今年のフランダースクラシックの頂点を決める「クラシックの王様」、ロンド・ファン・フラーンデレン。

コース変更に伴い、これまでとは異なったレース展開となりました。

大波乱もあった今年のレースをReview。

 

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ロンド・ファン・フラーンデレン/ツール・デ・フランドル(Brugge~Oudenaarde、256.9km)-4月1日

 

【結果】

1.トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) 6:04:20

2.フィリッポ・ポッツァート(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・セッレイタリア) s.t.

3.アレッサンドロ・バラン(イタリア、BMCレーシングチーム) +01″

4.フレフ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム) +38″

5.ペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) +38″

6.ニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ) +38″

7.ルカ・パオリーニ(イタリア、カチューシャ) +38″

8.トマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー) +38″

9.マッティ・ブレシェル(デンマーク、ラボバンク) +38″

10.シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ) +38″

 

15名の逃げを6分程度先行させた状態で、メイン集団はΩクイックを中心に統率。

勝負どころと目されていたオウデ・クワレモントとパテルベルグ、1回目は各選手静かに通過していきます。

 

その直後、大きなトラブルが続発。

補給地点で優勝候補2強の一角、カンチェラーラが路面に開いた穴にタイヤを取られまさかの落車リタイア。

サージェント、イリサールのアシスト陣が迅速に対応するも、後に鎖骨を3箇所骨折していることが判明する怪我でレース続行不可能。

この直前には後方からチームメイトに斜られメカトラを起こしており、全くもって運の無い1日となってしまいました。

また、グリーンエッジのエース・ランゲフェルドも観客と衝突し落車。

こちらも鎖骨骨折によりリタイアとなっています。

 

このトラブルに乗じてか、集団がペースアップ。

残り50kmを切って逃げを吸収。

2回目のオウデ・クワレモントでシャバネルのアタックをきっかけに、集団の人数が30名程度に。

直後のパテルベルグでは、ファンスーメレンやデゲンコルブらの落車でさらに集団が分断。

一時集団は11名に絞られますが、ボアッソン・ハーゲンでの勝負を狙うSKYの猛追で集団が1つに戻ります。

 

その間、テルプストラとジェロームが2人で先行。

いよいよレースは勝負となる3回目のオウデ・クワレモント、パテルベルグへと向かいます。

 

オウデ・クワレモントでまず動いたのはバラン。

ジルベール、フスホフトのチームメイトが不調で、さらにはファンアーヴェルマートの動きがあまり良くなかったこともあり、バラン自ら勝負。

これが決定的な動きとなり、対応できたのはポッツァートとボーネン。

特にポッツァートのキレた脚は他の追随を許さず、先頭でパテルベルグもクリア。

 

レースは最終局面へ。

3人が協力し逃げ切りが濃厚となると、いよいよ牽制状態。

スプリントではるかに劣るバランが残り2kmからたびたびアタックを繰り出します。

しかしすべてボーネンが潰す格好。

一方のポッツァートはバランとの“イタリア同盟”により、ボーネンの動きだけに対応する形。

 

そしてスプリント。

2人を千切ることができなかったバランが先に仕掛けますが、それを上手く利用したボーネンが抜群の勢いで飛び出す。

後方から捲りを狙ったポッツァートは最後まで届かず。

スプリントに分があるボーネンがミスなく先頭で優勝のゴール。

これでこの大会3回目、今年の“北のクラシック”3連勝(E3ハレルベケ、ヘント~ウェヴェルヘム、ロンド・ファン・フラーンデレン)を飾りました。

強さを見せたポッツァートは惜しくも2位。

しかし満足と充実から笑顔のゴール。

また、スプリントには敗れたものの、らしさを見せたバランが3位に入っています。

 

4位争いは一団でゴール。

前を行くバランのために集団を抑えたファンアーヴェルマートが先頭。

一時は単独で前の3人を追ったサガンは5位に終わっています。

 

カンチェラーラ落車のシーン

 

ランゲフェルド落車のシーン

 

【優勝予想アンケート結果】

3/29~4/1に実施した優勝予想アンケートの結果(得票数27、小数点以下四捨五入)

 

トム・ボーネン 41%

ファビアン・カンチェラーラ 33%

ペテル・サガン 4%

シルヴァン・シャヴァネル 4%

フィリップ・ジルベール 4%

フレフ・ファンアーヴェルマート 4%

セプ・ファンマルケ 4%

ジョン・デゲンコルブ 4%

Other 4%

 

ご協力いただいたみなさま、ありがとうございました。

次回は「パリ~ルーベ」での実施を予定しております。

 

【戦評】

絶好調というにはありきたりな、かつての強さが戻ってきたと言えるボーネンの充実度。

以前ほどのスプリント力は無いとしても、30歳を過ぎ円熟味を増した老獪な走りで勝利をものにできるようになりました。

去年までの不運や不調が本当に嘘のようなクレバーな走りでこの日も勝利を掴みました。

 

Ωクイックアシスト陣の働きはもとより、ボーネン自身が確実に勝つために最後の最後まで我慢をしたことが大きいでしょう。

ここ数年は早い段階で迎える石畳や急坂でアタックする姿がよく見られましたが、強さを見せる一方で却ってそれが墓穴を掘る一因ともなっていました。

それにはアシストの脆さがあったからと考えられるのですが、今年はしっかりと相手を見ながら、もちろん自ら仕掛けることもあれば今回ポッツァートの動きに乗じたように、上手く相手を利用しながら最後の勝負に賭ける走りもできていると言えます。

3人で最終局面というケースは過去に数回ミスをしたパターンでもあるのですが、慎重かつ冷静にスプリントをして確実に勝利を収めました。

これらをひっくるめて、勝負勘がこれまで以上に研ぎ澄まされていると見て良いでしょう。

そして、好調のテルプストラが6位、途中レースを動かしたシャヴァネルが10位と、チーム力の高さもボーネンを支えます。

 

2位のポッツァートは、このレースで一番強かった選手かもしれません。

オウデ・クワレモントから見せた他選手を置き去りにするアタックや、パテルベルグで一瞬ボーネンが遅れかけるほどの安定した上りの走りは見事でした。

同胞のバランを上手く使いながら、最後のスプリントにかけたもののパテルベルグでのボーネンを見て若干の油断が出たか。

スプリントのタイミングが若干遅かったうえに、最後は自分が思っていた以上に脚が無かったのかもしれません。

しかし完全復活は間違いないでしょう。

今年はプロコンチームでの活動で都落ち感は否めないですが、逆にそれがポッツァート中心のチームづくりによって上手く機能している印象。

ガット、フルスマンスといった経験豊富なアシストに支えられている点も見落とせません。

 

バランは完全にBMCのエースとしての働きを全うしています。

ジルベール、フスホフトの調子が上がらない現状で、ファンアーヴェルマートとの共闘で好結果を残してきました。

今回のようにスプリントになると厳しいですが、勝負どころでのアタックは過去にアルカンシェルを獲ったほど強力なものを持っています。

あとは勝つためにいかに独走に持ち込めるかがキーとなるでしょう。

 

ボーネン、ポッツァート、バランの3人が来るパリ~ルーベでの中心選手となりそうです。

どんな展開にも対応し絶対的なスプリントを持つボーネン、少人数での勝負に持ち込みたいポッツァート、一瞬のアタックのキレで勝負するバラン。

これらに他の有力選手がどう立ち向かうかが興味深いところです。

 

不運に泣いたのはカンチェラーラ。

怪我によってしばらく戦線離脱を余儀なくされてしまいました。

しかしレースに落車や怪我はつきもの。

特に“北のクラシック”では誰にでも考えられる事態だけに、今回は本当に運が無かったとしか言いようがありません。

この雪辱を復帰後にぜひとも晴らしてほしいものです。

ちなみに、1ヶ月半ほどでの復帰を目指しているとのこと。

恐らく、ツール前哨戦となるレースの時期には元気な姿が見られることでしょう。

 

ロンド・ファン・フラーンデレンオフィシャルサイト http://www.rvv.be/

 

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