シーズンに盛況と彩りを与えた“春のクラシック”もいよいよ最終戦。

最後を飾るのは、恒例のリエージュ~バストーニュ~リエージュ。

アルデンヌクラシック最終戦にもあたるこのレースの主役は、もちろん登坂力に長けたクラシックレーサーやステージレーサー、クライマーになります。

 

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リエージュ~バストーニュ~リエージュ(Liège~Ans、257.5km)-4月22日

【過去5年の優勝者】

2011年 フィリップ・ジルベール

2010年 アレクサンドル・ヴィノクロフ

2009年 アンディ・シュレク

2008年 アレハンドロ・バルベルデ

2007年 ダニーロ・ディルーカ

 

【コース分析】

 

ラスト5km勾配

 

●通過する急坂区間(レース距離・名称・登坂距離・平均勾配)

70.0km Côte de La Roche-en-Ardenne 2.8km 6.2%

116.5km Côte de Saint-Roch 1.0km 11%

160.0km Côte de Wanne 2.7km 7.3%

166.5km Côte de Stockeu(Stèle Eddy Merckx) 1.0km 12.2%

172.0km Côte de la Haute-Levée 3.6km 5.7%

185.0km Col du Rosier 4.4km 5.9%

198.0km Côte du Maquisard 2.5km 5%

208.0km Mont-Theux 2.7km 5.9%

223.0km Côte de La Redoute 2.0km 8.8%

238.0km Côte de La Roche aux Faucons 1.5km 9.3%

252.0km Côte de Saint-Nicolas 1.2km 8.6%

 

昨年との比較では、レース距離が2km長くなり、登坂区間も70.0km地点・Côte de La Roche-en-Ardenneが追加され11ヶ所となっています。

しかし、その他の登坂区間は例年同様。

先のアムステル・ゴールドレースやフレーシュ・ワロンヌほどの激坂は少ないとはいえ、次々と訪れるアップダウンが選手たちの脚を削っていくことでしょう。

 

最初の勝負ところとしては、223.0km地点・Côte de La Redoute。

最大勾配17%、スピードが上がった状況で迎えることもあり、有力選手にとっては位置取りによってクリアの仕方が変わってくることに。

 

早めに仕掛けたい選手にとって大きなポイントとなるのは、238.0km地点・Côte de La Roche aux Faucons。

2009年にアンディ・シュレクが圧勝した際に勝負をかけた場所でおなじみ。

 

そして、ゴールまで残り5kmを前に迎えるCôte de Saint-Nicolas。

一発のパンチ力を備える選手はここで確実に勝負に出るはず。

また、ゴールスプリントに賭ける選手にとっては我慢の上りに。

 

ゴール前は若干の上りレイアウト。

しかし、スプリント力のある選手にとっては全く問題ないレベル。

残り500mで左に折れると、ゴールまでは直線。

少人数でのゴールスプリントになれば、この直線で劇的なクライマックスとなることでしょう。

 

過去のレースを見ても、小集団スプリント、独走ゴール、いずれのパターンもあり得るのがこのレースの特徴。

果たして今年はどのようなレース展開になるでしょうか。

 

【注目選手】

押さえておきたい選手を独断でピックアップ。

暫定スタートリストは公式サイト、またはCycling Feverから。

 

リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル・ラモンディール)

エンリコ・ガスパロット(イタリア、アスタナ)

ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、アスタナ)

ローマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ)

フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム) ←ディフェンディングチャンピオン

フレフ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム)

ティジェイ・ファンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)

ピエリック・フェドリゴ(フランス、FDJ・ビッグマット)

サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)

イゴール・アントン(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)

ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・バラクーダ)

クリストフ・ルメヴェル(フランス、ガーミン・バラクーダ)

ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・バラクーダ)

ファビアン・ウェーグマン(ドイツ、ガーミン・バラクーダ)

ミハエル・アルバジーニ(スイス、グリーンエッジ)

別府史之(日本、グリーンエッジ)

サイモン・ジェランス(オーストラリア、グリーンエッジ)

オスカル・フレイレ(スペイン、カチューシャ)

ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)

ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・ISD)

ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD)

ディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・ISD)

バルト・デワーレ(ベルギー、ランドバウクレジット・ユーフォニー)

ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)

ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル)

イェーレ・ファネンデルト(ベルギー、ロット・ベリソル)

アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) ←2006,2008年チャンピオン

ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター)

シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)

ドリス・デヴェナインス(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)

ロベルト・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)

スティーブン・クルイシュウィック(オランダ、ラボバンク)

バウク・モレッマ(オランダ、ラボバンク)

ルイス・レオン・サンチェス(スペイン、ラボバンク)

ベン・ヘルマンス(ベルギー、レディオシャック・ニッサン)

クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・ニッサン)

アンディ・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン) ←2009年チャンピオン

フランク・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン)

ジェローム・コッペル(フランス、ソール・ソジャサン)

ブリース・フェイユ(フランス、ソール・ソジャサン)

ジュリアン・シモン(フランス、ソール・ソジャサン)

セルジオ・エナオ(コロンビア、SKY)

トーマス・ロヴクイスト(スウェーデン、SKY)

ラース・ペーター・ノルドハウグ(ノルウェー、SKY)

土井雪広(日本、アルゴス・シマノ)

アレクサンドル・ジェニエ(フランス、アルゴス・シマノ)

ピエール・ローラン(フランス、ユーロップカー)

トマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)

カールステン・クローン(オランダ、サクソバンク)

ニキ・セレンセン(デンマーク、サクソバンク)

フリアン・エルファレ(フランス、チームタイプ1・サノフィ)

ピーター・セリー(ベルギー、トップスポルトフラーンデレン・メルカトール)

ジョニー・フーガーランド(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)

ワウテル・プールス(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)

リューウェ・ウェストラ(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)

 

シーズン前半のターゲットをこのレースに絞っている選手も多く、各チームともエースクラスをしっかりと揃えてきた印象。

同時に、先のアルデンヌ2戦を終えて、ある程度好調な選手と調子の上がりきっていない選手との区別ができるようになってきました。

 

尻上がりに調子を上げてきているジルベールの2連覇なるか。

レース内容的にも勝負に絡むところまではきており、あとはお家芸である“黄金のタレ”が無ければ…といったところか。

昨年と比較して身体を絞りきれていない感じもありますが、元々持ち合わせるポテンシャルで十分に勝負できるでしょう。

このレースは急坂でのスプリントではない分、アルデンヌ3戦の中で最もジルベール向きのコース。

アシストの駒に不安があることは否めませんが、ファンアーヴェルマートらがライバルチームのアタックを上手くチェックしながら、ジルベールを最終局面へ送り込みたい。

ゴールスプリントになればジルベールの勝ちパターンか。

 

レース全体を掌握するであろうチームとして挙げられるのは、カチューシャとロット。

カチューシャはもちろんロドリゲスで連勝を狙います。

早めに仕掛けて逃げ切る展開は考えにくく、勝負をかけるとすれば最後の上り区間であるCôte de Saint-Nicolasか。

ここで数人に絞り、スプリントに持ち込む公算が高そう。

しかし、この時にジルベールを引き連れてしまうと分が悪くなるだけに、レース中盤以降のチームの動きでジルベールらライバルを消耗させたい。

 

ロットはアムステル2位で一躍スターダムにのし上がったファネンデルトがエース。

フレーシュでも集団をコントロールし、チーム力の高さも証明。

発射台兼セカンドリーダーとしてファンデンブロックがおり、終盤の登坂区間で勝負をしたいところ。

急坂でのスピードアップやスピード持久力の高さをウリにするファネンデルトにとっては、このレースでもチャンスは大。

アムステルで見せたスプリント力も展開次第で武器になることでしょう。

 

チーム力で続くのは好調アスタナ。

アムステル優勝のガスパロット、フレーシュ5位のキセロフスキーが今回も中心に。

展開によってはクロイツィゲルにも勝負の機会が巡ってきそう。

恐らくレースコントロールをする動きは見せず、後半にアシスト陣がアタックしてかき回しながら、エース格3選手の負担を軽くする作戦。

 

アルバジーニ、ジェランスの2枚看板擁するグリーンエッジ。

特にフレーシュでのアルバジーニの走りはチームにとって大きな希望を与えるものだったはず。

アムステルではアルバジーニ→ジェランスのラインが若干機能しなかった感がありましたが、今回はどう臨むか。

ジェランスがこのレースに合わせていればエースを務めるでしょうが、そうでなければ好調アルバジーニに託す可能性も。

2人ともにスプリント勝負ができるだけに、最後まで粘ってゴール前で爆発といきたい。

 

フレーシュを回避し、ジロ・デル・トレンティーノで調整に充てたクネゴ。

2006年の3位が最高位で、なかなか勝負に絡めないのがここ数年の傾向。

しかし、好調さは維持しておりトレンティーノでもステージ優勝。

また、かつての勝負強さを取り戻しているだけに、ライバルの動きを読めれば勝機あり。

 

兄弟で勝ち取ったとも言える2009年以来の優勝を狙うシュレク兄弟。

ここまで勝負できずにいるアンディは果たしてここをピークに持ってきているか。

現状ではフランクがエースを務めることになりそうですが、そのフランクも先のアルデンヌ2戦では不発。

好調さを維持するライバルに対して太刀打ちできるかがポイント。

仮に調子を上げてきた場合でも、スプリントまで持ち込むのは完全な負けパターン。

先手を打って逃げ勝ちたい。

 

その他、アムステルで好走したヴォクレールやフレーシュで6位のマーティン、アムステルとフレーシュいずれも高いレベルで安定した成績のモレッマらも有力。

調子の上がらないバルベルデは、相性の良いこのレースで活躍できるか。

フレーシュを回避したサムエル・サンチェスも好調のまま臨んでくるはず。

 

フレーシュに続き出場の別府選手と土井選手にも期待。

別府選手は優勝を狙うチームのアシストとして目立つ働きを見せられるか。

ジロを控え、調整具合も1つ注目ポイント。

土井選手は、比較的フリーで動けるチームとして今後につながるアピールができるか。

逃げに乗ることも考えられるでしょう。

 

【優勝予想】

フィリップ・ジルベール

 

リエージュ~バストーニュ~リエージュオフィシャルサイト

http://www.letour.fr/indexLBL_fr.html

 

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【予告】

春のクラシック最終戦ということで、優勝予想アンケートを実施予定。

4月20日(金)中にはアップしたいと思っております。

ぜひ今回もみなさまのご協力、よろしくお願いします。

 

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