ドイツで開催される唯一のワールドツアーレースであるヴァッテンフォール・サイクラシックス。

夏場のスプリンタークラシックとして定着しているレースですが、今大会も例に漏れずスプリンターによる争いとなりました。

ツール・ド・フランスやロンドンオリンピック後の再始動レースとして臨んだ選手も多く、まずまずの顔ぶれが揃った今回を振り返ります。

 

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ヴァッテンフォール・サイクラシックス(ハンブルグ~ハンブルグ、245.9km)-8月19日

 

【結果】

1.アルノー・デマール(フランス、FDJ・ビッグマット) 6:03:20

2.アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) s.t.

3.ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、レディオシャック・ニッサン) s.t.

4.トム・ボーネン(ベルギー、オメガファルマ・クイックステップ) s.t.

5.エドヴァルド・ボアッソン・ハーゲン(ノルウェー、SKY) s.t.

6.マーク・レンショー(オーストラリア、ラボバンク) s.t.

7.ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・シャープ) s.t.

8.マヌエル・ベレッティ(イタリア、アージェードゥーゼル・ラモンディール) s.t.

9.トム・フェーレルス(オランダ、アルゴス・シマノ) s.t.

10.ボルト・ボジッチ(スロベニア、アスタナ) s.t.

 

フルリザルト(公式サイト)

 

今回も10%超えの勾配・ヴァーゼベルグを4回を含む周回コースでレースは実施。

この1km弱の急坂で後れをとらないことが、勝負に絡む1つの条件。

また、スプリントに持ち込みたくないチーム・選手にとっては仕掛けどころにもなります。

 

序盤から逃げグループが形成しかけては吸収を繰り返す中、最終的にBMCのピノッティやレディオシャックのポポヴィッチが逃げグループを形成。

しかし、ボアッソン・ハーゲンの2連覇を目論むSKYが集団のペースをコントロールし、ゴールまで30kmを残し吸収します。

 

逃げ吸収直後に迎えた3回目のヴァーゼベルグで、ルークマンスのアタックをきっかけに新たな逃げグループが生まれます。

その中にはボーネンやサガンといった強力メンバーが含まれ、5kmほど逃げるも集団に戻る形に。

ボーネン1人粘って逃げ続けますが、残り20km手前で吸収。

 

ラボバンクが集団をコントロールしたまま最後のヴァーゼベルグをクリア。

一瞬ペースが緩んだ隙にレディオシャックのヘルマンスが単独アタック。

その後数人が合流するも、残り10kmを切って全員吸収。

勝負はスプリントの体勢に。

 

ガーミン、レディオシャック、グリーンエッジ、アルゴスなどが代わる代わる牽く集団から、最初に仕掛けたのはレンショー。

しかし、その動きに合わせてラスト150mからデマールが飛び出し、そのまま先頭でゴール。

地元レースで優勝を狙ったグライペルは惜しくも2位、そしてこのところ勢いに乗るイタリアンスプリンターのニッツォロが3位に入線。

 

Vattenfall Cyclassics 2012(Dailymotion動画)

 

【戦評】

昨年のU23世界チャンピオンのデマール。

プロ1年目ながら、いまやフランス人選手の中でもエーススプリンターとして扱われるほどの存在となっています。

それに恥じない今回の勝利。

 

もちろん、そもそものスプリント力あっての勝利であることは間違いありませんが、今回は位置取りも上手くいったのが大きな要因か。

レース後半に発生した逃げの動きにアシストを1人乗せ、他チームに仕事をさせた作戦も奏功したと言えそうです。

特に今シーズンはデマールを筆頭に強力スプリンターが育った印象のFDJは、大きなレースでも積極的に集団コントロールに参加する姿勢を見せてきました。

上手くいかないことも多かったものの、ここで見事に結果を残したのは今後につながるか。

ちなみに、デマールは今シーズン6勝目。

 

初優勝を狙ったグライペルは惜しくも2位。

アシストが切れてしまい、最後は自らポジション確保に力を使う格好に。

一方、終始逃げにメンバーが乗るなど、レースを動かし続けたレディオシャックからはニッツォロが3位と健闘。

ツール・ド・ワロニー総合優勝以降、シーズン後半に最も勢いに乗っている1人。

 

世界選手権を見据えるボーネンは、後半逃げにトライするなど積極的に動きながら、最後はスプリントに参戦し4位に入り、今後に向けて好材料。

一方、2連覇を狙いながら5位に終わったボアッソン・ハーゲンは、先のツールでの山岳アシストを経てのレースとあって、若干スプリントのキレが無かったか。

世界選手権でも優勝候補に名を連ねることが予想されるだけに、今後に向けてどう脚づくりをしてくるか見もの。

 

その他、有力選手の動向。

途中ボーネンとともに逃げを打ったサガンは、終盤にメカトラ。

最後はスプリントに参戦したものの、本来の脚は発揮できず14位。

戦前は優勝候補の1人と見られていたキッテルは、ヴァーゼベルグの上りで持ちこたえられず、完走が精一杯。

やはりハイスピードでの急坂突入は彼には厳しいか。

 

このレースを皮切りに、視線は世界選手権へと向いていきます。

ブエルタはもちろんですが、選手選考を左右する秋のクラシックレースにも注目していきたいところです。

 

ヴァッテンフォール・サイクラシックスオフィシャルサイト http://www.vattenfall-cyclassics.de/

 

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ヴァッテンフォール・サイクラシックス-Preparation

 

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