2012年のUCIワールドツアー最終戦、ツアー・オブ・北京を振り返ってみたいと思います。

シーズン終盤とあって、ビッグネームの参戦は決して多いとは言えませんでしたが、世界選手権後の勢いをそのままに臨む選手たちが活躍。

また、後に控えるジャパンカップ出場組の動向を知るのにも最適なレースとなりました。

 

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ツアー・オブ・北京-10月9-13日

 

●第1ステージ(Tian An Men Square~Bird’s Nest Olympic Stadium、117km)-10月9日

 

【結果】

1.エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) 2:37:49

2.アンドリュー・フェン(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ) s.t.

3.エドヴァルド・ボアッソン・ハーゲン(ノルウェー、SKY) s.t.

 

【総合】

1.エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) 2:37:39

2.アンドリュー・フェン(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ) 2:37:43

3.マチュー・ラダニュー(フランス、FDJ・ビッグマット) 2:37:43

 

●ヤングライダー賞

エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) 2:37:39

 

●ポイント賞

エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) 15pt

 

●チーム総合

モビスター 7:53:27

 

フルリザルト(公式サイト)

 

コースのほとんどをオリンピックスタジアム周辺の周回コースでこなした初日。

ラダニュー、マローリといった選手たちが逃げ集団を形成するも、レース後半にメイン集団に吸収され、勝負はスプリントへ。

 

グリーンエッジが主導権を握って迎えたスプリント。

先頭で発射されたクルオピスに、フェンやボアッソン・ハーゲンが絡む中、後方から捲ったのはヴィヴィアーニ。

他を圧倒するスピードで、まずは最初のリーダージャージを獲得者となりました。

 

 

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●第2ステージ(Bird’s Nest~Men Tou Gou、126km)-10月10日

 

【結果】

1.トニー・マルティン(ドイツ、オメガファルマ・クイックステップ) 2:53:05

2.フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、アスタナ) +46″

3.エロス・カペッキ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +46″

 

【総合】

1.トニー・マルティン(ドイツ、オメガファルマ・クイックステップ) 5:30:44

2.フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、アスタナ) +50″

3.エロス・カペッキ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +52″

 

●ヤングライダー賞

ラファル・マイカ(ポーランド、サクソバンク・ティンコフバンク) 5:31:40

 

●ポイント賞

トニー・マルティン(ドイツ、オメガファルマ・クイックステップ) 15pt

 

●山岳賞

ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ) 17pt

 

●チーム総合

アスタナ 16:37:14

 

フルリザルト(公式サイト)

 

この日のキーポイントは、中盤の1級山岳と後半の2級山岳。

S・サンチェスでの総合狙いのエウスカルテルが中心にレースをコントロール。

 

1級山岳で逃げを吸収すると、マーティンがアタックし山岳ポイントを獲得。

マーティンを有力選手たちは下りで合流、上りで遅れかけたボアッソン・ハーゲンも下りで復帰。

 

エウスカルテル、AG2R勢が集団を牽引し2級山岳へ。

山岳ポイントでのスラフテルのアタックをきっかけにペースが上がり、下りでマルティンがカウンターアタック。

スピードに乗ったダウンヒルで他を引き離すと、ゴールへの平坦路も持ち前の独走力で圧倒。

集団では2位争いの牽制が入ったことも重なり、大きな差を付けてゴールへ。

 

最終的に46秒差、総合では50秒のタイム差を付けて圧勝したマルティンが2連覇に向けて優位なポジションに付くこととなります。

 

 

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●第3ステージ(Men Tou Gou~Badaling Great Wall、162.5km)-10月11日

 

【結果】

1.フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、アスタナ) 4:05:08

2.ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ) s.t.

3.エドヴァルド・ボアッソン・ハーゲン(ノルウェー、SKY) s.t.

 

【総合】

1.トニー・マルティン(ドイツ、オメガファルマ・クイックステップ) 9:35:52

2.フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、アスタナ) +40″

3.ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ) +50″

 

●ヤングライダー賞

ラファル・マイカ(ポーランド、サクソバンク・ティンコフバンク) 9:36:48

 

●ポイント賞

フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、アスタナ) 29pt

 

●山岳賞

ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ) 26pt

 

●チーム総合

リクイガス・キャノンデール 28:52:54

 

フルリザルト(公式サイト)

 

3級山岳頂上ゴールとなるこのステージが、今大会のクイーンステージ。

 

逃げを吸収し、ゴール前残り10kmからアタックの応酬。

マーティンやジョルジュらのアタックは決定力に欠け、アントンの飛び出しも失敗に。

そして残り4kmでボアッソン・ハーゲンが総合ジャンプアップを狙ってアタック。

集団との差を広げ、ゴールへと向かいます。

 

残り1kmで勾配が厳しくなると、ボアッソン・ハーゲンのペースが落ち、メイン集団が猛追。

マーティンの動きをきっかけに集団がスプリント体勢に入ると、ボアッソン・ハーゲンとの差が一気に縮まり、いよいよ最終コーナーへ。

マーティンの付き位置にいたガヴァッツィが伸びを見せ、ゴール前10mで逆転し優勝のゴール。

マーティンは2位、勝利まであと一歩だったボアッソン・ハーゲンは3位。

 

 

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●第4ステージ(Yanqing~Chang Ping、165.5km)-10月12日

 

【結果】

1.マルコ・ハラー(オーストリア、カチューシャ) 3:35:39

2.アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD) s.t.

3.エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) s.t.

 

【総合】

1.トニー・マルティン(ドイツ、オメガファルマ・クイックステップ) 13:11:31

2.フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、アスタナ) +40″

3.ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ) +50″

 

●ヤングライダー賞

ラファル・マイカ(ポーランド、サクソバンク・ティンコフバンク) 13:12:27

 

●ポイント賞

エドヴァルド・ボアッソン・ハーゲン(ノルウェー、SKY) 33pt

 

●山岳賞

ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ) 26pt

 

●チーム総合

リクイガス・キャノンデール 39:39:51

 

フルリザルト(公式サイト)

 

第1ステージ以来のピュアスプリンターにチャンスのステージ。

総合に関係のない選手たちが逃げ続け、終盤まで粘ったロワも吸収されると、いよいよ勝負はスプリントへ。

 

グリーンエッジ、ランプレ、サクソバンクなどのトレインが前方を固め、ゴール前へ。

真っ先に発射されたペタッキに、その後ろに付けていたハラーが捲ってそのままゴール。

21歳のオーストリア人スプリンターが歓喜のワールドツアー初勝利を挙げます。

 

 

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●第5ステージ(Chang Ping~Ping Gu、182.5km)-10月13日

 

【結果】

1.ステッフェン・カミングス(イギリス、BMCレーシングチーム) 4:05:08

2.ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・シャープ) +02″

3.エドヴァルド・ボアッソン・ハーゲン(ノルウェー、SKY) +17″

 

最終ステージは後半にカテゴリー山岳が2つ控え、総合成績のシャッフルの可能性もあった中でのレースに。

 

そのカテゴリー山岳に突入すると、メイン集団から総合で1分30秒遅れのヘシェダルがアタック。

逃げグループに合流後、スタートから逃げていたカミングスと抜け出し、協力しながらダウンヒル。

 

Ωクイックやアスタナを中心に追うメイン集団は、先行する2人との差を図りながら距離をこなします。

最終的に2人に逃げ切りを許すも、安全圏のタイム差でレースを終えることとなります。

 

逃げ切りを濃厚にした2人は、総合狙いのヘシェダルが主に牽く格好。

ゴールではスピードに勝るカミングスが余裕の勝利。

大逃げを決めたブエルタに続くビッグレースで勝利を収めました。

 

総合は終始安定した走りでリーダージャージを守ったマルティンが優勝。

 

 

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【総合】

1.トニー・マルティン(ドイツ、オメガファルマ・クイックステップ) 17:16:56

2.フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、アスタナ) +40″

3.エドヴァルド・ボアッソン・ハーゲン(ノルウェー、SKY) +46″

4.ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ) +50″

5.エロス・カペッキ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +52″

6.リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル・ラモンディール) +56″

7.ラファル・マイカ(ポーランド、サクソバンク・ティンコフバンク) +56″

8.トマシュ・マルチンスキ(ポーランド、ヴァカンソレイユ・DCM) +56″

9.ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター) +1’00”

10.ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ベリソル) +1’00”

 

●ヤングライダー賞

ラファル・マイカ(ポーランド、サクソバンク・ティンコフバンク) 17:17:52

 

●ポイント賞

エドヴァルド・ボアッソン・ハーゲン(ノルウェー、SKY) 49pt

 

●山岳賞

ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ) 39pt

 

●チーム総合

リクイガス・キャノンデール 51:56:06

 

フルリザルト(公式サイト)

 

【戦評】

全体的に世界選手権後の調子を維持している選手たちが活躍した印象。

特に、怪我で不本意な形でツールを離脱し、その後ブエルタに臨みながら世界選手権への調整を続けたマルティンにとっては、良いコンディションのまま中国入りできたのが勝利の要因と言えそうです。

前回とは異なり、TTが無い中で得意の下りと持ち前の独走力で勝利を収めた点は、今後レース運びの幅を広げる可能性も。

グランツールよりもミドルツールに注力したいという本人の意思もあり、来シーズン以降に期待を持てる走りだったと言えるでしょう。

 

アスタナ移籍初年でグランツール出場を逃したガヴァッツィにとっても、来シーズン以降につながる好走。

ステージ1勝を挙げるなど、大会を通じてスプリント力の高さを示し、“上りに強いスプリンター”として名の上がる1人になることができるか。

 

シーズンを通してハイクオリティな走りを見せてきたボアッソン・ハーゲンは総合3位。

あと一歩でステージ勝利を逃すなど、シーズンフル回転の疲労を感じさせる場面はしばしば見られたものの、中間スプリントでボーナスタイムを稼ぐシーンもあり、クレバーな走りに終始。

スプリントだけでなく、ゴールまで数km残した段階での強烈なアタックは、ライバルにとって脅威となることは間違いありません。

 

最終ステージで総合3位を取りこぼす形になったマーティンや、ヤングライダー賞獲得のマイカら、“ジャパンカップ組”の好調さも見て取ることができたレースでもありました。

特に古賀志のアップダウンで力を見せるであろう2人には、本番では優勝候補になることでしょう。

 

また、劇的なステージ勝利を挙げたハラーや、安定した走りで総合10位のウェレンスといった新鋭の登場も今後への期待を持たせるものに。

最終ステージでリタイアしたアンディ・シュレクの戦線合流も明るい材料となった、ワールドツアー最終戦でした。

 

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ツアー・オブ・北京オフィシャルサイト http://www.tourofbeijing.net/

 

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