ツール・ド・フランス、オリンピックとビッグレースが一段落し、この後のブエルタ・ア・エスパーニャや世界選手権、選手によっては来年以降の契約にかかる動きが活性化しつつあります。

そんな中、年々レースバリューを上げているのがオランダとベルギーを舞台に行われるエネコ・ツール。

今年はこれまで以上にビッグネームが集結し、この大会にふさわしい激しいレースが予想されます。

そんなレースを予習していきましょう。

 

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エネコ・ツール-8月6-12日

【過去5年の総合優勝者】

2011年 エドヴァルド・ボアッソン・ハーゲン

2010年 トニー・マルティン

2009年 エドヴァルド・ボアッソン・ハーゲン

2008年 ホセ・イヴァン・グティエレス

2007年 ホセ・イヴァン・グティエレス

 

【コース分析】

 

●第1ステージ(Waalwijk〔NL〕~Middelburg〔NL〕、203.9km)-8月6日

 

●第2ステージ(Sittard〔NL〕~Sittard〔NL〕、18.9kmTTT)-8月7日

 

●第3ステージ(Riemst〔B〕~Genk〔B〕、188.0km)-8月8日

 

●第4ステージ(Heers〔B〕~Bergen op Zoom〔NL〕、213.3km)-8月9日

 

●第5ステージ(Hoogerheide〔NL〕~Aalter〔B〕、184.6km)-8月10日

 

●第6ステージ(Ardooie〔B〕~Ardooie〔B〕、17.4kmITT)-8月11日

 

●第7ステージ(Maldegem〔B〕~Geraardsbergen〔B〕、214.5km)-8月12日

 

スプリンターが主役になることが多いステージレースとはいえ、総合の行方は例年タイムトライアルで決してきました。

今年はITTに加え、第2ステージにTTTが設けられ、よりTT比重の高い総合争いになると思われます。

 

オランダをスタートし、中盤から終盤にかけてベルギーに舞台を移します。

第1ステージは、早くも200km超えのスプリントステージ。

北海に向かって走るこのステージは、強風による集団分断があるかもしれません。

 

総合争い最初の関門と言えるTTTは第2ステージ。

それほど厳しさはないものの、多少の勾配が各選手のTT能力の差やローテーションに出る可能性があります。

ここで数十秒単位の差が付くケースは大いにあるでしょう。

 

第3ステージからはベルギー入り。

フランドル地方特有の細かいアップダウンが中盤に控えますが、後半のレイアウト的にスプリンターは生き残るでしょう。

展開によっては、逃げから勝者が出ることも考えられそう。

 

ベルギーとオランダを行き来する第4,5ステージは、ゴールスプリントになりそう。

ただし、ここも北海からの強風による分断が起こることも。

スプリンターチームによる激しい位置取り争いが見られるかもしれません。

 

注目の第6ステージ。

ここは独走力に長けた選手たちによる競演となるでしょう。

例年この大会のITTはテクニカルなコースであることから、数十秒単位で差が付くのが特徴。

今回もこのステージの勝者から総合優勝者が出るかもしれません。

 

最終の第7ステージはアルデンヌクラシックさながらの劇坂オンパレード。

16ヶ所の急坂区間が待ち受けます。

また、ゴール前500mからは40mを一気に駆け上がります。

スプリンターにとってはさすがに厳しいでしょう。

前日のITTまでに僅差の総合争いの場合は、このステージがより激化することに。

 

【注目選手】

ライダータイプ別に、押さえておきたい選手を独断でピックアップします。

スタートリストは公式サイト、またはCycling Feverから。

 

●総合優勝候補

トーマス・ロヴクイスト(スウェーデン、SKY)

アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・ティンコフバンク)

ミカル・クウィアトコウスキ(ポーランド、オメガファルマ・クイックステップ)

シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファルマ・クイックステップ)

ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク)

フレフ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム)

アレッサンドロ・バラン(イタリア、BMCレーシングチーム)

トーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)

リューウェ・ウェストラ(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)

イェーレ・ファネンデルト(ベルギー、ロット・ベリソル)

リーナス・ゲルデマン(ドイツ、レディオシャック・ニッサン)

ベン・ヘルマンス(ベルギー、レディオシャック・ニッサン)

シモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ)

デヴィッド・ミラー(イギリス、ガーミン・シャープ)

ディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・ISD)

セバスチャン・ランゲフェルド(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)

モレノ・モゼール(イタリア、リクイガス・キャノンデール)

ヨン・イザギレ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)

 

●スプリンター

ダヴィデ・アポローニオ(イタリア、SKY)

クリストファー・サットン(オーストラリア、SKY)

トム・ボーネン(ベルギー、オメガファルマ・クイックステップ)

テオ・ボス(オランダ、ラボバンク)

グレーム・ブラウン(オーストラリア、ラボバンク)

マーク・レンショー(オーストラリア、ラボバンク)

アダム・ブライス(イギリス、BMCレーシングチーム)

クリス・ボックマンス(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)

ユルゲン・ルーランツ(ベルギー、ロット・ベリソル)

ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)

ロベルト・ワグナー(ドイツ、レディオシャック・ニッサン)

ジャコポ・グアルニエリ(イタリア、アスタナ)

アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)

リュディガー・セリグ(ドイツ、カチューシャ)

ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・シャープ)

ミケル・クレーダー(オランダ、ガーミン・シャープ)

マルセル・キッテル(ドイツ、アルゴス・シマノ)

アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD)

リー・ハワード(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)

イェンス・ケウケレイエ(ベルギー、オリカ・グリーンエッジ)

アイディス・クルオピス(リトアニア、オリカ・グリーンエッジ)

ダニエル・オス(イタリア、リクイガス・キャノンデール)

ホセ・ホアキン・ロハス(スペイン、モビスター)

フランシスコ・ホセ・ベントソ(スペイン、モビスター)

ジミー・カスペール(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディール)

マヌエル・ベレッティ(イタリア、アージェードゥーゼル・ラモンディール)

アルノー・デマール(フランス、FDJ・ビッグマット)

ミカエル・ファンステイエン(ベルギー、トップスポルトフランデレン・メルカトール)

ケヴィン・イスタ(ベルギー、アクセントジョブス・ウィレムスヴェランダス)

ステファン・ファンダイク(オランダ、アクセントジョブス・ウィレムスヴェランダス)

 

●その他

アレックス・ダウセット(イギリス、SKY)

ニック・ナイエンス(ベルギー、サクソバンク・ティンコフバンク)

ニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファルマ・クイックステップ)

テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)

グスタフ・ラーション(スウェーデン、ヴァカンソレイユ・DCM)

ジャック・バウアー(ニュージーランド、ガーミン・シャープ)

ラムナス・ナヴァルダスカス(リトアニア、ガーミン・シャープ)

セバスチャン・ロセレル(ベルギー、ガーミン・シャープ)

アドリアーノ・マローリ(イタリア、ランプレ・ISD)

ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)

スヴェン・タフト(カナダ、オリカ・グリーンエッジ)

別府史之(日本、オリカ・グリーンエッジ)

マチェイ・ボドナール(ポーランド、リクイガス・キャノンデール)

 

グランツール並みのそうそうたる面々が揃いました。

 

その中でも、何と言っても注目はコンタドールの戦線復帰でしょう。

早くから復帰レースはエネコ・ツールと公言していましたが、どのような走りを見せるか。

その後のブエルタ、TTでの出場を熱望していると言われる世界選手権につなげる意味で、好スタートを切りたいところ。

調整レースとしてではなく、総合を狙うのであればTTTを好位置で終え、ITTで上位に付けて最終ステージに臨みたいところです。

 

続く存在としては、TTに強くなおかつクラシック系の脚質の選手と言えそう。

今シーズンTTで絶好調のシャヴァネルや、シーズン前半に好調だったウェストラに期待がかかります。

 

また、7月のツール・ド・ポローニュで総合優勝争いを演じたモゼールやクウィアトコウスキの若手2人も有力。

2人ともにTT、アップダウンに強く、今大会の優勝候補に挙げて良いでしょう。

 

コンタドール同様にブエルタ組のデヘント、世界選手権を見据えるファンアーヴェルマートやバラン、ランゲフェルドにも期待。

 

スプリンターは、毎年地元レースに気合いを見せるボーネンが中心的存在。

オリンピックを終え、ブエルタを回避して世界選手権を目指す意味で、ここでアピールをしたいところ。

 

失意のツールリタイアを経て、再び活躍を誓うキッテルも調子が戻っていれば段違いのスプリント力を見せるはず。

アシストにも平地ベストメンバーを揃え、完全なキッテルシフトを組んでいます。

今大会何勝できるか注目。

 

上れるスプリンターのロハスとベントソのモビスターコンビ、ルーキーながらフランスを代表するスプリンターの1人になりつつあるデマール、ほぼベストなアシストを揃えて臨むペタッキらの存在も押さえておきたいところです。

 

その他では、ダウセットやフィニー、ラーション、マローリらがTTステージでの勝利を狙います。

 

また、オリンピック明けの別府選手もチームのメンバーに名を連ね、チャンスを虎視眈々と狙います。

オリンピックの走りで見せた好調さをキープしていれば、十分に好走が期待できるでしょう。

 

【総合優勝予想】

シルヴァン・シャヴァネル

 

エネコ・ツールオフィシャルサイト http://www.enecotour.nl/

 

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