ベルギーはフランドル地方で開催される“北のクラシック”が本格スタート。

今回ReviewするE3プライス・フラーンデレン・ハレルベケは、今年からワールドツアーに昇格。

これまではHCクラスとはいえ、ロンド・ファン・フラーンデレンやパリ~ルーベの前哨戦として例年激しいレースが繰り広げられてきました。

そして、今年もワールドツアー昇格にふさわしい好レースとなりました。

 

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E3プライス・フラーンデレン・ハレルベケ(Harelbeke~Harelbeke、203km)-3月23日

 

【結果】

1.トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) 4:51:59

2.オスカル・フレイレ(スペイン、カチューシャ) s.t.

3.ベルンハルト・アイゼル(オーストリア、SKY) s.t.

4.レオナルド・ドゥケ(コロンビア、コフィディス) s.t.

5.セプ・ファンマルケ(ベルギー、ガーミン・バラクーダ) s.t.

6.ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、プロジェクト1t4i) s.t.

7.マチュー・ラダニュー(フランス、FDJ・ビッグマット) s.t.

8.アレクサンドル・ピショ(フランス、ユーロップカー) s.t.

9.アレッサンドロ・バラン(イタリア、BMCレーシングチーム) s.t.

10.セバスチャン・テュルゴー(フランス、ユーロップカー) s.t.

 

ロンド・ファン・フラーンデレンにも近いと言われるスピード・テクニック・パワーの3拍子が必要となる難コース。

特に、中盤からは急坂や石畳を前にするたび激しい位置取り合戦で、メカトラやパンク、落車が多発。

日本人として唯一出場の新城選手も、複数人が骨折や病院搬送されるほどの大落車に巻き込まれるアクシデント。

最終的にリタイアに追い込まれる結果に。

 

レースが動いたのはゴールまで残り50kmで迎えたTaaienberg。

ボーネンのアタックにファンマルケが乗じ、その後集団は50人ほどに。

 

逃げグループとの差を縮めつつ、レースは残り約30kmのKwaremontへ。

満を持してアタックを繰り出したのはカンチェラーラ。

しかし、直後にメカトラ。

ボーネン、ポッツァート、ファンマルケなどが中心となる集団から遅れを取るだけでなく、バイクチェック中に後方から来たバレドが追突。

何とか集団に追いついたものの、この日はレース前半にも落車しており再度のダメージ。

 

残り25kmを前に、シャバネル、ムラビエフ、スピラックがアタックし、逃げグループから飛び出していたガットを吸収。

後にガットとスピラックが脱落し、シャバネルとムラビエフがしばらく逃げ続ける格好に。

 

2人を追う50人ほどのメイン集団は、アタックが時折起こるも決まらず。

前の2人を残り7kmで吸収し、結局レースはゴールスプリントへ。

 

Ωクイックやカチューシャ、サクソバンクが牽引する集団から抜群のスピードで抜け出したのはボーネン。

フレイレやドゥケらの猛烈な追い込みは届かず。

終始レースをコントロールし、ゴールスプリントでの勢いも衰えなかったボーネンが5年ぶり、大会通算5度目の優勝を果たしました。

 

レース中盤での落車により新城選手のほか、ミラーが鎖骨骨折など怪我人が続出。

また、注目されたジルベールも不調により早々にリタイアしています。

 

【戦評】

大会5度目の優勝を飾り、まさに“E3マイスター”とも言えるボーネンの走り。

このレース終了時点で今シーズン6勝目、シーズン最多勝タイに並びました。

 

やはりE3というレースを知り尽くしていたことに尽きるでしょう。

揺さぶりをかけるべくアタックするポイント、アシストに集団をコントロールさせるポイントなどを事細かに把握していた点で、勝利をグッと引き寄せたと言えそう。

またゴールスプリントでも、ゴール前が緩やかな右カーブになっていることから、先に仕掛けて自分のラインを上手く取った点が数ある勝因の中でも特に大きいと思われます。

スプリント開始まではフレイレに対し若干不利な位置取りだったものの、先にスプリントかけて最短距離を行くことでフレイレのラインを消す、これぞまさに“E3マイスター”ならではの走り。

コンディション・経験・勝負勘すべてが冴えわたった勝利。

 

フレイレは、この大会スペイン人選手初の優勝を惜しいところで逃しました。

しかし、石畳や急坂を難なくクリアし、アシストのパオリーニなどともに最後の最後まで勝負に絡んだ点はやはりさすが。

特にこうした人数が減った状況でのスプリントに強さを見せるだけに、今回の2位もフレイレらしい走りをした見事な結果。

ボーネンとの差はほんのわずか、ベルギーレースでの“経験”と“勘”か。

 

リザルトに現れない形で、有力選手たちの好走も光ったレースでした。

残り15kmでアタックを繰り出したポッツァートは怪我からの完全復活をアピール。

一時追走集団が形成された時には、ファンマルケのアタックにもしっかりと反応。

これまでは他選手への徹底したマークばかりがクローズアップされていましたが、今年は自ら勝負してビッグな勝利をつかみたい。

 

5位のファンマルケもいまやガーミンの石畳系エースと上り詰めたと言っても良いでしょう。

常に前へと自ら勝負に行く姿勢は高い評価を集めそう。

特に石畳区間で見せる急激なペースアップは、対応できる選手がそう多くないだけに、この後のビッグクラシックでも武器となる場面が出てくるはず。

ロンド・ファン・フラーンデレンやパリ~ルーベでは優勝候補の1人として挙げたいところです。

 

その他、終盤のアタックで健在を示したかつての王者・デヴォルデルや、11位に入ったブレシェルの復調もベルギーレースを盛り上げるには嬉しい材料。

若いデゲンコルブやラダニューの入賞、またユーロップカーからトップ10に2選手送り込んだ点も評価に値するでしょう。

 

一方、度重なるトラブルや落車で勝負に絡むことができずに終わったカンチェラーラ。

クラシック本番に向けてコンディションが戻すことができるかも興味深いところです。

 

E3プライス・フラーンデレン・ハレルベケオフィシャルサイト http://www.e3prijsvlaanderen.be/

 

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