたら安すぎるくらいなのでしょうけど、今の私には現実的ではありません。

 

いくつかのOZクオリティを除けば大きなトラブルなく無事届いたわけですが、グリーンエッジライダーになりきってロードに乗ることを考えたらジャージとボトルしか手元にないことになります。

したがって、ビブショーツとグローブ、ソックスなんかが必要になるのですが、それらはオフィシャルショップから早速購入しました。

まだいつ届くのか分からないのですが、到着を楽しみに待ちたいと思います。

 

グリーンエッジライダーのなりすましになるまであと少し!

春以降、徳島でグリーンエッジのジャージを着て走っているライダーを目撃したら、それは私かもしれません…。

 

最後に、メンバーシップについて説明するスチュアート・オグレディとマシュー・ゴスの漫才(コント?)動画を貼っておきます。

 

GreenEDGE Cycling http://www.greenedgecycling.com/

GreenEDGE Cycling Memberships http://www.greenedgemembers.com/

Coast To Coast Cycling http://www.coasttocoastcycling.com/

 

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2月11日(祝)23:00-23:30 J SPORTS 4

ツアー・ダウンアンダー クラシック アデレード

 

2月12日(日)15:00-16:30 J SPORTS 3

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2月12日(日)23:00-23:30 J SPORTS 4

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2月16日(木)23:00-23:30 J SPORTS 4

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2月17日(金)23:00-23:30 J SPORTS 4

ツアー・ダウンアンダー第6ステージ アデレード(カウンシル・サーキット)

 

J SPORTSサイクルロードレースページ http://www.jsports.co.jp/cycle/

 

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