ここ最近、まとめ記事を放置している感がありますが、少しずつ振り返っていきたいと思っています。

今回はエネコ・ツールを。

出場停止明けのアルベルト・コンタドールが参戦とあって、大きな注目が集まった今回。

コンタドール自身の健在を示すだけでなく、秋のシーズンに向けて存在をアピールする選手たちの活躍が目を引きました。

 

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エネコ・ツール-8月6-12日

 

●第1ステージ(Waalwijk〔NL〕~Middelburg〔NL〕、203.9km)-8月6日

 

【結果】

1.マルセル・キッテル(ドイツ、アルゴス・シマノ) 5:38:28

2.アルノー・デマール(フランス、FDJ・ビッグマット) s.t.

3.テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム) s.t.

 

【総合】

1.マルセル・キッテル(ドイツ、アルゴス・シマノ) 5:38:18

2.アルノー・デマール(フランス、FDJ・ビッグマット) +04″

3.テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム) +06″

 

全体的にゆっくりとしたペースで推移。

逃げは一時10分以上のリードを築くも、海からの強風により逃げ続けることを断念。

勝負はゴールスプリントへ。

 

各チームトレインが入り乱れての位置取り争いは、残り2kmで大きな落車が発生。

人数を減らした状態でのスプリントは、早掛けしたニッツォロの動きに上手く反応したキッテルが他を寄せ付けず優勝。

ツールでは故障もあり不振に終わったビッグスプリンターが復活の勝利を挙げました。

 

Eneco Tour 2012 Etape 1(Dailymotion動画)

 

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●第2ステージ(Sittard〔NL〕~Sittard〔NL〕、18.9kmTTT)-8月7日

 

【結果】

1.オリカ・グリーンエッジ 21:09:34

2.オメガファルマ・クイックステップ +01″

3.カチューシャ +02″

 

【総合】

1.イェンス・ケウケレイエ(ベルギー、オリカ・グリーンエッジ) 5:59:37

2.セバスチャン・ランゲフェルド(オランダ、オリカ・グリーンエッジ) s.t.

3.スヴェン・タフト(カナダ、オリカ・グリーンエッジ) s.t.

 

総合に大きなシャッフルがかかる18.9kmのTTT。

平地系ライダーを揃え、持ち前のスピードを披露したグリーンエッジがΩクイックを僅かの差で下して優勝。

平均スピードは53.6km/h。

別府選手は、タフトとダーブリッジ2人のTTスペシャリストの間でペース調整役を担当し、終盤に隊列から離れてゴールしています。

 

その他、コンタドール擁するサクソバンク・ティンコフバンクは27秒差の9位とまずまずのリザルト。

 

Eneco Tour 2012 Etape 2(Dailymotion動画)

 

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●第3ステージ(Riemst〔B〕~Genk〔B〕、188.0km)-8月8日

 

【結果】

1.テオ・ボス(オランダ、ラボバンク) 4:14:49

2.ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、アルゴス・シマノ) s.t.

3.ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・シャープ) s.t.

 

【総合】

1.イェンス・ケウケレイエ(ベルギー、オリカ・グリーンエッジ) 10:14:26

2.セバスチャン・ランゲフェルド(オランダ、オリカ・グリーンエッジ) s.t.

3.スヴェン・タフト(カナダ、オリカ・グリーンエッジ) s.t.

 

アルデンヌクラシックでおなじみのカウベルグを通過するステージ。

しかし、勝負どころでの通過とはならず、終盤にかけてほぼフラットになることから勝負はスプリントに。

 

リーダーチームであるグリーンエッジが終始集団をコントロール。

ゴールが近付くにつれキッテルでの勝利を狙うアルゴス・シマノが主導権を握るも、そのキッテルにメカトラ発生。

デゲンコルブに勝負を委ねるも、この日最も強かったのはボス。

ワールドツアー初勝利となるステージ優勝。

 

総合はケウケレイエが堅守。

 

Eneco Tour 2012 Etape 3(Dailymotion動画)

 

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●第4ステージ(Heers〔B〕~Bergen op Zoom〔NL〕、213.3km)-8月9日

 

【結果】

1.マルセル・キッテル(ドイツ、アルゴス・シマノ) 5:11:41

2.ユルゲン・ルーランツ(ベルギー、ロット・ベリソル) s.t.

3.ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、レディオシャック・ニッサン) s.t.

 

【総合】

1.トム・ボーネン(ベルギー、オメガファルマ・クイックステップ) 15:26:06

2.イェンス・ケウケレイエ(ベルギー、オリカ・グリーンエッジ) +01″

3.シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファルマ・クイックステップ) +02″

 

●ポイント賞

マルセル・キッテル(ドイツ、アルゴス・シマノ) 60pt

 

この日からコースは再びオールフラットに。

グリーンエッジの集団コントロールで逃げを難なく吸収。

 

ゴールへはカチューシャやアルゴス、ラボバンクなどがスプリントポジション争い。

真っ先にクリストフが仕掛けるも、反対側から抜群のスピードを発揮したのはキッテル。

今大会2勝目となる勝利を挙げています。

 

総合もシャッフル。

この日3つ目の中間スプリントを2位通過したボーネンがトップに。

また、ゴールで集団が分裂し30位以下が5秒遅れになった関係で、総合上位も幾分かの入れ替えが起こっています。

 

Eneco Tour 2012 Etape 4(Dailymotion動画)

 

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●第5ステージ(Hoogerheide〔NL〕~Aalter〔B〕、184.6km)-8月10日

 

【結果】

1.ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、レディオシャック・ニッサン) 4:10:20

2.ユルゲン・ルーランツ(ベルギー、ロット・ベリソル) s.t.

3.マヌエル・ベレッティ(イタリア、アージェードゥーゼル・ラモンディール) s.t.

 

【総合】

1.トム・ボーネン(ベルギー、オメガファルマ・クイックステップ) 19:36:26

2.イェンス・ケウケレイエ(ベルギー、オリカ・グリーンエッジ) +01″

3.シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファルマ・クイックステップ) +02″

 

翌日の個人TTを前に、総合で優位に立ちたいチームが中間スプリントを狙うなどハイスピードな展開に。

しかし、リーダーチームであるΩクイックが冷静にコントロールし、大きな動きが無いままゴールスプリントへ。

 

ゴールに向けて、サクソティンコフやBMCが人数を送り込み、ハイスピードで集団を棒状に。

そんな中、一瞬先頭のペースが緩んだ隙を突いて飛び出したのはニッツォロ。

ルーランツが自ら勝ったと確信するほどの激しい追い込みに合うも、間一髪逃げ切りに成功。

7月下旬のツール・ド・ワロニーに総合優勝し、成長株のイタリアンスプリンターがワールドツアー初優勝を挙げました。

 

Eneco Tour 2012 Etape 5(Dailymotion動画)

 

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●第6ステージ(Ardooie〔B〕~Ardooie〔B〕、17.4kmITT)-8月11日

 

【結果】

1.スヴェン・タフト(カナダ、オリカ・グリーンエッジ) 20:25

2.テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム) +05″

3.ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク) +06″

 

【総合】

1.スヴェン・タフト(カナダ、オリカ・グリーンエッジ) 19:56:57

2.ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク) +04″

3.シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファルマ・クイックステップ) +16″

 

総合成績を争ううえで、確実に落とすことのできないのがこのTTステージ。

順位の入れ替えが大幅に起こる可能性を秘めていました。

 

そんな重要なステージを制したのは、カナダチャンピオンのタフト。

第2ステージのTTT以降総合上位に付けていたこともあり、見事にリーダージャージを奪還。

2010年の第1ステージも制し、リーダージャージを3日間着用した時以来の総合トップに躍り出ました。

 

2位には同様にエネコのTTステージと相性の良いフィニー。

3位のボームは総合で2位に付け、翌日に控えるミュールや石畳といった得意コースを前に好位置に浮上。

また、注目されたコンタドールは22秒遅れの7位とまとめ、総合10位で最終ステージを迎えることとなりました。

 

Eneco Tour 2012 Etape 6(Dailymotion動画)

 

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●第7ステージ(Maldegem〔B〕~Geraardsbergen〔B〕、214.5km)-8月12日

 

【結果】

1.アレッサンドロ・バラン(イタリア、BMCレーシングチーム) 4:54:16

2.ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク) +02″

3.フランシスコ・ホセ・ベントソ(スペイン、モビスター) +06″

 

ロンド・ファン・フラーンデレンかつての勝負どころ・カペルミュールを3回通過する、北のクラシックさながらのステージ。

他にも激坂区間が多数登場し、最終ステージにふさわしいコース設定。

 

タフトのリーダージャージを守りたいグリーンエッジと、コンタドールの復活に花を添えたいサクソティンコフが集団をコントロール。

逃げにブルグハートやスティーグマンといった実力者が入っていたこともあり、早々に吸収し最後の勝負に備えます。

 

2回目のカペルミュールでコンタドールがアタック。

これに乗じた数選手が協調体制で逃げを図るも、有力選手を抱えるチームがアシスト総出で吸収。

一方のタフトはパンクトラブルで後れをとるも、その後1つになった集団に復帰します。

 

そしてゴール前5kmで迎える3回目のカペルミュールでバランがアタック。

追ったボームが合流し、スピードのある2人で回しながらゴールへ。

総合で遅れていたバランがステージを、そして総合2位に付けていたボームが歓喜の総合優勝とを分け合いながらゴール。

トラブルが続いたタフトから総合の座を奪い取ることに成功しています。

 

2人を追った有力選手たちは6秒遅れでゴール。

その中にはコンタドールも入り、最終的に総合順位を上げる好走を見せました。

 

Eneco Tour 2012 Etape 7(Dailymotion動画)

 

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【総合】

1.ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク) 24:51:13

2.シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファルマ・クイックステップ) +26″

3.ニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファルマ・クイックステップ) +49″

4.アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク) +55″

5.ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +55″

6.ヨナタン・カストロヴィエホ(スペイン、モビスター) +58″

7.スヴェン・タフト(カナダ、オリカ・グリーンエッジ) +1’00”

8.ミカル・クウィアトコウスキ(ポーランド、オメガファルマ・クイックステップ) +1’05”

9.セバスチャン・ランゲフェルド(オランダ、オリカ・グリーンエッジ) +1’07”

10.ヤン・バークランツ(ベルギー、レディオシャック・ニッサン) 1’13”

 

●ポイント賞

ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、レディオシャック・ニッサン) 62pt

 

フルリザルト(公式サイト)

 

【戦評】

オリンピックが終わり、世界選手権を視野に入れた選手たちによる争いとなった今回。

また、コンタドールの復帰戦としても大きな注目を集めました。

 

ツールを回避してオリンピックからブエルタ、世界選への流れを汲むであろうボームが状態の良さを見せて総合優勝。

タイムトライアルや石畳、ミュールといった得意ステージが組まれたのも大きな味方となりました。

 

スプリンターにとっても重要レースとあって、有力選手が多数出場。

中でもステージ2勝のキッテルは、本領発揮できずに去ったツールから完全復活の走り。

キッテルを支えるアルゴスのリードアウターの充実さも見逃せません。

また、ステージ1勝以外にも安定してステージ上位に食い込みポイント賞を獲得したニッツォロの健闘が光りました。

ベンナーティの後継者としても期待される新鋭スプリンターは押さえておきたい存在。

 

総合トップ10に3人送り込んだΩクイック(シャヴァネル、テルプストラ、クウィアトコウスキ)や、グリーンエッジ(ダーブリッジ、ランゲフェルド、タフト)はチーム力が際立っていた感。

第2ステージのTTTの走りがそれを物語っていたと言えるでしょう。

Ωクイックにとっては、総合こそ17位に終わったもののリーダージャージを着用したボーネンが調子を上げてきている点は好材料。

 

そしてコンタドールは総合4位と、華麗な復活と言える走り。

TTステージ以外にも、第7ステージで石畳やミュールで自ら仕掛けてレースを動かすなど、まさに“オールラウンダー”の走りを全う。

出場停止期間中のトレーニングで身体も十分に絞れており、ブエルタへと良い流れを作った1週間だったと言えるでしょう。

他選手より脚がフレッシュなのも大きいか。

 

大会直前に急遽参戦が決まった別府選手はアシストとして貢献。

TTTとはいえ、ワールドツアー初優勝も達成。

最終的に総合96位で終えています。

 

エネコ・ツールオフィシャルサイト http://www.enecotour.nl/

 

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エネコ・ツール-Preparation

 

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