春のビッグクラシック第1弾・ミラノ~サンレモ。

毎年他のレースにはない盛り上がりを見せる大会ではありますが、今年は特にここ数年とは異なる展開となり、高揚感と緊張感がMAXまで高まる好レースとなりました。

 

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ミラノ~サンレモ(298km)-3月17日

 

【結果】

1.サイモン・ジェランス(オーストラリア、グリーンエッジ) 6:59:24

2.ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン) s.t.

3.ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) s.t.

4.ペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) +2″

5.ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、プロジェクト1t4i) +2″

6.フィリッポ・ポッツァート(イタリア、ファルネーゼ・ヴィーニ) +2″

7.オスカル・フレイレ(スペイン、カチューシャ) +2″

8.アレッサンドロ・バラン(イタリア、BMCレーシングチーム) +2″

9.ダニエル・オス(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +2″

10.ダニエレ・ベンナーティ(イタリア、レディオシャック・ニッサン) +2″

 

逃げを最大14分行かせ、そのまま静かに走り続けたプロトンに異変が起こったのは、ゴールまで94km手前のレ・マニエの上り。

優勝候補最右翼とも言われたカヴェンディッシュがまさかの脱落。

この失速にSKYはアシストを5人下ろし、必死の追撃を図ります。

また同時に、ファラーなどの有力スプリンターも遅れはじめ、SKYが牽く集団に位置。

 

カヴェンディッシュらの遅れに伴い、BMCやΩクイックといった強力エースを擁するチームがメイン集団を牽引。

結局、追走集団の選手たちがメイン集団への復帰は叶わず。

 

メイン集団は残り60kmほどで逃げを吸収。

BMCやΩクイックがコントロールを続けながら1つ目の勝負どころ・チプレッサヘ。

 

チプレッサではヴィラやフーガーランド、コスタらがアタックしレースを動かそうと試みるも、いずれも失敗に。

一方で、優位な展開と見られたBMCはエース・ジルベールがまさかの落車。

ここで足止めを食った選手たちは優勝戦線から脱落することに。

 

最後の勝負どころ・ポッジオでは、これまでおとなしかったラボバンクがコントロール開始。

エーススプリンター・レンショーで勝ちを狙います。

各チーム・選手がお見合いしながら頂上まであと1kmの地点で、満を持してアタックを繰り出したのはニバリ。

そのニバリの動きを完全にチェックしていたジェランスが反応。

少し遅れてカンチェラーラが合流。

その後、ボームやボーネンが追うも追撃及ばず、3人が数秒のリードで下りへ。

 

下りを得意とする3人の中でも、ひときわ際立つカンチェラーラの攻撃的な走り。

ジェランス、ニバリを従えて残り3kmの平坦区間に突入。

 

カンチェラーラの先頭交代要求に応えるもスピードが合わないジェランス、追走集団にサガン、オスのチームメート2人が控えるニバリを相手に、ほぼ1人で集団を牽くカンチェラーラ。

追走集団も猛然と追い込みをかけますが、前を行く3人のスピードを止めることはできず。

最後は3人のスプリントとなり、残り100mまで我慢したジェランスがカンチェラーラをパスしそのまま歓喜のゴール。

タイヤ半分の差でカンチェラーラが2位、スプリントでは2人には歯が立たないニバリは惜しくも3位。

 

選手を複数残したファルネーゼやカチューシャを中心に必死に追走した集団は、サガンが先頭でゴール。

優勝候補の一角と見られたボーネンは、ポッジオの下りで他選手の落車の影響を受け、最終的に22位でレースを終えています。

 

【優勝予想アンケート結果】

3/15~17に実施した優勝予想アンケートの結果(得票数30、小数点以下四捨五入)

 

ファビアン・カンチェラーラ 27%

トム・ボーネン 23%

ペテル・サガン 13%

マーク・カヴェンディッシュ 10%

アンドレ・グライペル 10%

エドヴァルド・ボアッソン・ハーゲン 3%

ダニエレ・ベンナーティ 3%

アレッサンドロ・ペタッキ 3%

Other 7%

 

ご協力いただいたみなさま、ありがとうございました。

次回は「ヘント~ウェヴェルヘム」でやりたいなぁ・・・と思っております・・・。

 

【戦評】

スプリンターに有利と言われ、レース展開や最終局面まで残った人数にかかわらず、ここ数年はスプリンターが勝利を挙げてきました。

それを覆す今回のレース。

やはりジェランス、カンチェラーラ、ニバリの走りは賞賛に値するものと言えるでしょう。

 

まずは、昨年に続きオーストラリアに勝利をもたらしたジェランス。

今年はオーストラリア選手権、ツアー・ダウンアンダーと勝利を収め、満を持して望んだビッグクラシックで見事な走り。

パリ~ニースでの落車の影響をものともせず、勝負勘が光りました。

ポッジオでニバリの動きを完全にチェックし、アタックのタイミングに寸分たがわず反応。

カンチェラーラの合流後も、下りのスピードに必死で食らい付き、スピードが合わなかったとはいえ先頭交代に応じるなど、“勝つためにすべきこと”を果たしての堂々たる勝利。

最後のスプリントも、オーストラリア選手権優勝時と似たような展開の、得意とするパターンに持ち込んだ点も勝因でしょう。

 

またしても2位に甘んじたカンチェラーラ。

この日一番強かったことは誰もが認めるところ。

カンチェラーラのスピードが無ければ、3人の逃げ切りはあり得なかったでしょう。

敗因を挙げるとすれば、ポッジオで自分から勝負にいけなかったことか。

誰よりも先にアタックしていれば、他の追随を許さず逃げ切れた可能性があっただけに、ニバリとジェランスの動きに乗じただけでは平地スピードにも定評ある2人を牽きちぎるのは難しかったでしょう。

 

紛れも無くレースを動かしたのはニバリ。

これまでもポッジオでのアタックや強力な集団牽引は見られたものの、今回のように決定的なアタックを見せたのは上りのパンチ力向上が要因と言えそう。

しかし、クライマーやステージレーサー相手に有効とはいえ、クラシックレーサーを振り落とすだけの決定力には乏しかったか。

ジェランスとカンチェラーラに反応された時点でサガンとオスを待つ動きに切り替えたものの、ゴールまでの間にもう1度自ら仕掛けてみてもおもしろかったかもしれません。

 

逃げ切った3人の後塵を拝した集団とはいえ、明るい材料もありました。

ゴール前でサガンに差されたとはいえ、前の3人に追いつくための賭けとしてスプリント早掛けにトライしたデゲンコルブ、鎖骨骨折からの復活をアピールしたポッツァートらの走りは印象的でした。

特にデゲンコルブを5位に送り込んだ1t4iは、12秒差の13位にゲスク、20秒差の19位にデコルトが入り、チーム力の高さをアピール。

また、ゴール前で大落車をしたとはいえ、ボーネンに代わり勝負を任されたトレンティンも今後期待の若手。

 

一方でBMC、SKY、ガーミンあたりは豊富な戦力を有しながら、アクシデントなどをきっかけに失敗レースに。

ジルベール脱落後もバラン、ファンアーヴェルマートらを残しながら、先手を打てなかったBMC。

カヴェンディッシュの絶不調で戦術がすべて崩れたSKY。

最高位がハウッスラーの68位に終わったガーミン。

いずれも絶対的エースを有するチーム、石畳系クラシックで雪辱を期します。

 

各チーム悲喜こもごも。

この思いを乗せ、戦いはベルギーでのクラシックに移ります。

 

最後に、大勝利を遂げたグリーンエッジの舞台裏を。

ジェランス優勝の瞬間のチームカー、チームバスのパニックぶりが半端ではありません(笑)。

 

ゴールし引き上げてくる選手たちの表情も印象的。

最後までエーススプリンター・ゴスをアシストしたランゲフェルドは、達成感と安心感からか涙をこらえているような表情。

ゴスは自身が勝負できなかった悔しさを表しながらも、チームの勝利に安堵。

ジェランスが勝利した展開を聞き、してやったりの表情を見せるオグレディ。

まさに、チーム一丸となってつかんだ勝利であることを証明している動画です。

 

ミラノ~サンレモオフィシャルサイト http://www.gazzetta.it/Speciali/MilanoSanremo/it/

 

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