絶対的優勝候補の不在や総合成績の行方を分ける長距離TTが設けられなかったことから、大混戦が予想された今回の“太陽のレース”。

大方の予想通り混戦となり、さらにはこの時期のレースならではの新鋭の登場もあり嬉しい大会にもなった今年のパリ~ニースをReview。

 

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第1ステージ(Dampierre-en-Yvelines~Saint-Rémy-lès-Chevreuse、9.4kmTT)-3月4日

 

【結果】

1.グスタフ・エリック・ラーション(スウェーデン、ヴァカンソレイユ・DCM) 11:19

2.ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、SKY) +01″

3.リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、オメガファーマ・クイックステップ) +04″

 

【総合】

1.グスタフ・エリック・ラーション(スウェーデン、ヴァカンソレイユ・DCM) 11:19

2.ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、SKY) +01″

3.リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、オメガファーマ・クイックステップ) +04″

 

●ポイント賞

グスタフ・エリック・ラーション(スウェーデン、ヴァカンソレイユ・DCM) 25pt

 

●山岳賞

トーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM) 4pt

 

●ヤングライダー賞

ティジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) 11:28

 

●チーム総合

オメガファーマ・クイックステップ 34:28

 

今年は9.4kmのTTで開幕。

本来顔見せ的要素も含まれる開幕TTですが、総合を狙う選手たちにとってはここでの出遅れは禁物。

 

後半グループがスタートする頃になって雨が本格的に降る悪コンディション。

それを予測しエースクラスやTTスペシャリストを前半グループに入れていたチームにとっては奏功する結果になります。

 

最終的に前半グループで走ったラーションが最速タイムをマーク。

これまでサクソバンクの主力として活躍しながら昨年は不遇の1年を送り、心機一転新チームへの移籍早々に嬉しい結果を残しました。

ヴァカンソレイユはデヘントが中間計時でトップタイムを叩き出し山岳賞をゲット。

2年連続で開幕ステージを飾りました。

 

総合優勝候補のウィギンスは雨の条件下で好走し2位。

ライプハイマー、若手のヴァンガーデレンと続き、後のステージに期待を持たせる走りをしました。

一方、注目のバルベルデはトップから30秒遅れの41位に終わっています。

 

また、我らが新城幸也選手は49秒遅れの100位で初日を終了しています。

 

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第2ステージ(Mantes-la-Jolie~Orléans、185.5km)-3月5日

 

【結果】

1.トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) 4:22:15

2.ホセ・ホアキン・ロハス(スペイン、モビスター) s.t.

3.ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、プロジェクト1t4i) s.t.

 

【総合】

1.ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、SKY) 4:33:32

2.リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、オメガファーマ・クイックステップ) +06″

3.トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) +07″

 

●ポイント賞

トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) 35pt

 

●山岳賞

トーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM) 6pt

 

●ヤングライダー賞

ティジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) 4:33:43

 

●チーム総合

オメガファーマ・クイックステップ 13:41:13

 

スプリンターにとって数少ないチャンスのステージ。

しかし、強い横風によってそのチャンスは多くの選手から逃げていく形に。

 

100km地点を前にΩクイックを中心に集団を分断。

有力スプリンターのほか、マイヨ・ジョーヌのラーションやディフェンディングチャンピオンのマルティンなども脱落。

 

最終的にメイン集団に残ったのは21人。

スプリンターを残すことができなかったガーミン勢がゴール前1kmを切って強烈なアタックをするも、人数を揃えたΩクイック勢から逃れることはできず。

最後はこの手の条件に抜群の強さを見せるボーネンが貫禄の勝利。

ウィギンス、ライプハイマー、ヴァンガーデレン、バルベルデなどは同集団でゴールし、彼らによる総合争いの様相が固まってきました。

ウィギンスはマイヨ・ジョーヌも獲得しています。

 

ラーションのほか、マルティンやフランク・シュレク、メンショフ、クネゴらが2分29秒遅れの集団でゴール。

新城選手もこの集団で第2ステージを終えています。

 

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第3ステージ(Vierzon~Le Lac de Vassivière、194km)-3月6日

 

【結果】

1.アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) 4:36:19

2.サイモン・ジェランス(オーストラリア、グリーンエッジ) s.t.

3.ジャンニ・メールスマン(ベルギー、ロット・ベリソル) s.t.

 

【総合】

1.ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、SKY) 9:09:51

2.リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、オメガファーマ・クイックステップ) +06″

3.ティジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) +11″

 

●ポイント賞

アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) 39pt

 

●山岳賞

トーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM) 6pt

 

●ヤングライダー賞

ティジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) 9:10:02

 

●チーム総合

オメガファーマ・クイックステップ 27:30:10

 

いよいよ総合争いが本格化し始めるステージが始まります。

 

SKYやΩクイックがコントロールする集団は、逃げを難なく吸収。

頂上ゴールとなる3級山岳に入るとモビスターがハイペースで集団を牽引。

結局決定的なアタックは生まれず、62人と大方の予想より大人数でゴールを目指します。

 

最後の局面は、アシストに放たれたバルベルデが満を持してスプリント。

しかし、この日のようなレイアウトに力を発揮するジェランスが後方から猛然と追い込み、ほぼ同時にゴール。

わずかの差でバルベルデが逃げ切りを果たしステージ優勝、ジェランスにとってはツアー・ダウンアンダーのリベンジとはいきませんでした。

 

ハイスピードで展開されたものの総合上位勢の脱落はなく、ウィギンスがマイヨ・ジョーヌをキープ。

新城選手もステージ26位と、健闘しています。

 

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第4ステージ(Brive-la-Gaillarde~Rodez、178km)-3月7日

 

【結果】

1.ジャンニ・メールスマン(ベルギー、ロット・ベリソル) 4:21:01

2.グレガ・ボレ(スロベニア、ランプレ・ISD) s.t.

3.リューウェ・ウェストラ(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) s.t.

 

【総合】

1.ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、SKY) 13:30:52

2.リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、オメガファーマ・クイックステップ) +06″

3.ティジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) +11″

 

●ポイント賞

アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) 52pt

 

●山岳賞

ルイス・アンヘル・マテ(スペイン、コフィディス) 18pt

 

●ヤングライダー賞

ティジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) 13:31:03

 

●チーム総合

オメガファーマ・クイックステップ 40:33:13

 

2級、3級、2級、3級、3級と細かなカテゴリー山岳が繰り返されるこのステージ。

最後の3級からゴールまでは緩斜面であることから、総合上位の変動と合わせて“上れるスプリンター”にチャンスが巡ってくる可能性もあります。

 

この日の逃げで山岳ポイントを荒稼ぎしたマテが山岳賞を獲得。

逃げはゴールまで20kmを残して吸収されます。

 

ラボバンク、ランプレが終始積極的に牽いた集団は、ゴールを前に60人に絞られます。

今大会の有力選手と言われながら第2ステージの集団分断の犠牲になったクレーデンがステージ優勝を目指しアタックするも、残り1kmを切って吸収。

 

最後はスプリント勝負に。

勢い良くゴールに突き進んだのはボレ。

そのままゴールするかと思われた瞬間に別ラインからまくったのは、今年地元チームへの移籍を果たしたメールスマン。

見事なタイミングで逆転し、ビッグレース初優勝を果たしました。

メールスマンはこれで、2月のアルガルベ一周に続く今季2勝目。

そのアルガルベでも似たような勝ち方をしており、得意の形に持ち込んだ格好となりました。

 

新城選手は最後の3級山岳で脱落、54秒遅れでのゴールとなっています。

 

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第5ステージ(Onet-le-Château~Mende、178.5km)-3月8日

 

【結果】

1.リューウェ・ウェストラ(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) 4:52:46

2.アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) +06″

3.ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、SKY) +06″

 

【総合】

1.ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、SKY) 18:23:40

2.リューウェ・ウェストラ(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) +06″

3.リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、オメガファーマ・クイックステップ) +10″

 

●ポイント賞

アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) 74pt

 

●山岳賞

フレデリック・フェウヘレン(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) 36pt

 

●ヤングライダー賞

ティジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) 18:24:19

 

●チーム総合

オメガファーマ・クイックステップ 55:14:37

 

いよいよ今大会のクイーンステージ。

すべては最後の1級山岳“ローラン・ジャラベール山”次第。

特に残り3kmは平均勾配10.1%と、登板力とパンチ力を兼ね備えた選手に勝利の女神が微笑みます。

 

そしてここで魅せたのが期待の新城選手。

スタート後2kmから逃げに乗り、その後170kmに渡ってレースの先頭を走り続けます。

メイン集団に対して築いたリードは最大で7分。

一緒に逃げたフェウへレンが山岳ポイントを獲り続け、山岳賞をマテから奪取。

新城選手は後方から追いついたラボバンクのテンダムと協力し、ゴール前残り3kmまで逃げ続ける粘りの走り。

最後はモビスターが牽く集団に吸収されるも、十分に評価に値する走りを見せてくれました。

 

勝負の“ローラン・ジャラベール山”に入り、ポルトやウランのSKYアシストがウィギンスのためにハイペースで牽きます。

この強力な牽引に、有力選手たちがアタックできない状況が続きます。

 

その状況を崩したのは伏兵・ウェストラ。

残り500mからの一気のアタックは、後方からの追い上げを寄せ付けず。

最後は早々にガッツポーズを見せる余裕のゴール。

前日のステージ3位に続く快走で、総合でも2位にジャンプアップしています。

 

また、ウィギンスとのスプリントを制しステージ2位のバルベルデは総合4位に。

続くウィギンスはウェストラに対し6秒差でマイヨ・ジョーヌをキープ。

ここまで順調にきていたヴァンガーデレンは終盤に脱落し、総合は6位に落としています。

 

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第6ステージ(Suze-la-Rousse~Sisteron、178.5km)-3月9日

 

【結果】

1.ルイス・レオン・サンチェス(スペイン、ラボバンク) 4:07:58

2.イェンス・フォイクト(ドイツ、レディオシャック・ニッサン) s.t.

3.ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・バラクーダ) +14″

 

【総合】

1.ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、SKY) 22:31:52

2.リューウェ・ウェストラ(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) +06″

3.リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、オメガファーマ・クイックステップ) +10″

 

●ポイント賞

アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) 74pt

 

●山岳賞

フレデリック・フェウヘレン(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) 55pt

 

●ヤングライダー賞

ティジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) 22:32:31

 

●チーム総合

オメガファーマ・クイックステップ 67:39:13

 

難易度の低いレイアウトとあって、総合争いは一休み。

逃げによるステージ争いとなりました。

 

その主役は、かつて総合優勝の経験もあるLLサンチェスと屈指の“逃げ屋”フォイクトの2人。

6人で逃げ続けるも最後の3級山岳でこの2人に絞られ、逃げ切りを容認した集団との差が開く一方に。

ゴールが近付いても協調をし続けたフェアな逃げは、残り1kmを切っていよいよ牽制。

お互いに後ろのポジションを確保しようという駆け引きは、残り500mを切って上手く潜り込んだLLが後ろからの勝負に。

先に仕掛けたフォイクトに対し、絶好の展開となったLLはいまひとつスプリントが伸びずゴールへ。

最後は、辛くもLLがハンドルを投げ出しステージ優勝のゴール。

 

メイン集団はハウッスラーを先頭にゴール。

総合上位勢は変動のない1日となりました。

 

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第7ステージ(Sisteron~Nice、219.5km)-3月10日

 

【結果】

1.トーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM) 5:11:48

2.レイン・タラマエ(エストニア、コフィディス) +6’18”

3.ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、プロジェクト1t4i) +9’24”

 

【総合】

1.ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、SKY) 27:53:04

2.リューウェ・ウェストラ(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) +06″

3.アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) +18″

 

●ポイント賞

アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) 74pt

 

●山岳賞

フレデリック・フェウヘレン(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) 64pt

 

●ヤングライダー賞

ティジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) 27:53:43

 

●チーム総合

ヴァカンソレイユ・DCM 83:38:02

 

レースはついにニースへ到達。

連続する2級山岳と、ゴール前53kmに控える1級山岳を越えると、そこは地中海。

ゴールに向かって長い下りであることから、総合成績を動かすには難しいステージ。

 

結局スタート50kmを前に逃げを決めたデヘントとタラマエがそのまま容認される格好でレースが進みます。

メイン集団に対して最大12分差を付けた2人は、最後の1級山岳でデヘントが先行。

単独でニースを目指します。

ステージ序盤で落車していたタラマエは対応できず、こちらは2位狙いの独走に。

 

一方、メイン集団は総合3位のライプハイマーがたびたび落車に見舞われるアクシデント。

2度目の落車を機にバルベルデの総合ジャンプアップを狙うモビスターがハイスピードで下りをコントロール。

アシスト4人に牽かれたライプハイマーは必死に集団復帰を目指します。

そんな矢先、先に落車していたランプレの選手の擁護に立っていたオートバイにアシストともども突っ込み3度目の落車。

この瞬間、ライプハイマーの逆転総合優勝の夢は潰えます。

 

結果、快調に逃げ続けたデヘントがこの大会自身2度目のステージ優勝。

タラマエは6分以上遅れて単独でゴール。

さらに3分以上遅れてメイン集団が帰着となっています。

 

まさかの3回落車のライプハイマーはデヘントから遅れること16分50秒でニースのゴールへたどり着いています。

 

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第8ステージ(Nice~Col d’Èze、9.6km)-3月11日

 

【結果】

1.ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、SKY) 19:12

2.リューウェ・ウェストラ(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) +02″

3.ジャン・クリストフ・ペロー(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディール) +33″

 

復活した山岳TTがクライマックスとなった今回。

 

各選手20分台のタイムでひしめき合う中、今大会なかなか目立つ場面のなかったペローが19分台の好タイムをマーク。

長い間トップタイムとして君臨します。

 

ノーマルバイクにDHバー装着の選手が多い中、完全なノーマルバイクで臨んだ総合3位のバルベルデは20分04秒と、この時点で4位と上々の走り。

残る2人を待ちます。

 

そしてトップ2。

まずは総合2位のウェストラ。

中間計測では驚異的なトップタイムをマーク、そのまま脚を緩めることなくゴールしたタイムは19分14秒。

誰もがウェストラの逆転総合優勝を期待する最高の走りを見せます。

 

第3ステージから着続けたマイヨ・ジョーヌを守りたいウィギンスは、中間計測でウェストラから2秒遅れ。

急坂でもエアロポジションをキープしたままゴールを目指します。

そしてゴールタイムは、19分12秒。

ウェストラを2秒上回りステージ優勝を果たすと同時に、文句なしの総合優勝を決定させました。

 

新城選手も無難にゴール。

最終総合成績は45位で終えています。

 

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【総合成績】

1.ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、SKY) 28:12:16

2.リューウェ・ウェストラ(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) +08″

3.アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) +1’10”

4.サイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ) +1’24”

5.ティジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) +1’54”

6.アルノー・ジャヌソン(フランス、FDJ・ビッグマット) +2’13”

7.マキシム・モンフォール(ベルギー、レディオシャック・ニッサン) +2’21”

8.シルヴァン・シャバネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ) +2’42”

9.ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、アスタナ) +3’30”

10.アンヘル・ヴィシオソ(スペイン、カチューシャ) +3’59”

 

●ポイント賞

ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、SKY) 92pt

 

●山岳賞

フレデリック・フェウヘレン(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) 64pt

 

●ヤングライダー賞

ティジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) 28:14:10

 

●チーム総合

ヴァカンソレイユ・DCM 84:39:30

 

【戦評】

“ミニツール”とも言われ、グランツールを狙うオールラウンダーにとってシーズン序盤の山場となった今回。

総合系ライダーとして十分な力を付けたウィギンスが昨年のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネに続くビッグレース2度目の総合優勝を果たしました。

 

第1,2ステージを上々の滑り出しで波に乗ったウィギンス。

得意のTTでアドバンテージを得て勝利を手にする彼らしい戦いぶりでした。

毎ステージ、ステージ狙いのチームや総合上位に付けるエースのために率先して牽くチームが出てきていたことも、SKYチーム全体に味方したと言っても良いでしょう。

ポート、ウランといった登坂力に長けたアシストを最終局面まで温存できたのはウィギンスにとって戦いやすかったのではないでしょうか。

また、第5ステージの“ローラン・ジャラベール山”では自らアタックを仕掛けるなど、これまでのルーラー系特有のテンポオンリーな上り以外にパンチ力を身に付けた点も、今後の戦い方にバリエーションを与えてくれるはず。

 

今回の殊勲者でもあるウェストラの活躍も見事。

第5ステージでは強烈なアタックで勝利をもぎ取ると、最終ステージでも激走を見せ、最後までウィギンスを苦しめました。

これまではTTスペシャリストとしての見方が強かった選手ですが、1週間程度のステージレースでは活躍が見込める1人に。

調子次第ではグランツールでもエースを任されることとなるかもしれません。

 

3位のバルベルデも充実のレース内容。

第3ステージでは得意のスタイルで勝利を収め、終始上位でレースを進めることができました。

やはり復帰直後の影響か、第5ステージの最後1級山岳は自らアプローチできず苦戦を強いられましたが、その辺の克服も時間の問題。

もちろん、今年のグランツールの目玉の1人となることでしょう。

 

第7ステージでの3度にわたる落車の影響で沈んだライプハイマー。

この落車さえ無ければ…というところですが、十分に強さを発揮した1週間でした。

チーム力も充実しており、オールラウンドに力が発揮できれば総合争いを賑わす選手であることは間違いありません。

あとは運を味方に付けたい。

 

その他、移籍早々好成績のスピラック、マイヨ・ブラン獲得のヴァンガーデレン、各ステージ上位に顔を出したジャヌソンといった若手の台頭もありました。

 

例年、パリ~ニースでは新鋭の登場に沸くレースでもあります。

昨年はデヘントの活躍がありましたが、今年は前述のウェストラのほか、第4ステージ優勝のメールスマンの戦いぶりは見事でした。

新たな力がこれからのロードレース界をさらに盛り上げてくれることでしょう。

 

日本人選手で唯一出場の新城選手。

「この時期に調子を上げるのは初めて」とのコメントもありましたが、その好調さをアピールするレースを見せました。

第5ステージでの170kmにわたる逃げ以外にも、エースであるヴォクレールやスプリンターのセバスチャン・シャバネルのアシストとしても奮起。

多くのステージでメイン集団に残ってゴールしており、多少のカテゴリー山岳なら問題なくこなせることを証明。

あとは勝利をいつ挙げられるかが焦点となりそうです。

 

パリ~ニースオフィシャルサイト http://www.letour.fr/indexPNC_us.html

 

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