今年から9月に前倒しとなったジロ・ディ・ロンバルディア。

シーズン終盤のビッグレースとしてだけでなく、豪華な顔ぶれが揃ったこともあり戦前の期待は膨らむ一方でした。

しかし、実際は大雨の影響もありサバイバルな展開に。

地獄絵図さながらのレースとなった、今年の“落ち葉のクラシック”を振り返ってみます。

 

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ジロ・ディ・ロンバルディア(ベルガモ~レッコ、251km)-9月29日

 

【結果】

1.ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 6:36:27

2.サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) +09″

3.リゴベルト・ウラン(コロンビア、SKY) +09″

4.マウロ・サンタンブロジオ(イタリア、BMCレーシングチーム) +09″

5.セルジオ・エナオ(コロンビア、SKY) +09″

6.ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・シャープ) +09″

7.バウク・モレッマ(オランダ、ラボバンク) +09″

8.オリヴァー・ザウグ(スイス、レディオシャック・ニッサン) +09″

9.アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク) +09″

10.フレデリック・ケシアコフ(スウェーデン、アスタナ) +09″

 

●フルリザルト

 

 

スタートからハイペースとなったレースは、最初の山岳区間VALICO DI VALCAVAで早くも半分ほどの人数に絞られます。

逃げとメイン集団の差は大きく広がることは無いまま、中盤の最大の難所であるソルマーノへ。

 

ソルマーノに入ると、最大勾配30%とも言われる厳しい上りに逃げグループもメイン集団も崩壊。

メイン集団からは、コンタドールやロドリゲス、ニバリら有力選手が先行して上り、逃げていた選手たちを次々と吸収。

約20秒遅れてジルベールが頂上をクリアします。

 

ソルマーノの下りで有力選手は前方に復帰し、再び一団となって進みます。

しかし、その下りで落車が多発。

優勝候補筆頭のジルベールも激しい落車を喫し、この日お披露目となったアルカンシェルを血に染めてこの時点でリタイア。

その他、バランやパオリーニなどが同様に落車リタイアに。

 

次の山岳区間であるギザッロへは、唯一逃げ続けていたバルデを先頭に登坂開始。

ほどなくしてバルデは吸収され、代わりにアタックしたデウェールトが最初に頂上クリア。

しかし、下りで落車し、集団に吸収。

集団内でもティラロンゴが落車し、優勝候補のニバリも巻き込まれます。

 

30人強に絞られたメイン集団からは、コスタやマルカート、コロブネフといったパンチ力のある選手がアタックするも、いずれも決まらず。

そして迎えたヴェルガノで、満を持してロドリゲスがアタック。

最も勾配の厳しくなる得意とする場所からのアタックは、他を圧倒するには十分。

 

降りしきる雨の中、テクニカルな下りも上手くクリアし、ゴール直前の平坦路を逃げ切ったロドリゲスは、この大会スペイン人選手としては初優勝となるゴールへ。

最後はボトルを天高く舞い上げての歓喜のゴール。

 

ヴェルガノ頂上で絞られた追走グループは、下りで11人と人数を増やしたものの追い上げは届かず。

ゴール前では、ウランが真っ先に仕掛けたもののS・サンチェスがゴール前で差し切って2位に。

イタリア勢は、サンタンブロジオの4位が最高。

前回覇者のザウグは8位、初参戦で注目されたコンタドールは9位で終えています。

 

日本勢唯一の出場となった別府選手は、序盤で逃げを試みるも成功せず。

山岳区間で遅れ、途中でリタイアをしています。

 

 

Tour de Lombardie 2012(Dailymotion動画)

 

【戦評】

激しい雨がレースを大きく左右しました。

199名出走中、完走が54名。

アルゴス・シマノ、コルナゴ・CSFイノックス、FDJ・ビッグマットは全選手リタイアに終わっていることからも、レースの過酷さを見て取ることができます。

本当に強い選手だけが勝負に絡むことができたと同時に、ブエルタや世界選手権を終えモチベーションが低下している選手がいたことも関係しているかもしれません。

 

そんな中、コンディションを味方にしたのが優勝のロドリゲス。

アタックを成功させたヴェルガノの上りでの強さはもちろんですが、単独で最終盤の下りからゴール前の平坦までを迎えられたことで、慎重に下っていた追走集団に対しアドバンテージを築くことができました。

また、この優勝で今シーズンのUCIワールドツアーランキング1位をほぼ手中に。

年間通してハイクオリティな走りができる点は、この選手を語るのに1つ大きなポイントと言えるでしょう。

 

チームメートのカベドを事故で亡くした直後のレースとなったエウスカルテルからは、エースのS・サンチェスが2位に。

ツールでの失意のリタイアから、シーズン終盤に向けて立て直してきた辺りはさすが。

このレースでは、これまで優勝経験こそないものの表彰台には何度も立っており、相性の良さやコースを熟知していたことも結果につなげたと言えるか。

 

今シーズン、ジロでの総合争いからオリンピックの銀メダル、そして秋のワンデーでの大活躍と、完全にトップライダーの1人として株を上げたウラン。

今回も期待に違わぬ走りで3位入賞。

若い選手の中ではずば抜けた勝負勘と、タフなレースでのスピードはハイレベル。

今後はいかにして勝ち切れるかがポイントになってくるでしょう。

その辺りは経験を積むことで得られるところかもしれません。

また、同胞のエナオとのコンビプレーも確立されたものになりました。

 

順位こそ8位だったものの、昨年の優勝がフロックではないことを証明したザウグ、ブエルタでの好アシストのインパクトを残したキンタナの11位も評価に値するでしょう。

イタリアレースに強いヘシェダル、ビッグレースに戻ってきたペッリツォッティらも上位に入線し、難しい展開でもしっかりと結果を残す渋い走り。

 

9位のコンタドールは、ブエルタと世界選を終え疲労を感じながらのレースとあり、ベストではない中での結果。

上りでの爆発は見られなかったものの、ワンデーレースでもやはり結果を残してきました。

来シーズン以降、どの程度クラシックに臨むかは不透明ながらも、トレーニング次第では相応のリザルトを期待できるレベルにあると見ても良いかもしれません。

 

UCIワールドツアーは、ツアー・オブ・北京を残すのみとなりました。

その他のビッグレースも、パリ~トゥール、ジャパンカップといったところとなり、一抹の寂しさを感じずにはいられませんが、残ったレースも各選手が全力で戦う姿勢に期待したいものです。

 

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ジロ・ディ・ロンバルディアオフィシャルサイト

http://www.gazzetta.it/Speciali/GiroLombardia/it/

 

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ジロ・ディ・ロンバルディア-Preparation

 

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