さぁ、いよいよベルギーでのクラシックレースが本格的にスタートします!

これから4月中旬にかけて行われるのは、石畳のルートをコースに組み込んだ平地系レース。

その多くがベルギーのフランドル地方で開催されます。

今回は、今年から晴れてUCIワールドツアーに昇格したE3プライス・フラーンデレンを押さえたいと思います。

 

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E3プライス・フラーンデレン(Harelbeke~Harelbeke、203km)-3月23日

【過去5年の優勝者】

2011年 ファビアン・カンチェラーラ

2010年 ファビアン・カンチェラーラ

2009年 フィリッポ・ポッツァート

2008年 クルト・アスレ・アーヴェセン

2007年 トム・ボーネン

 

【コース分析】

 

コースは細かいアップダウンが繰り返され、うち石畳の激坂は13。

これまではロンド・ファン・フラーンデレンやパリ~ルーベなどを占うレースとしての位置づけが強かったものの、今年からワールドツアーに昇格し大会そのもののバリューが高まっている点で、より激しいレースが展開されそうです。

例年ポイントとなるのが、ゴールまで残り約35kmで迎えるPaterbergの激坂。

最大勾配20%を超えるこの坂でふるい落としがかけられそうです。

 

絶対的エースを擁するチームが終始ハイペースでプロトンをコントロールすることとなるでしょう。

スピード・テクニック・パワーの3拍子が必要となる難コース。

また、今回はカンチェラーラの3連覇もかかっており、“打倒カンチェラーラ”に燃える選手・チームとの駆け引きにも注目が集まります。

 

【暫定スタートリスト】

 

【注目選手】

ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン) ←ディフェンディングチャンピオン、2010,2011年2連覇

ダニエレ・ベンナーティ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)

グレゴリー・ラスト(スイス、レディオシャック・ニッサン)

フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)

アレッサンドロ・バラン(イタリア、BMCレーシングチーム)

マルクス・ブルグハート(ドイツ、BMCレーシングチーム)

ジョージ・ヒンカピー(アメリカ、BMCレーシングチーム)

トル・フスホフト(ノルウェー、BMCレーシングチーム)

フレフ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム)

ラース・イェティング・バク(デンマーク、ロット・ベリソル)

トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) ←2004-2007年4連覇

シルヴァン・シャバネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)

ニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ)

セバスチャン・イノー(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディール)

ロイド・モンドリー(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディール)

マキシム・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ)

フレデリック・ゲドン(フランス、FDJ・ビッグマット)

マチュー・ラダニュー(フランス、FDJ・ビッグマット)

イェンス・ケウケレイエ(ベルギー、グリーンエッジ)

セバスチャン・ランゲフェルド(オランダ、グリーンエッジ)

オスカル・フレイレ(スペイン、カチューシャ)

ルカ・パオリーニ(イタリア、カチューシャ)

グレガ・ボレ(スロベニア、ランプレ・ISD)

アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD)

ダニエル・オス(イタリア、リクイガス・キャノンデール)

ペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)

ホセ・ホアキン・ロハス(スペイン、モビスター)

フランシスコ・ホセ・ベントソ(スペイン、モビスター)

ジョバンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター)

ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク)

マッティ・ブレシェル(デンマーク、ラボバンク)

マールテン・チャリンギ(オランダ、ラボバンク)

ベルンハルト・アイゼル(オーストリア、SKY)

エドヴァルド・ボアッソン・ハーゲン(ノルウェー、SKY)

マシュー・ヘイマン(オーストラリア、SKY)

ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・バラクーダ)

マルティン・マースカント(オランダ、ガーミン・バラクーダ)

ヨハン・ファンスーメレン(ベルギー、ガーミン・バラクーダ)

セプ・ファンマルケ(ベルギー、ガーミン・バラクーダ)

キャスパー・クロステルガード(デンマーク、サクソバンク)

ステイン・デヴォルデル(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)

ビョルン・ルークマンス(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)

レイフ・ホステ(ベルギー、アクセントジョブス・ウィレムスヴェランダス)

ヤン・ヘイセリンク(フランス、コフィディス)

アドリアン・プティ(フランス、コフィディス)

オスカル・ガット(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・セッレイタリア)

フィリッポ・ポッツァート(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・セッレイタリア)

フレデリック・アモリソン(ベルギー、ランドバウクレジット・ユーフォニー)

コーン・デコルト(オランダ、プロジェクト1t4i)

ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、プロジェクト1t4i)

新城幸也(日本、ユーロップカー)

トマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)

ピーテル・ヤコブス(ベルギー、トップスポルトフラーンデレン・メルカトール)

イェール・ワレイス(ベルギー、トップスポルトフラーンデレン・メルカトール)

 

相変わらず列挙し過ぎの感は否めないですが…(笑)。

それだけ有力選手が揃ったと言えるでしょう。

 

全体的に、ロンド・ファン・フラーンデレンやパリ~ルーベに向けた調整込みの石畳系レースにスポットを充てている選手と、この2日後に控えるヘント~ウェヴェルヘムを見据え調整に充てているスプリンターとに大きく二分されていると思われます。

 

優勝争いでいくと、やはりカンチェラーラが中心となるのは間違いないでしょう。

3月に入り、ストラーデビアンケ圧勝、ティレーノ~アドリアティコ最終ステージTT圧勝、ミラノ~サンレモは圧倒的な力を示しながら惜しくも2位と、かなり良い流れでここまで来ています。

不安要素は全くと言って良いほど無く、好調のまま臨みます。

今回は3連覇を目指すことになりますが、前2回同様力でねじ伏せる走りをすることが勝利の絶対条件。

ミラノ~サンレモ時のような後手に回る状況や、スプリンターを残してのゴールスプリントは避けたいところ。

どこで仕掛けるかも1つ見ものです。

 

対抗馬はボーネン。

リザルトこそ残せなかったものの、直近のミラノ~サンレモでも好調さを見せました。

特にこれからしばらくはチーム自体が得意とする“北のクラシック”。

完全なサポート体制で臨みます。

アシストがレースを終始コントロールし、勝負どころでボーネンがアタックする鉄板の作戦が炸裂するか。

ここまで好調のシャバネルや、21日に開催されたドワーズ・ドアー・フラーンデレンで鮮やかな逃げ切りを見せたテルプストラも控えるだけに、チーム力は随一と言えるでしょう。

 

チーム力ではBMCも引けを取っていません。

ジルベール、バラン、ヒンカピー、フスホフト、ファンアーヴェルマートと、実績豊富な選手たちが揃います。

ミラノ~サンレモでは不運な形で終えたジルベールですが、徐々に調子を上げてきていることは明らか。

まずはジルベールで勝負に出るのがチームオーダーとなりそうです。

メンバーを揃えているだけに、ジルベールが駄目だった場合のバランやファンアーヴェルマートの動きが後手に回らないことが必要になってくるでしょう。

いずれにせよ、層の厚さはかなりのもの。

 

ハウッスラー、ファンマルケらのガーミン勢も有力。

ファンマルケの勢いは全く衰えそうにありません。

今回のようなレイアウトは彼の得意とするところでしょう。

まずはファンマルケが強力なアタックを繰り出し、集団スプリントになればハウッスラーに切り替えというのが作戦か。

 

骨折からの復調途上のポッツァートも注目の1人。

怪我の影響を感じさせないレベルまで戻ってきているのが好材料。

アシストが心許ない点が不安材料ですが、自力で上手く打開したい。

 

ヘント~ウェヴェルヘムを見据えたスプリンターたちの動きも押さえておきたいところです。

状況次第では、このレースでも勝負に絡む選手が出てくる可能性も。

 

また、ユーロップカーからは新城選手が出場。

チームメンバー的に、ゴールまでもつれれば新城選手にチャンスが巡ってきそう。

2日後のヘント~ウェヴェルヘムにも出場予定とあり、ここで良い形で終えて次につなげてほしいものです。

 

【優勝予想】

ファビアン・カンチェラーラ

 

E3プライス・フラーンデレンオフィシャルサイト http://www.e3prijsvlaanderen.be/