大本命への徹底マークに加え有力選手の牽制により、長年アシストとして走ってきた選手が逃げ切り優勝を果たした昨年のパリ~ルーベ。

今年は絶対的本命の1人が怪我により欠場。

そんな中、「クラシックの女王」「北の地獄」とも形容されるレースを今年制するのは誰か。

コースや出場選手をチェックしながら展望したいと思います。

 

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パリ~ルーベ(Compiegne~Roubaix、257.5km)-4月8日

【過去5年の優勝者】

2011年 ヨハン・ファンスーメレン

2010年 ファビアン・カンチェラーラ

2009年 トム・ボーネン

2008年 トム・ボーネン

2007年 スチュアート・オグレディ

 

【コース分析】

 

●通過するパヴェ区間(セクションナンバー、スタートからの距離、名称、長さ、難易度)

27 97.5km Troisvilles à Inchy 2.2km ★★★

26 104km Viesly à Quiévy 1.8km ★★★

25 106.5km Quiévy à Saint-Python 3.7km ★★★★

24 111.5km Saint-Python 1.5km ★★

23 119.5km Vertain à Saint-Martin-sur-Écaillon 2.3km ★★★

22 126km Capelle-sur-Écaillon à Ruesnes 1.7km ★★★

21 142km Aulnoy-lez-Valenciennes-Famars 2.6km ★★★★★

20 145.5km Famars à Quérénaing 1.2km ★★

19 149km Quérénaing à Maing 2.5km ★★★

18 152km Maing à Monchaux-sur-Écaillon 1.6km ★★★

17 163.5km Haveluy à Wallers 2.5km ★★★★

16 172km Trouée d’Arenberg 2.4km ★★★★★

15 178.5km Millonfosse à Bousignies 1.4km ★★★

14a 183km Brillon à Tilloy-lez-Marchiennes 1.1km ★★

14b 185.5km Tilloy à Sars-et-Rosières 2.4km ★★★

13 192km Beuvry-la-Forêt à Orchies 1.4km ★★★

12 197km Orchies 1.7km ★★★

11 203km Auchy-lez-Orchies à Bersée 2.6km ★★★

10 208.5km Mons-en-Pévèle 3.0km ★★★★★

9 215km Mérignies à Avelin 0.7km ★★★

8 218km Pont-Thibaut à Ennevelin 1.4km ★★★

7a 223.5km Templeuve-L’Épinette 0.2km ★

7b 224km Templeuve-Moulin de Vertain 0.5km ★★

6a 230.5km Cysoing à Bourghelles 1.3km ★★★★

6b 233km Bourghelles à Wannehain 1.1km ★★★★

5 237.5km Camphin-en-Pévèle 1.8km ★★★★

4 240.5km Carrefour de l’Arbre 2.1km ★★★★★

3 242.5km Gruson 1.1km ★★

2 249.5km Willems à Hem 1.4km ★

1 256.6km Roubaix 0.3km ★

パヴェ通過距離計 51.5km

 

通過するパヴェ区間は昨年と同じ。

セクションは27。

最初の約100kmは静かに始まりますが、そこからはたびたび訪れる激しい石畳を越えていくことになります。

本当に強い者だけしかルーベのヴェロドロームにたどり着くことができません。

 

始めの難関はゴールまで残り85kmで迎えるセクション16・Trouée d’Arenberg(アーレンベルグ)。

2.4kmにわたる荒れた路面で落車やパンク、メカトラが多発。

この区間を前に激しい位置取りがあり、通過する頃にはメイン集団の人数が激減していることでしょう。

以降、パヴェを迎えるたびに各選手ポジション争いや様子見のアタックなど、動きが激しくなります。

 

後半の難所は、セクション6aから4までの4区間。

特にセクション4・Carrefour de l’Arbre(カルフール・ド・ラルブル)は最後の砦。

通過するとゴールまで残り約15km。

ここでのアタックや集団の分断で生き残った選手による優勝争いの可能性が高いと言えそうです。

ちなみに、昨年優勝のファンスーメレンはこのセクションで他選手を振り切り、ゴールまで逃げ切っています。

また、後方で争っていたカンチェラーラ、フスホフトら有力選手たちもここで揺さぶりをかけたうえで、追撃態勢を強めました。

 

計51.5kmにも上るパヴェ区間をクリアし、“クラシックの女王”となるのは誰か。

当日は雨と予報されており、まさに“北の地獄”にふさわしいレースとなりそう。

ゴールとなるルーベのヴェロドロームまで目が離せない展開に期待です。

 

【注目選手】

押さえておきたい選手を独断でピックアップ。

暫定スタートリストは公式サイト、またはCycling Feverから。

 

ロイド・モンドリー(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディール)

マキシム・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ)

アレッサンドロ・バラン(イタリア、BMCレーシングチーム)

ジョージ・ヒンカピー(アメリカ、BMCレーシングチーム)

トル・フスホフト(ノルウェー、BMCレーシングチーム)

スティーブ・シェネル(フランス、FDJ・ビッグマット)

フレデリック・ゲドン(フランス、FDJ・ビッグマット) ←1997年チャンピオン

オスカル・ガット(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・セッレイタリア)

ケヴィン・フルスマンス(ベルギー、ファルネーゼヴィーニ・セッレイタリア)

フィリッポ・ポッツァート(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・セッレイタリア)

マシュー・ゴス(オーストラリア、グリーンエッジ)

スチュアート・オグレディ(オーストラリア、グリーンエッジ) ←2007年チャンピオン

ルカ・パオリーニ(イタリア、カチューシャ)

ダニエル・オス(イタリア、リクイガス・キャノンデール)

アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)

トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) ←2005,2008,2009年チャンピオン

シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)

ニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ)

ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク)

マッティ・ブレシェル(デンマーク、ラボバンク)

マールテン・チャリンギ(オランダ、ラボバンク)

ダニエレ・ベンナーティ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)

グレゴリー・ラスト(スイス、レディオシャック・ニッサン)

エドヴァルド・ボアッソン・ハーゲン(ノルウェー、SKY)

フアン・アントニオ・フレチャ(スペイン、SKY)

ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、アルゴス・シマノ)

セバスチャン・テュルゴー(フランス、ユーロップカー)

アレクサンドル・ピショ(フランス、ユーロップカー)

ステイン・デヴォルデル(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)

ビョルン・ルークマンス(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)

ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・バラクーダ)

マルティン・マースカント(オランダ、ガーミン・バラクーダ)

セプ・ファンマルケ(ベルギー、ガーミン・バラクーダ)

ヨハン・ファンスーメレン(ベルギー、ガーミン・バラクーダ) ←ディフェンディングチャンピオン

 

2年ぶりの優勝を狙ったカンチェラーラが、先のロンド・ファン・フラーンデレンで落車骨折により欠場。

レースはそのロンドで優勝争いを演じた、ボーネン、ポッツァート、バランの3人が中心に展開することとなるでしょう。

 

E3ハレルベケ、ヘント~ウェヴェルヘム、ロンド・ファン・フラーンデレンと勝利し、ここで“北のクラシック”全勝がかかるボーネン。

同時にこの大会4回目の優勝を狙います。

ここまで勝ってきたレースは、いずれも異なる展開をものにしてきました。

自らレースを動かしたE3、アシストの活躍に支えられたG-W、他選手の動きを見ながら3人のスプリントに持ち込んだロンド。

どのような展開にも対応でき、落車やメカトラなどのトラブルが無い限りなかなか弱点を見いだせない現在の強さ。

今回もパヴェが始まればアシストが上手く集団をコントロールまたは分断し、難易度の高いパヴェでは自ら先頭をキープしてクリアしていくでしょう。

ある程度人数が減るとシャバネルやテルプストラが動いて、ライバルの消耗を誘発。

勝負どころとなるタイミングまでボーネン自身は待つだけで大丈夫でしょう。

間違っても自らが早々から揺さぶりを図るアタックは禁物。

 

ポッツァートはロンドで見せたような強烈なアタックをレース後半に繰り出せるか。

力のある選手を引き連れたとしても、ボーネンだけは振り切って最終盤を迎えたいところ。

やはり誰かの動きに乗るのではなく、自らが仕掛けてレースを動かすことが重要でしょう。

 

バランも同様にスプリント力のある選手を振り切ってゴールを目指したい。

ブルグハート、ヒンカピー、フスホフトらをアシストに揃え、彼らを動かしながらじっくりとアタックのタイミングを待つ形。

できる限り後手に回る展開は不利になるため避けたいところ。

 

ディフェンディングチャンピオンのファンスーメレンは“定位置”のアシストが有力。

代わりに目下売り出し中のファンマルケがガーミンのエースを務めることは確実。

オムループ・ヘット・ニュースブラッドの優勝がフロックでなかったことを、ここまでのレースでしっかりと示してきました。

いずれのレースもパヴェ区間でアタックを見せ、内容的にも充実の走り。

あとは上手く他選手を振り落すタイミングさえつかめれば、といったところか。

スプリント力もある分、少人数に絞ってゴール前を迎えられればおもしろい存在になるはず。

 

ここまで上手くレースを運べずにいるSKYも戦力だけなら高い充実度を誇ります。

怪我から復帰のフレチャにとっては、このレースでの勝利をいよいよ欲しいところ。

終盤でのアタックに勝機を見出したい。

また、スプリント、独走ともに得意とするボアッソン・ハーゲンにもチャンスあり。

他選手のトラブルに巻き込まれるケースが多く、常に好位置をキープしてレースを走れるかがポイントに。

 

今年はクラシックでの活躍が著しいデゲンコルブや完全復活を果たしたブレシェル、シクロクロスでの経験が徐々に実を結びつつあるシェネルらの走りにも期待。

このレースをもって引退となるかつての王者・ゲドンが、花道となるレースを好成績で飾ることができるかにも注目です。

 

【優勝予想】

トム・ボーネン

 

パリ~ルーベオフィシャルサイト http://www.letour.fr/indexPRX_us.html

 

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【予告】

またも懲りずに、優勝予想アンケートを実施しようと準備を進めております(笑)。

早ければ4月5日(木)の夜、遅くとも4月6日中にはアップしたいと考えております。

ぜひ今回もみなさまのご協力、よろしくお願いします。

 

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