2回目の休息日が明け、最後の戦いとなった5つのステージは、ブエルタの歴史に残る劇的なものとなりました。

グランツールで戦うべき選手が揃った今年最高の戦い、それにふさわしい終盤ステージでした。

大会全体の戦評(偏りまくりの私見)も合わせて、最後5ステージを振り返ってみたいと思います。

 

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ブエルタ・ア・エスパーニャ-8月18日-9月9日

 

●第17ステージ(Santander~Fuente De、187.3km)-9月5日

 

【結果】

1.アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク) 4:29:20

2.アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) +06″

3.セルジオ・ルイス・エナオ(コロンビア、SKY) +06″

 

【総合】

1.アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク) 68:07:54

2.アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) +1’52”

3.ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) +2’28”

 

●ポイント賞(プントス)

ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 170pt

 

●山岳賞(モンターニャ)

サイモン・クラーク(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 38pt

 

●複合賞(コンビナーダ)

ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 6pt

 

●チーム総合

モビスター 204:11:00

 

2級頂上ゴールでありながら、何故か“平坦ステージ”にカテゴライズされた第17ステージ。

休養日明けに設けられた、実際は難易度の高いステージでブエルタの歴史に残る大逆転劇が生まれます。

 

序盤は逃げを狙う激しいアタックの応酬、一時はコンタドールが逃げ集団に乗る一幕も。

レースが中盤に入りようやく決まった逃げ集団に、この日最初のカテゴリー山岳でさらに選手が合流。

26人に膨れ上がった集団には、サクソバンクやモビスターのアシストが乗り込むことに成功。

 

ゴールまで55kmで迎える2級山岳コラーダ・ラ・ホスでコンタドールがアタック。

この意表を突く動きに総合を争うロドリゲスとバルベルデが対応できず。

コンタドールは先頭集団と合流し、先に逃げていたパウリーニョとエルナンデスが牽引を開始。

メイン集団も割れ、ロドリゲスとバルベルデが入ったグループはコンタドールから20秒後方で追走。

 

先頭を行くコンタドールグループは、アシスト2人のほか盟友ティラロンゴも入っていたことから順調にペースを作ります。

一方、ロドリゲスグループはアシストがロサダ1人なうえ、バルベルデらモビスター勢が後方に取り残されたフルームとの差を広げることを優先したため、カチューシャの動きに協力せず。

差は2分近くに広がると、残り23kmで迎えるスプリントポイントでコンタドールがアタック。

即座にその意図を汲んだティラロンゴが合流し、2人でゴールを目指します。

 

この日最後のフエンテ・デに入ってからも、サクソティンコフの首脳陣に励まされたティラロンゴは力尽きるまでコンタドールに協力。

残り13km強でコンタドールが1人飛び出すと、あとはゴールまで独走。

後方では、バルベルデがアタックし、ロドリゲスを落とすことに成功。

インチャウスティの牽引の後、自らペースを刻み逃げていた選手たちに合流。

その選手たちと協力しコンタドールを追走し、6秒差まで迫ります。

 

最後はバルベルデらに追い込まれながらも、コンタドールが逃げ切り完全復活をアピールする涙のステージ優勝。

バルベルデは6秒遅れの2位。

遅れたロドリゲスは孤立したうえに、コンタドールのアシストであるヘルナンデスの執拗なマークに遭い、まさかの2分38秒遅れのゴール。

総合に大きなシャッフルが起こる、予想外のレース展開となりました。

 

 

 

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●第18ステージ(Aguilar de Campoo~Valladolid、204.5km)-9月6日

 

【結果】

1.ダニエレ・ベンナーティ(イタリア、レディオシャック・ニッサン) 4:17:17

2.ベン・スウィフト(イギリス、SKY) s.t.

3.アラン・デイヴィス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) s.t.

 

【総合】

1.アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク) 72:25:21

2.アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) +1’52”

3.ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) +2’28”

 

●ポイント賞(プントス)

ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 170pt

 

●山岳賞(モンターニャ)

サイモン・クラーク(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 38pt

 

●複合賞(コンビナーダ)

ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 6pt

 

●チーム総合

モビスター 217:03:21

 

強風が吹き荒れることが多く、この日も横風分断を狙うチームが出ると予想されていたステージ。

しかし、実際は風が弱く、風を利用した動きは奏功せず。

 

デゲンコルブでの勝利を目指すアルゴスは、土井選手が集団を長時間牽引。

たびたびテレビカメラにアピールする姿が見られました。

レディオシャックやSKY、総合系チームが前方に上がってくるとペースが必然的に上がり、ゴールまで残り17kmほどで逃げを吸収。

 

リクイガス、レディオシャック、SKY、グリーンエッジなどが入り乱れたゴールスプリントは、スウィフトの動きに合わせたベンナーティがタイミングを計って前方へ。

タイヤ半車身分先行したベンナーティが今大会初のステージ優勝。

4年前の同地ゴールを制した元チームメート・ウェイラントに捧げる勝利となりました。

 

今大会5勝目を目指したデゲンコルブは、最終局面でトレインが主導権をとれず、さらにはモンドリーにポジションを割り込まれるなど苦戦を強いられ、5位に終わっています。

 

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●第19ステージ(Penafiel~La Lastrilla、178.4km)-9月7日

 

【結果】

1.フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム) 4:56:25

2.アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) s.t.

3.ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ) s.t.

 

【総合】

1.アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク) 77:21:49

2.アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) +1’35”

3.ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) +2’21”

 

●ポイント賞(プントス)

ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 186pt

 

●山岳賞(モンターニャ)

サイモン・クラーク(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 38pt

 

●複合賞(コンビナーダ)

ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 6pt

 

●チーム総合

モビスター 231:54:48

 

マドリード前最後の平坦ステージ。

とはいえ、スプリンター向きとは言い切れない上りゴール。

 

この日もメイン集団の牽引は、土井選手が長時間担当。

デゲンコルブでの勝利を狙います。

カウンターアタックがかかる場面があったものの、大きな動きは無く残り30kmを切って逃げを吸収しゴールを目指します。

 

ゴール前が上っていることでパンチャーが動きます。

残り4kmでコフィディスのガルシアのアタックをきっかけに、数選手が反応し、その中にはデゲンコルブの姿も。

しかし、この動きは早すぎ、SKYが追走していた集団からジルベールが残り600mからロングスプリント。

食らい付いたスウィフトが力尽きると、バルベルデやモレーノらが追うも、得意なパターンに持ち込んだジルベールがそのまま逃げ切りステージ2勝目のゴール。

2位にバルベルデが入り、中間スプリントで得た6秒を加えコンタドールとの差を17秒縮めることに成功。

カチューシャはバルベルデのチェックに入ったモレーノが3位に入るも、ロドリゲスがスプリントでもたつき4位に終わり、コンタドールとの差を7秒縮めるのが精一杯。

 

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●第20ステージ(La Faisanera Golf.~Bola del Mundo、170.7km)-9月8日

 

【結果】

1.デニス・メンショフ(ロシア、カチューシャ) 4:48:48

2.リッチー・ポート(オーストラリア、SKY) +17″

3.ケヴィン・デウェールト(ベルギー、オメガファルマ・クイックステップ) +42″

 

【総合】

1.アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク) 82:14:52

2.アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) +1’16”

3.ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) +1’37”

 

●ポイント賞(プントス)

ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 193pt

 

●山岳賞(モンターニャ)

サイモン・クラーク(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 63pt

 

●複合賞(コンビナーダ)

ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 7pt

 

●チーム総合

モビスター 246:37:58

 

今年のブエルタの総合を争う最後の戦い。

2年前にニバリとモスケラが激戦を演じたボラ・デル・ムンドが再び登場し、頂点を決めるのにふさわしい舞台を演出しました。

 

同様にこの日で確定する山岳賞は、逃げに乗ったクラークが同国のポートのチームを超えたアシストを受け、順調をポイントを加算。

この日3つ目の山岳モルクエラではガッツポーズでラインを通過。

 

逃げ集団にカチューシャ、モビスター、SKYがそれぞれ送り込んだこともあり、サクソティンコフは前に追い付かない程度に集団をコントロール。

アントンでのステージ優勝を狙うエウスカルテルが積極的に牽くも、同時にサクソティンコフを助ける動きに。

 

逃げ集団はボラ・デル・ムンドに入ると徐々にメンバーを減らし、山岳での強さが際立つメンショフ、ポート、デウェールトの3人の争いに。

メンショフ、ポートと違い先頭交代に加われないデウェールトも残り3kmからの激坂を前に脱落。

2人に絞られたステージ優勝争いは一進一退の攻防となり、残り1kmを切ってアタックしたメンショフがポートに対し格の違いを見せつける強さを見せステージ優勝。

最終的にポートとの差は17秒差。

 

総合争い最後の戦い。

ボラ・デル・ムンドの激坂区間を前にバルベルデがアタックするも、これにはコンタドールが余裕の反応。

そして、サクソティンコフのアシスト陣が集団を牽いて残り3kmの勾配20%超え区間へ。

 

まずモレーノがペースを上げると、集団はコンタドール、バルベルデ、ロドリゲスの3強を加えた4人に減ります。

そして、満を持してアタックを繰り出したロドリゲスにコンタドールがチェックへ。

しかしマイヨ・ロホへの執念を見せるロドリゲス、コンタドールをふるい落とすと独走でゴールへ。

若干失速気味のコンタドールは、後方から追い上げるバルベルデとともにゴールを目指します。

 

結局、メンショフから3分31秒遅れでゴールしたロドリゲスは、バルベルデから25秒、コンタドールから44秒奪うのが精一杯。

これで事実上、コンタドールの総合優勝が決定。

一方で、プントス、コンビナーダ争いが激化し、翌日のマドリードでのバルベルデのリザルト次第ではロドリゲスを逆転する可能性を残したまま最終日を迎えることに。

 

 

 

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●第21ステージ(Cercedilla~Madrid、115km)-9月9日

 

【結果】

1.ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、アルゴス・シマノ) 2:44:57

2.エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) s.t.

3.ダニエレ・ベンナーティ(イタリア、レディオシャック・ニッサン) s.t.

 

3週間の熱き戦いは、いよいよフィナーレ。

マドリード市街地まではパレードを兼ねて、リラックスムードで進行。

 

周回コースへ入ると、この大会限りで引退を表明したモンクティエとニアマンがお別れエスケープ。

2人の花道は大会の終幕に彩りを加えます。

その2人が中間スプリントを越え、レースがいよいよスタート。

 

6人の逃げは周回残り1周まで粘るも、SKYやグリーンエッジ、リクイガスらが牽くメイン集団には太刀打ちできず。

各チームトレインを組み、最後のスプリント勝負に備えます。

そして、残り1kmでアルゴストレインが先頭に立つと、ライバルを後手に回す万全の展開に。

 

デコルトに発射されたデゲンコルブは、他の追随を許さず今大会5勝目のゴール。

ゴール後バイクを高々と掲げ歓喜の勝利。

また、スプリントにバルベルデが参戦し6位入線、スプリントに加わることができなかったロドリゲスからプントスとモンターニャを奪うことに成功。

 

そして、総合はコンタドールがこの日も危なげなくゴールし、アシストとガッツポーズでフィニッシュラインを通過しました。

 

 

 

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【総合(マイヨ・ロホ)】

1.アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク) 84:59:49

2.アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) +1’16”

3.ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) +1’37”

4.クリス・フルーム(イギリス、SKY) +10’16”

5.ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ) +11’29”

6.ロベルト・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク) +12’23”

7.アンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ) +13’28”

8.ローレンス・テンダム(オランダ、ラボバンク) +13’41”

9.イゴール・アントン(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) +14’01”

10.ベニャト・インチャウスティ(スペイン、モビスター) +16’13”

 

●ポイント賞(プントス

アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) 199pt

 

●山岳賞(モンターニャ

サイモン・クラーク(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 63pt

 

●複合賞(コンビナーダ

アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) 8pt

 

●チーム総合

モビスター 254:52:49

 

●総合敢闘賞

アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク)

 

フルリザルト(公式サイト)

 

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【戦評】

ブエルタのみならず、サイクルロードレース界の歴史に残るであろう名勝負が繰り広げられた今回。

総合争いはもとより、各賞や賞レース以外の面でも、さまざまな可能性を感じさせる3週間でした。

 

まずは総合勢。

結果的に上位3人とそれ以下との差がはっきり出た格好に。

4強の1人と目されたフルームが中盤ステージ以降力尽きたこともあり、拮抗する3選手の強さが際立つ形になりました。

 

総合優勝のコンタドールは、まさに華麗なる復活劇。

復帰初戦のエネコ・ツールでいきなり総合4位と強さは見せていたものの、今回は序盤ステージから積極的に動き、身体に刺激を与えながら少しずつ調子を上げていきました。

やはりレース勘、勝負勘といった部分はまだ戻せていない印象は否めませんが、それでも第17ステージで見せたここ一番での力や、本調子ではなくても3週間を安定して走る能力に長けているところは変わらず。

「最強のステージレーサー」の名にふさわしい戦いぶりであったことは事実。

今回は出場停止期間が半年あった影響を引きずりながらだったものの、来シーズン以降本調子で迎えるグランツールがより楽しみになる走りでした。

また、不安視されたアシスト陣が期待以上の働きを見せたことも見逃せません。

長年連れ添うナバーロのほか、山岳での発射台を務めることもあったヘルナンデス、コンタドールのためにサクソティンコフに合流したと言われるパウリーニョやピレスらは来シーズン以降の戦いにも心強い存在に。

さらには、新鋭マイカは他チームのエースクラスを脱落させるだけの登坂力があるところを証明し、ナバーロがチームを離れると言われる来シーズンからは最終の山岳アシストに昇格する可能性も大きいでしょう。

そういう意味では、コンタドールの力だけでなく、チームで勝ち取ったマイヨ・ロホと言えそう。

 

華麗な復活を遂げたのはバルベルデも同じ。

シーズン序盤は勢いがあったものの、アルデンヌクラシック以降失速気味だっただけに、ツールでのステージ優勝を経て復調。

2年間の出場停止前は、上りゴールでの爆発力や激坂での強さが目立っていましたが、今回は長い上りもテンポでクリアしコンタドールやロドリゲスとの差を埋めていくクレバーな走りに徹していました。

バルデスカライへ向かう第4ステージの落車後、表彰台狙いに切り替えたことも影響している可能性はありますが、それでも新境地を切り拓いたと言える戦いぶりは見事。

インチャウスティ、キンタナといった強力アシストが育ち、来シーズン以降は2009年ブエルタ以来のグランツール制覇も現実味を帯びてきました。

 

このブエルタで一番強かった選手こそロドリゲスでしょう。

しかし、一番強かったからと言って必ずしも勝てるわけではないのがサイクルロードレース。

第17ステージがすべてとなってしまいました。

TTという弱点が克服されつつあり、今後の課題は3週間を高いレベルで戦う安定性と休息日の調整方法か。

第17ステージのように、孤立した状況でも自らの力で打開できる強さが必要。

それでも、今大会で見せた急坂での強さは圧倒的で、誰も真似ができないレベル。

戦いを熱くしたのは紛れもありません。

 

 

前述のフルームは連戦のツケが出てしまい、総合4位を守るのがやっと。

それでも、序盤ステージで強さを見せ、トップライダーとしての存在感は見せました。

今後もエースとしてグランツールに臨むであろう選手だけに、万全の調子で臨めばどれほどの強さを見せるのかが楽しみ。

 

その他、総合トップ10入りした選手では、グランツールでなかなか結果を残せずにいたヘーシンクが総合6位、アントンが総合9位に。

今回のリザルトをきっかけに、さらなる高みに上がっていけるか。

 

ここ数年とは違い、スプリンターの多くがマドリードまで残りステージを争った今回。

間違いなく最強スプリンターはデゲンコルブ。

平坦はもちろん、上り基調のスプリントもこなし、他を圧倒するステージ5勝。

多少ポジションが悪くてもそれを打破するだけのパワーが魅力。

また、土井選手を含むアシスト陣がレースを終始コントロールし、最後もきっちり決める“完勝”ぶりが目立ったところも見事。

トレインの精度、デコルトの発射台としての安定度も今回の躍進の原動力。

 

ステージ1勝のベンナーティもグランツール3週目に強さを見せ、ベテランスプリンターの存在感を発揮。

勝利こそ無かったものの、輝きを取り戻しつつあるデイヴィスの活躍も明るい材料。

デゲンコルブ同様、スウィフト、ヴィヴィアーニ、ブアニら若手スプリンターが台頭し、スプリンター新時代を予感させる強さを見せてくれました。

 

グランツールの中でもブエルタは毎年必ずと言って良いほど新星が登場するのが特徴。

前述のスプリンターはもちろん、総合7位に入ったタランスキーは今後のアメリカ自転車界を支える1人になることでしょう。

4強に食らい付いたステージも多く、積極果敢な姿勢は高評価が得られることでしょう。

 

山岳王の座をモンクティエから引き継いだクラークも初のグランツールで結果を残しました。

第4ステージ・バルデスカライの山頂を制し勢いに乗りました。

これまではアタッカーとしての働きが多かった選手ですが、今後どのようなタイプのライダーに成長していくのか注目していきたいところ。

 

 

まもなく開幕の世界選手権を見据える選手も多い中、ジルベールの調整具合が上手く進んでいる様子。

今回挙げたステージ2勝は、いずれも本来の勝ちパターンに近いもの。

特に第19ステージでの上りロングスプリントはライバルを圧倒。

カウベルグでの最後のふるい落としを経て、残った選手によるスプリントになるであろう世界選手権のコース適性も高いだけに、ブエルタで得た勢いをぶつけられるかに期待がかかります。

 

スプリンターチームの牽引役として働いた土井選手の大活躍もインパクトを残しました。

プロトン内でも多くの選手からリスペクトされる存在となったのは、今後の戦いにも良い影響を及ぼすことでしょう。

同時に、チームメイトの中国人選手ジ・チェンやグリーンエッジのエリトリア人選手テクレハイマノットといったアジア・アフリカ系選手の完走も含め、サイクルロードレース界のグローバル化が進んでいる象徴となった今回のブエルタでした。

 

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ブエルタ・ア・エスパーニャオフィシャルサイト http://www.lavuelta.com/

 

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