ジロ・デ・イタリアが終わり、焦点はいよいよツール・ド・フランスへと向いていきます。

いくつかある前哨戦の中でも、最も格式があり、ツールを見据えた選手たちが揃うのがクリテリウム・ドゥ・ドーフィネ。

今年もアルプスの山々で選手たちは脚試しをすることになります。

 

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クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ-6月3-10日

【過去5年の優勝者】

2011年 ブラッドリー・ウィギンス

2010年 ヤネス・ブライコヴィッチ

2009年 アレハンドロ・バルベルデ

2008年 アレハンドロ・バルベルデ

2007年 クリストフ・モロー

 

【コース分析】

 

●プロローグ(Grenoble~Grenoble、5.7kmTT)-6月3日

 

●第1ステージ(Seyssins~Saint-Vallier、187km)-6月4日

 

●第2ステージ(Lamastre~Saint-Félicien、160km)-6月5日

 

●第3ステージ(Givors~La Clayette、167km)-6月6日

 

●第4ステージ(Villié-Morgon~Bourg-en-Bresse、53.5kmTT)-6月7日

 

●第5ステージ(Saint-Trivier-sur-Moignans~Rumilly、186.5km)-6月8日

 

●第6ステージ(Saint-Alban-Leysse~Morzine、167.5km)-6月9日

 

●第7ステージ(Morzine~Châtel、124.5km)-6月10日

 

まずはプロローグで顔見せ。

スタート直後に軽いアップダウンはありますが、その後はほぼフラット。

コンディションさえ整っていれば好タイム続出となりそう。

 

第1ステージはレイアウトだけ見れば、逃げやパンチャーに有利。

特にゴール前9kmで迎える3級山岳でアタック頻発の可能性大。

スプリントで勝利を狙いたいチームや、総合エースを安全に走らせたいチームなどがどうコントロールするかに注目。

 

第2ステージは2級山岳が3つあり、それを集団でクリアした選手たちによるステージ争いか。

この日最後のカテゴリー山岳がゴール前22km。

それまでに脱落した選手たちが、ゴールに向けて集団に復帰できればチャンスがあるでしょう。

 

第3ステージは今大会唯一のスプリントステージとなりそう。

全体的な難易度も低く、スプリント勝利を狙うチームのコントロールが終始続くか。

総合系ライダーにとっては脚休めの1日になるでしょう。

 

最大の注目ステージとも言えるのが、53.5kmのTTを行う第4ステージ。

この大会だけで言えば、総合争いはここで好走した選手に絞られそう。

また、ツールを見据える選手たちにとっても、ツールで最終決戦となる第19ステージのTTとほぼ同じ距離(ツールは52km)。

どれだけ走ることができるかの指標ともなるステージと言えるでしょう。

 

いよいよ総合争いが本格化する後半ステージ。

第5ステージは中盤に超級山岳が待ち受けます。

しかし、その後は3級山岳を1つこなすだけで、それもゴール前約45km前。

このステージは逃げが決まる可能性も大きいと言えそう。

 

そして総合争いが大きく動くであろう第6ステージは、ゴール前12kmで頂上を迎える超級山岳をこなして、ゴールまでのダウンヒル。

それまでに1級2つ、3級3つと山岳をクリアしての超級山岳だけに、総合上位勢のみの争いとなることは必至。

第4ステージTTでアドバンテージを得た選手にとっては、ライバルの動きだけに注意した守りの走りになるかもしれません。

 

最終第7ステージは、難易度こそ比較的高めとはいえ、124.5kmと距離が短く、ゴール前約22kmの1級山岳をクリアできれば問題無さそう。

総合上位勢は無理に動かず、ステージ優勝狙いのパンチャーらが積極的に動くステージとなるかもしれません。

 

【注目選手】

ライダータイプ別に、押さえておきたい選手を独断でピックアップします。

スタートリストは公式サイト、またはCycling Feverから。

 

●総合系

ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、SKY) ←ディフェンディングチャンピオン

クリストファー・フルーム(イギリス、SKY)

カデル・エバンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) ←2011年総合2位

ティジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)

アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ) ←2011年総合3位

ヤネス・ブライコヴィッチ(スロベニア、アスタナ) ←2010年総合優勝

ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル) ←2011年総合4位、ステージ1勝

イェーレ・ファネンデルト(ベルギー、ロット・ベリソル)

デニス・メンショフ(ロシア、カチューシャ)

トマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)

クリストフ・ケルヌ(フランス、ユーロップカー) ←2011年総合6位、ステージ1勝

ピエール・ローラン(フランス、ユーロップカー)

ジャン・クリストフ・ペロー(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディール) ←2011年総合7位

リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル・ラモンディール)

アンディ・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン)

ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)

レイン・タラマエ(エストニア、コフィディス)

サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)

クリストフ・ルメヴェル(フランス、ガーミン・バラクーダ)

ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・バラクーダ)

ファン・ホセ・コーボ(スペイン、モビスター)

ダヴィ・アロヨ(スペイン、モビスター)

ピーテル・ウェーニング(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)

ルイス・レオン・サンチェス(スペイン、ラボバンク)

ジェローム・コッペル(フランス、ソール・ソジャサン)

リューウェ・ウェストラ(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)

 

●スプリンター

エドヴァルド・ボアッソン・ハーゲン(ノルウェー、SKY) ←2010年ステージ1勝

ボルト・ボジッチ(スロベニア、アスタナ)

レオナルド・デュケ(コロンビア、コフィディス)

ナセル・ブアニ(フランス、FDJ・ビッグマット)

コルド・フェルナンデス(スペイン、ガーミン・バラクーダ)

ジョナサン・キャントウェル(オーストラリア、サクソバンク)

ファン・ホセ・アエド(アルゼンチン、サクソバンク)

ゲラルド・チオレック(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)

リー・ハワード(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)

マイケル・マシューズ(オーストラリア、ラボバンク)

ジュリアン・シモン(フランス、ソール・ソジャサン)

ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、アルゴス・シマノ) ←2011年ステージ2勝

 

●その他

リッチー・ポート(オーストラリア、SKY)

マイケル・ロジャース(オーストラリア、SKY)

フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)

ジョージ・ヒンカピー(アメリカ、BMCレーシングチーム)

マキシム・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ)

ロメン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディール)

シルヴァン・ジョルジュ(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディール)

ティアゴ・マシャド(ポルトガル、レディオシャック・ニッサン)

ルイス・アンヘル・マテ(スペイン、コフィディス)

ダヴィド・モンクティエ(フランス、コフィディス)

ピエリック・フェドリゴ(フランス、FDJ・ビッグマット) ←2009年ステージ1勝

デヴィッド・ミラー(イギリス、ガーミン・バラクーダ)

セプ・ファンマルケ(ベルギー、ガーミン・バラクーダ)

マシュー・ロイド(オーストラリア、ランプレ・ISD)

ダニエル・ナバーロ(スペイン、サクソバンク) ←2010年ステージ1勝

トニー・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ) ←2011年ステージ1勝

シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)

ベルト・グラブシュ(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)

サイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)

ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)

ダニエル・テクレハイマノット(エリトリア、オリカ・グリーンエッジ)

ブリース・フェイユ(フランス、ソール・ソジャサン)

土井雪広(日本、アルゴス・シマノ)

マッテオ・カラーラ(イタリア、ヴァカンソレイユ・DCM)

ステイン・デヴォルデル(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)

 

やはりSKYの充実ぶりがずば抜けている印象。

戦力からして、TTTを走らせたらどれだけ強いのかと思わせるほど。

さらに、自らも総合を狙える選手たちが揃っている点でも、戦い方の幅を広げていると言えるでしょう。

その中でも、エースはもちろんウィギンス。

現時点でツールの総合優勝候補筆頭に上がるほど、今シーズンはコンスタントに状態の良さを見せています。

総合優勝したロマンディからの休養も十分で、まずは第1,4ステージで実力を発揮してくるでしょう。

登坂力もアップし、さらには勝負どころでのアタックなどパンチ力も付いており、よほどの不調でない限り死角が見当たりません。

ツール前に力を使ってくるかという点が気にはなりますが、いつも通り走れば総合2連覇は固いと思われます。

 

ウィギンスと並んで、ツールでは総合優勝候補なのがエバンス。

シーズン序盤から春にかけて体調を崩した影響もあり、ここまではおとなしく走っている印象ですが、当然ツールに合わせているはず。

ポイントとなるTTでの走りが1つ見どころ。

恐らくツール本番でエバンスを支えるであろうアシスト陣を揃えてきており、上手く機能するかも注目。

ジルベールがどの程度アシストできるかも押さえておきたいところです。

 

これまでツール前といえばツール・ド・ルクセンブルク→ツール・ド・スイスの流れが既定路線だったアンディがついにドーフィネに登場。

昨年ツールのTTでの逆転負けから今年に期するものがある表れか。

とはいえ、例年の戦いぶりを考えれば、このレースは調整の意味合いが強そう。

総合に絡む可能性はそう高いとは言えませんが、TTはしっかりと走っておきたいところでしょう。

 

その他、ツールに向けてチェックしておきたい選手としては、メンショフ、ファンデンブロック、ニバリといったところ。

ファンデンブロックはこの大会と相性が良く、ステージ勝利も経験。

ここで好走してツールにつなげたい。

ニバリもツールでは優勝候補の1人となるはず。

今シーズンは序盤から好調で、ステージレース、ワンデーレース問わず優勝争いに顔を出してきていることを考えれば、ここでも良い走りを見せることでしょう。

昨年チームがツールに出られなかったメンショフにとっては、この時期に走る久々のビッグレース。

良い形でこの1週間を終えたいことでしょう。

 

スプリントステージが少ない今回は、スプリンターが若干寂しい顔触れ。

中心になるのは今シーズン5勝を挙げているデゲンコルブあたりか。

アップダウンにも強さを発揮するマシューズやシモンが続く存在と言えるでしょう。

ウィギンスのアシストがメインとなるであろうボアッソン・ハーゲンもスプリントに参戦してくれば有力な1人。

 

今回はTTスペシャリストが多く、第1,4ステージはかなりの高水準が予想されます。

総合勢以外でも、昨年TTステージを制しているマルティンのほか、ミラー、ポート、ロジャース、グラブシュといった有力選手も。

 

我々にとって大注目なのが、日本チャンピオンジャージで臨む土井選手。

1軍メンバーで臨むアルゴス・シマノの一員だけにツールへの期待が膨らむところですが、ここで良い走りをして好アピールといきたい。

逃げやスプリント時のリードアウターとして今回も注目したいところです。

 

【総合優勝予想】

ブラッドリー・ウィギンス

 

クリテリウム・ドゥ・ドーフィネオフィシャルサイト

http://www.letour.fr/indexCDD_fr.html

 

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