現在開催中のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネと並んでツール・ド・フランスの前哨戦として名高いのが、ツール・ド・スイス。

かつては総合系以外の選手にも総合優勝を狙うチャンスがある大会でしたが、ここ数年はツールを見据えてかより難易度が高く、総合争いも厳しいものになってきています。

そんな注目のステージレースを占ってみることにします。

 

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ツール・ド・スイス-6月9-17日

【過去5年の総合優勝者】

2011年 リーヴァイ・ライプハイマー

2010年 フランク・シュレク

2009年 ファビアン・カンチェラーラ

2008年 ローマン・クロイツィゲル

2007年 ヴォラドミール・カルぺツ

 

【コース分析】

 

●第1ステージ(Lugano~Lugano、7.3kmTT)-6月9日

 

●第2ステージ(Verbania〔ITA〕~Verbier、218km)-6月10日

 

●第3ステージ(Martigny~Aarberg、195km)-6月11日

 

●第4ステージ(Aarberg~Trimbach/Olten、189km)-6月12日

 

●第5ステージ(Olten/Trimbach~Gansingen、193km)-6月13日

 

●第6ステージ(Wittnau~Bischofszell TG、199km)-6月14日

 

●第7ステージ(Gossau ZH~Gossau ZH、34.3km)-6月15日

 

●第8ステージ(Bischofszell TG~Arosa、148km)-6月16日

 

●第9ステージ(Näfels-Lintharena~Sörenberg、216km)-6月17日

 

毎年恒例のルガーノでのTTで開幕。

3km強を上って、あとはゴールまで一気に下るテクニカルなコース。

 

総合争いは第2ステージから早速動き出すことになりそうです。

超級山岳が2つ、しかも2つ目は頂上ゴール。

後半ステージのTTを前にアドバンテージを築いておきたい選手は仕掛けてくることになるでしょう。

総合系の選手にとっては、脱落しないことが最低限のミッション。

 

第3ステージは後半に3級と4級山岳が控えるパンチャー向けステージ。

ただし、4級からゴールまで10kmあり、スプリンターチームのコントロールも激しいものになるはず。

スプリンターにとっても勝負の1日となるでしょう。

 

第4ステージは前半に1級山岳、後半に3級、2級と控え、大逃げが決まる可能性も。

前日までに遅れをとっている選手たちがスタートから積極的に逃げを打ってくることでしょう。

 

第5ステージは3級山岳が6つあるアップダウンの激しいレイアウト。

上りにも強さを発揮するスプリンターにはチャンスがあるものの、ゴール前も上り。

終盤には総合上位勢だけに集団のメンバーが絞られていることも十分にあり得るステージ。

 

再びスプリンターに大きなチャンスが訪れるのは第6ステージか。

カテゴリー山岳は3級と4級のみ。

ゴール前は上り基調。

スプリンターチームがどれだけのコントロールができるかがポイント。

 

この大会の注目ステージの1つ、第7ステージは個人タイムトライアル。

例年タイムトライアルで総合に大きな動きがある大会だけに、ここで好走した選手が総合優勝へ一気に近づくことでしょう。

コースはスタートから11.3kmまで300m近く一気に上り、その後は全体的に下り基調。

TTスペシャリストにとっても、ツールに向けての脚試しとなりそう。

 

佳境となる終盤2ステージ。

第8ステージは超級山岳頂上ゴール。

148kmとレース距離自体は短いものの、120km地点からゴールまで長い上りが待ち受けます。

総合での逆転を狙う選手にとっては勝負のステージ。

前日までに好位置に付けている選手にとっては安定して上りたい。

 

最終第9ステージは、後半に超級山岳を2つこなし、最後は2級山岳の頂上にゴールするクイーンステージ。

第8ステージまでに総合トップに立っている選手にとっては、超級2つをクリアさえすれば最後の2級はそう難しくないと思われます。

一方で、僅差であれば総合優勝を賭けた激しいアタック合戦にも。

いずれにせよ、前日までの流れで最終ステージの走りが決まってくることでしょう。

 

【注目選手】

ライダータイプ別に、押さえておきたい選手を独断でピックアップします。

スタートリストは公式サイト、またはCycling Feverから。

 

●総合系

リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、オメガファーマ・クイックステップ) ←ディフェンディングチャンピオン

ペーター・ベリトス(スロバキア、オメガファーマ・クイックステップ)

サイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ)

ラース・ペーター・ノルドハウグ(ノルウェー、SKY)

ローマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ) ←2008年総合優勝

フレデリック・ケシアコフ(スウェーデン、アスタナ)

ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、アスタナ)

トム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・バラクーダ)

ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ) ←2011年総合2位

ヨハン・チョップ(スイス、BMCレーシングチーム)

ヤコブ・フグルサング(デンマーク、レディオシャック・ニッサン)

アンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック・ニッサン)

フランク・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン) ←2010年総合優勝

ワウテル・プールス(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)

イゴール・アントン(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)

ミケル・ニエベ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)

アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)

ロベルト・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)

スティーブン・クルイシュウィック(オランダ、ラボバンク)

バウク・モレッマ(オランダ、ラボバンク)

ジョン・ガドレ(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディール)

ニコラス・ロッシュ(アイルランド、アージェードゥーゼル・ラモンディール)

 

●スプリンター

トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)

ヘルト・スティーグマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)

マッテオ・トレンティン(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)

オスカル・フレイレ(スペイン、カチューシャ)

ペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)

エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)

ベン・スウィフト(イギリス、SKY)

タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・バラクーダ)

ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・バラクーダ)

バーデン・クック(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)

アラン・デイヴィス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)

アイディス・クルオピス(リトアニア、オリカ・グリーンエッジ)

グレガ・ボレ(スロベニア、ランプレ・ISD)

アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD)

アダム・ブライス(イギリス、BMCレーシングチーム)

ホセ・ホアキン・ロハス(スペイン、モビスター)

マッティ・ブレシェル(デンマーク、ラボバンク)

ヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、FDJ・ビッグマット)

ダニエレ・コッリ(イタリア、チームタイプ1・サノフィ)

ギョーム・ボイヴィン(カナダ、スパイダーテック・パワードバイC10)

 

●その他

ゼネク・スティーバー(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ)

ニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ)

アレクサンドル・コロブネフ(ロシア、カチューシャ)

トーマス・ロヴクイスト(スウェーデン、SKY)

ヨハン・ファンスーメレン(ベルギー、ガーミン・バラクーダ)

ミハエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ)

キャメロン・メイヤー(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)

フレフ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム)

ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン) ←2009年総合優勝

ジョニー・フーガーランド(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)

ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター)

イグナタス・コノヴァロヴァス(リトアニア、モビスター)

スティーブ・シェネル(フランス、FDJ・ビッグマット)

クリス・アンケル・セレンセン(デンマーク、サクソバンク)

ルーベンス・ベルトリアーティ(スイス、チームタイプ1・サノフィ)

 

ディフェンディングチャンピオンのライプハイマーは、シーズン前半のトラブルや怪我から回復し徐々に復調傾向。

5月のツアー・オブ・カリフォルニアでも総合6位に入り、ツールに向けて仕上げてきている印象。

ここ数年、ツールで力を発揮できないことが続いており、ここで好走して本番につなげたい。

状態次第では総合争いの中心になる1人。

 

昨年最終TTで逆転を喫したクネゴはジロ明けとあり、どこまで勝負に絡むか。

ジロでは後半ステージで調子を上げていた分、良い状態で今大会に臨んでくることも考えられます。

いずれにせよ、この後のツールを狙うか次第で戦い方が変わってきそう。

 

ジロを途中リタイアし、ツールに向けて調整を行うフランク・シュレクはこの大会と相性の良い選手。

フグルサング、クレーデンと総合を狙える選手を揃えてきており、フランクは調整に専念し、2人が総合を狙ってくる可能性も。

ツール本番ではアンディ・シュレクのアシストをすることになる3人、良い状態でレースを終えたいところ。

 

層の厚さに注目したいのがラボバンク。

ツアー・オブ・カリフォルニアで強さを見せたヘーシンクがエース。

その脇を固めるのがクルイシュウィックとモレッマ。

ツールに向けて状態を上げるヘーシンクに、春のクラシックで大活躍したモレッマ。

そして総合ライダーとしての地位を確かなものにしたクルイシュウィック。

展開次第では3人誰もが総合を狙える点も魅力。

テンダム、スラフテルといった上りに強いアシストも揃い、この大会を席巻するか。

 

その他、上りのパンチ力は随一のバルベルデ、同様に上りの絶対的な強さを発揮するアントンなどにも注目。

 

スプリンターにチャンスが少ないと言われる今年のドーフィネとは対象に、こちらにはスプリンターが多数揃いました。

ツールに向けてといった観点で見れば、大注目はサガンの存在。

ツアー・オブ・カリフォルニアでスプリント5勝した勢いのまま臨んでくることでしょう。

特に上りにも強く、ここで何勝するかが焦点。

オス、ヴィヴィアーニといったスピードマンも控え、レイアウト問わずゴール前での強さを発揮できるメンバーを揃えます。

 

続く存在はファラーか。

今シーズン未勝利なのが気になりますが、強力なトレインに牽かれ、ツール前に何としても勝利を挙げておきたいところ。

オリンピック狙いのハウッスラーを発射台に、持ち前のスピードをいよいよ発揮できるか。

 

不調のためジロのメンバーから外れたペタッキの復調具合も見もの。

本調子であれば、ステージを狙えるだけのスプリント力はまだまだあるだけに、上り調子で臨みたい。

 

オリンピックを狙うためツールを回避するボーネンも調整を兼ねて出場。

もちろんステージ優勝を狙ってスプリントしてくることでしょう。

サガン、ファラーらに対し勝つのは容易ではなさそうですが、まずまずの走りを見せたカリフォルニアからさらに調子を上げた姿を見せてくるはず。

 

同様にオリンピックにスポットを充てるフレイレやロハスのスペインコンビもステージ優勝候補。

 

その他注目どころとしては、春の大怪我から戦線復帰したカンチェラーラがどこまで走れるか気になるところ。

第1,6ステージのTTである程度状態が図れそう。

また、ロード適性を徐々に見せているスティーバーや、ドーピング疑惑が晴れレースに戻ってきたコロブネフらにもステージ優勝のチャンスがあるでしょう。

 

【総合優勝予想】

ロベルト・ヘーシンク

 

ツール・ド・スイスオフィシャルサイト http://www.tourdesuisse.ch/

 

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