1回目の休息日を終え、舞台は大西洋側へ。

40℃に迫るほどの暑さから、大西洋特有の風を受け若干の涼しさを感じられる中でのステージが続きます。

そんな中、中盤ステージは総合争いを大きく動かし、波乱もありました。

今回は第10~16ステージを振り返ってみます。

 

第1~9ステージのReviewはこちら

 

———-

 

ブエルタ・ア・エスパーニャ-8月18日-9月9日

 

●第10ステージ(Ponteareas~Sanxenxo、190.0km)-8月28日

 

【結果】

1.ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、アルゴス・シマノ) 4:47:24

2.ナセル・ブアニ(フランス、FDJ・ビッグマット) s.t.

3.ダニエレ・ベンナーティ(イタリア、レディオシャック・ニッサン) s.t.

 

【総合】

1.ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 39:32:23

2.クリス・フルーム(イギリス、SKY) +53″

3.アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク) +1’00”

 

●ポイント賞(プントス)

ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、アルゴス・シマノ) 103pt

 

●山岳賞(モンターニャ)

アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) 21pt

 

●複合賞(コンビナーダ)

ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 5pt

 

●チーム総合

ラボバンク 118:07:44

 

序盤に3級山岳をクリアすると、あとは海沿いを走り続けるスプリンター向けステージ。

デイヴィスでの勝利に燃えるグリーンエッジが集団をコントロールをし始めると、逃げとの差が一気に縮まり、残り33kmで吸収。

 

その後は各チームスプリントポジションや総合を争うチームなどの危険回避など、激しい位置取りが繰り返されながら最終局面へ。

レディオシャックのアシストが先頭で最後の直線へ。

ベンナーティが最初にスプリントを切るも伸びを欠き、デコルトのリードアウトを受けたデゲンコルブが後方からまくってそのままゴール。

スプリントステージは無敵の4勝目。

デゲンコルブの付き位置から勝負に出たフランスチャンピオンのブアニが2位と健闘しています。

 

———-

 

●第11ステージ(Cambados~Pontevedra、39.4kmITT)-8月29日

 

【結果】

1.フレデリック・ケシアコフ(スウェーデン、アスタナ) 52:36

2.アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク) +17″

3.クリス・フルーム(イギリス、SKY) +39″

 

【総合】

1.ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 40:26:15

2.アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク) +01″

3.クリス・フルーム(イギリス、SKY) +16″

 

●ポイント賞(プントス)

ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、アルゴス・シマノ) 103pt

 

●山岳賞(モンターニャ)

アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) 21pt

 

●複合賞(コンビナーダ)

ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 5pt

 

●チーム総合

ラボバンク 120:51:40

 

総合争いに大きな変動が予想された、今大会唯一の個人TTステージ。

 

C・メイヤー、ポートらTTスペシャリストが好タイムをマークする中、他を圧倒する走りでゴールに飛び込んだのはケシアコフ。

中盤の3級山岳をクリアしながら、平均時速44.9km/hで走破。

結果的に1位の座を譲ることなく、ステージレースにおけるTTで強いところを発揮しました。

 

そして注目の総合争い。

4強の中で最初にスタートしたバルベルデは、2ヶ所の中間ポイントを暫定2位で通過。

上りだけでなく、下りも無難にクリアし、ケシアコフから1分08秒遅れとまずまずのタイム。

 

続くコンタドールはスタートからスピードに乗せ、最初の中間ポイントを暫定1位通過。

次にスタートしたフルームとのTTスペシャリスト対決は、コンタドールが10秒程度のリードをキープ。

上りを終えて迎える2回目の中間ポイントはコンタドールが2位、フルームが3位で通過。

その後の下りで徐々に差が広がり、最終的にコンタドールはステージ優勝こそ逃したものの、17秒遅れの2位と貫録の走り。

フルームはケシアコフから39秒、コンタドールとは22秒の差でゴール。

 

このステージで大きく遅れる可能性があったロドリゲス。

しかし、予想を大いに覆す会心の走りを見せます。

終始コンタドールとの差を1分以内にとどめ、ゴールに向かう下りも勢いが衰えず。

好調の波に乗り、ケシアコフとは1分16秒、コンタドールからは59秒、遅れを最小限に食い止めます。

 

結果、総合は1秒差でロドリゲスが首位をキープ、このステージでの逆転を目論んだコンタドール、フルームはいずれも僅差ながら2,3位に付けるのが精一杯に終わりました。

 

———-

 

●第12ステージ(Vilagarcia de Arousa~Mirador de Ezaro、190.5km)-8月30日

 

【結果】

1.ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 4:24:32

2.アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク) +08″

3.アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) +13″

 

【総合】

1.ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 44:50:35

2.アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク) +13″

3.クリス・フルーム(イギリス、SKY) +51″

 

●ポイント賞(プントス)

ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 119pt

 

●山岳賞(モンターニャ)

アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) 22pt

 

●複合賞(コンビナーダ)

ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 4pt

 

●チーム総合

ラボバンク 134:06:59

 

平坦ステージにカテゴライズされるも、ゴール前は1.9kmで270m上る激坂。

最大勾配30%と、類を見ない上りが選手を苦しめます。

 

スタートから2時間近くかけてようやく決まった逃げ集団は、最大で7分強。

とはいえ、C・メイヤー、アスタルロサ、モワナール、デウェールトと実績のある選手たちで構成され、メイン集団との差が縮まりながらも粘りの走りで最後の4人で最後の激坂を迎えます。

 

アスタルロサとC・メイヤーがリードを奪うも、逃げ集団から30秒程度の差で登坂を開始したメイン集団にすぐさま吸収。

すると、アントンの動きをきっかけにロドリゲスがアタック、コンタドールがチェック。

テンポで上るバルベルデとフルームが合流するも、今度はコンタドールのアタックでロドリゲスと先行。

自らのリズムで上るコンタドールに対し、アタックのチャンスを見定めたロドリゲスが再度のアタック。

急坂での脚に長けるロドリゲスが、コンタドールに8秒のタイム差を付けてステージ優勝。

 

これでロドリゲスは前日の時点で1秒差に迫られた総合タイム差をボーナスタイム合わせて13秒に広げ、ライバルにアドバンテージを築くことに成功しました。

 

———-

 

●第13ステージ(Santiago de Compostela~Ferrol、172.8km)-8月31日

 

【結果】

1.ステッフェン・カミングス(イギリス、BMCレーシングチーム) 4:05:02

2.キャメロン・メイヤー(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +04″

3.フアン・アントニオ・フレチャ(スペイン、SKY) +04″

 

【総合】

1.ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 48:56:17

2.アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク) +13″

3.クリス・フルーム(イギリス、SKY) +51″

 

●ポイント賞(プントス)

ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 119pt

 

●山岳賞(モンターニャ)

アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) 22pt

 

●複合賞(コンビナーダ)

ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 4pt

 

●チーム総合

ラボバンク 146:25:05

 

山岳3連戦を前に、スプリンター向けのステージを挟みます。

しかし、逃げを試みるチームが多発し、一時は30人近い逃げ集団が形成しかける場面も。

 

結局7人の逃げが決まり、その中にはフレチャやデヘントら逃げスペシャリストのほか、既にステージ1勝を挙げているクラークなども。

メイン集団は逃げとの差を大きくは広げないものの、コントロールするチームがアルゴスだけの状態。

デゲンコルブで勝ちたいアルゴスは土井選手らが終始牽き続けるも、なかなか差が縮められず。

 

結局メイン集団はゴールまで残り10kmを切っても差を40秒程度にするのがやっと。

逃げ切りを目指す先頭集団では、揺さぶる動きが起き始め、残り3kmでカミングスがアタック。

持ち前の独走力を武器に逃げ切りを成功させ、グランツール初勝利。

最後までカミングスを追ったC・メイヤーが2位、フレチャが3位。

 

メイン集団はスティーグマンスやモレーノがアタックするも吸収。

最終的にデゲンコルブを先頭に40秒遅れでゴール。

デゲンコルブにとっては、プントス獲得に黄色信号が灯る手痛いステージとなりました。

 

———-

 

●第14ステージ(Palas de Rei~Puerto de Ancares、149.2km)-9月1日

 

【結果】

1.ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 4:10:28

2.アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク) +05″

3.アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) +13″

 

【総合】

1.ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 53:06:33

2.アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク) +22″

3.クリス・フルーム(イギリス、SKY) +1’43”

 

●ポイント賞(プントス)

ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 144pt

 

●山岳賞(モンターニャ)

サイモン・クラーク(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 34pt

 

●複合賞(コンビナーダ)

ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 4pt

 

●チーム総合

ラボバンク 159:01:48

 

山岳賞最右翼のモンクティエがついに始動。

16人の逃げにアシストとともに加わり、山岳ポイント収集に臨みます。

しかし、ポイントトップ通過をことごとく阻んだのが今大会一時モンターニャを着用したクラーク。

この日だけで18ポイントを獲得したクラークが、ステージ終了後にモンターニャを奪還。

モンクティエにとっては厳しい結果に。

 

メイン集団は、終始サクソティンコフがコントロール。

途中、コンタドールが前輪をパンクさせるも、大きなトラブルなく対処し集団に復帰。

 

この日最後の1級山岳では、パウリーニョの牽きからマイカ、ナバーロ、ヘルナンデスの順番で集団を破壊させるペースアップ。

特にマイカに牽きでは多くの総合上位勢が脱落。

アシストの牽引が終わると、コンタドール自らペースアップし、バルベルデ、ロドリゲス、モレーノだけが残ります。

 

そしてペースが緩んだ隙にコンタドールがアタック。

ゴールまでの2kmで勝負をかけます。

しかし、リズムを守ったロドリゲスが残り1kmを切って合流。

残り200mでスプリントしたロドリゲスがステージ優勝。

見せ場を作ったコンタドールは最後は力尽き5秒差の2位、テンポで上ったバルベルデは13秒差の3位。

そして、この日フルームが失速し、ロドリゲスから38秒遅れてゴールしています。

 

———-

 

●第15ステージ(La Robla~Lagos de Covadonga、186.5km)-9月2日

 

【結果】

1.アントニオ・ピエドラ(スペイン、カハ・ルーラル) 5:01:23

2.ルーベン・ペレス(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) +2’02”

3.ロイド・モンドリー(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディール) +2’02”

 

【総合】

1.ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 58:17:21

2.アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク) +22″

3.アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) +1’43”

 

●ポイント賞(プントス)

ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 148pt

 

●山岳賞(モンターニャ)

サイモン・クラーク(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 34pt

 

●複合賞(コンビナーダ)

ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 4pt

 

●チーム総合

モビスター 174:32:38

 

ブエルタではおなじみのコバドンガがこの日の最後に登場。

この13.5kmの上りでの総合争いに注目が集まりました。

 

ステージ争いは、逃げを決めた10人による勝負に。

最大15分強、コバドンガ突入時で13分台のタイム差を築くことに成功。

カシェチキン、セールドライエルスのアスタナ勢が盛んに揺さぶりをかけるも成功せず、一瞬のペースが緩んだところをスルスルと抜け出したピエドラが独走。

結局、2位以下に2分02秒差を付ける圧勝劇でグランツール初出場のチームに大きな勝利をもたらしました。

 

一方のメイン集団は、コントロールしていたサクソティンコフのアシストがコバドンガに入り次々とアタック。

他チームのアシストの脚を使わせる動きに出るも、さほど大きな効果は生まれず、集団に戻って再び牽引。

徐々に集団の人数が絞られる中、まずはバルベルデがアタック。

これに反応したのはコンタドールとロドリゲス。

フルームはペースが上がらず、脱落することに。

 

残り5kmを切ってコンタドールがアタック。

これにはロドリゲスがチェックに入り、次々と繰り出されるアタックに見事なまでに対応。

アタックと牽制を繰り返した2人に、クインタナとペースを作って上り続けたバルベルデが合流し最後は一緒にゴール。

上位3人のタイム差は変動なくステージを終える形に。

 

———-

 

●第16ステージ(Gijon~Valgrande-Pajares. Cuitu Negru、183.5km)-9月3日

 

【結果】

1.ダリオ・カタルド(イタリア、オメガファルマ・クイックステップ) 5:18:28

2.トーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM) +07″

3.ホアキン・ロドリゲス(スペイン、モビスター) +2’39”

 

1級山岳を2つ越え、最後に迎える超級山岳は19.4km。

特に最後の3kmは20%前後の勾配が続く驚愕の上り。

 

この日も逃げた選手によるステージ争い。

カタルドとデヘント、ともにグランツールで総合争いをする実力の持ち主によるエスケープは、最大で15分差をつけて逃げ切りを濃厚にします。

徐々にメイン集団との差を減らしながらもゴールを目指した2人は、残り2kmでデヘントが脱落。

ゴール前に控える25%の勾配をふらつきながらもクリアしたカタルドが、デヘントの追い込みを辛くもかわし勝利。

 

メイン集団はサクソティンコフの牽引が続き、ゴールに近づくにつれ徐々に人数が減っていきます。

疲れの見えるフルームはハイペースに耐えられず脱落。

このステージもコンタドール、ロドリゲス、バルベルデの3強がしのぎを削る展開に。

 

アタックするコンタドールにロドリゲスがチェック、アシストのクインタナとともにテンポで上るバルベルデが合流するパターン。

バルベルデがアタックする場面があったものの、コンタドールとロドリゲスは互いを見合う状態。

残り500mでコンタドールが最後のアタックを繰り出すもロドリゲスが対応し、逆にゴール前でスプリントを制し2秒差を付けることに成功。

総合制覇に向け、ロドリゲスが着々とタイム差を築いて2度目の休息日を迎えることとなります。

 

———-

 

【第16ステージ終了時点での総合成績】

1.ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 63:38:24

2.アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク) +24″

3.アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) +2’04”

4.クリス・フルーム(イギリス、SKY) +4’52”

5.ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ) +6’58”

6.ロベルト・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク) +7’28”

7.アンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ) +8’28”

8.ローレンス・テンダム(オランダ、ラボバンク) +9’00”

9.イゴール・アントン(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) +9’11”

10.ニコラス・ロッシュ(アイルランド、アージェードゥーゼル・ラモンディール) +11’44”

 

●ポイント賞(プントス)

ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 164pt

 

●山岳賞(モンターニャ)

サイモン・クラーク(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 38pt

 

●複合賞(コンビナーダ)

ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) 4pt

 

●チーム総合

モビスター 190:39:03

 

フルリザルト(公式サイト)

 

———-

 

ブエルタ・ア・エスパーニャオフィシャルサイト http://www.lavuelta.com/

 

【関連記事】

ブエルタ・ア・エスパーニャ-Review(第1~9ステージ)

ブエルタ・ア・エスパーニャ-Preparation(コース編①・第1~11ステージ)

ブエルタ・ア・エスパーニャ-Preparation(コース編②・第12~21ステージ)

ブエルタ・ア・エスパーニャ-Preparation(選手編)

ブエルタ・ア・エスパーニャ2012・ロースター一覧

ブエルタ・ア・エスパーニャ2012出場チーム決定

 

広告