パリ~ニースが「太陽のレース」なら、同時期に開催されるティレーノ~アドリアティコは「2つの海のレース」。

ティレニア海沿岸をスタートし、アドリア海を目指す、この時期恒例のイタリアレースがいよいよ開幕します。

 

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ティレーノ~アドリアティコ-3月7-13日

【過去5年の総合優勝者】

2011年 カデル・エバンス

2010年 ステファノ・ガルゼッリ

2009年 ミケーレ・スカルポーニ

2008年 ファビアン・カンチェラーラ

2007年 アンドレアス・クレーデン

 

【コース分析】

 

●第1ステージ(San Vincenzo~Donoratico、16.9kmTTT)-3月7日

 

●第2ステージ(San Vincenzo~Indicatore、230km)-3月8日

 

●第3ステージ(Indicatore~Terni、178km)-3月9日

 

●第4ステージ(Amelia~Chieti、252km)-3月10日

 

●第5ステージ(Martinsicuro~Prati di Tivo、196km)-3月11日

 

●第6ステージ(Offida~Offida、181km)-3月12日

 

●第7ステージ(San Benedetto del Tronto、9.3kmTT)-3月13日

 

今年もティレーノならではの長距離ステージが織り込まれました。

総合争いは第4,5ステージ次第と言えそうです。

 

第1ステージは今年もTTT。

プロチームが一堂に会するレースでは今年最初のTTTとなるだけに、チーム力を占う絶好の機会になるでしょう。

 

第2,3ステージはスプリンター向け。

後に控えるミラノ~サンレモを見据えた、スプリンターの調整具合にも注目が集まります。

コースレイアウト的には難易度がそう高くはないことから、有力スプリンターにとってはトラブルが無い限りはゴールまで落ち着いて走れそう。

 

勝負の第4,5ステージ。

第4ステージはゴール前残り2kmから1kmにかけて最大勾配19%、平均勾配12.2%の激坂区間。

この区間をクリアしてからさらにゴールまで1kmの緩斜面が控えており、この激坂区間を落ち着いてこなし、残り1kmを最速で走った選手が勝利をつかむことでしょう。

残り65kmからのPasso Lancianoから有力チームはアシストを使ってペースを上げてくると予想されます。

 

第5ステージは14kmを上るPrati di Tivoの山頂ゴール。

ここで総合争いは大勢決すると見て良さそう。

ゴール前35km弱にそびえるPiano Rosetoをこなしてから最終山岳へ向かうこのステージこそが、総合優勝を狙うライダーにとって最大の勝負どころとなるでしょう。

前のステージで遅れた選手たちによる攻撃と、前のステージまでのアドバンテージを築いた選手がどう対応するか楽しみ。

 

第6ステージはOffidaの周回コース。

ここは上れるスプリンターまたは逃げによるステージ争いになるか。

総合争いの大きな変動はないと思われます。

 

最終第7ステージは今年もSan Benedetto del TrontoでのTT。

9.3kmと短いことから、短距離TTスペシャリストによる競演と予想。

総合優勝争いが数秒単位の場合は大逆転も考えられますが、第4,5ステージのコースレイアウトから推察するに、そう劇的な変動はないかもしれません。

 

【注目選手】

ライダータイプ別に、押さえておきたい選手を独断でピックアップします。

暫定スタートリストは公式サイト、またはCycling Feverから。

 

●総合系

カデル・エバンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) ←ディフェンディングチャンピオン

マルコ・ピノッティ(イタリア、BMCレーシングチーム)

ステファノ・ガルゼッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ) ←2010年総合優勝

ローマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ)

フレデリック・ケシアコフ(スウェーデン、アスタナ)

ドミニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)

ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・バラクーダ)

ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)

ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD) ←2009年総合優勝

ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)

イェーレ・ファネンデール(ベルギー、ロット・ベリソル)

ペーター・ベリトス(スロバキア、オメガファーマ・クイックステップ)

スティーブン・クルイシュウィック(オランダ、ラボバンク)

クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・ニッサン)

ワウテル・プールス(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)

 

●スプリンター

ダニーロ・ナポリターノ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)

マヌエル・ベレッティ(イタリア、アージェードゥーゼル・ラモンディール)

ボルト・ボジッチ(スロベニア、アスタナ)

サッシャ・モドロ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)

オスカル・ガット(イタリア、ファルネーゼヴィーニ)

タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・バラクーダ) ←2011年ステージ1勝

マシュー・ゴス(オーストラリア、グリーンエッジ)

オスカル・フレイレ(スペイン、カチューシャ)

アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD)

ペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)

ダニエル・オス(イタリア、リクイガス・キャノンデール)

アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)

フランシスコ・ホセ・ベントソ(スペイン、モビスター)

ゲラルド・チオレック(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)

マッティ・ブレシェル(デンマーク、ラボバンク)

マイケル・マシューズ(オーストラリア、ラボバンク)

ダニエレ・ベンナーティ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)

マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、SKY)

エドヴァルド・ボアッソン・ハーゲン(ノルウェー、SKY)

クリストファー・サットン(オーストラリア、SKY)

ファン・ホセ・アエド(アルゼンチン、サクソバンク) ←2011年ステージ1勝

ケニー・ファンヒュンメル(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)

 

●その他

フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム) ←2011年ステージ1勝

アレッサンドロ・バラン(イタリア、BMCレーシングチーム)

ジョージ・ヒンカピー(アメリカ、BMCレーシングチーム)

フレフ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム)

カルロス・アルベルト・ベタンクール(コロンビア、アックア・エ・サポーネ)

リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル・ラモンディール)

エンリコ・ガスパロット(イタリア、アスタナ)

マキシム・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ)

ファビオ・デュアルテ(コロンビア、コロンビア・コルデポルテス)

アメツ・チュルーカ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)

フィリッポ・ポッツァート(イタリア、ファルネーゼヴィーニ)

デヴィッド・ミラー(イギリス、ガーミン・バラクーダ)

ヨハン・ファンスーメレン(ベルギー、ガーミン・バラクーダ)

スチュアート・オグレディ(オーストラリア、グリーンエッジ)

キャメロン・メイヤー(オーストラリア、グリーンエッジ)

ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)

アドリアーノ・マローリ(イタリア、ランプレ・ISD)

エロス・カペッキ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)

ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター)

パブロ・ラストラス(スペイン、モビスター)

ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター)

ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク)

ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン) ←2008年総合優勝

ヤロスラフ・ポポヴィッチ(ウクライナ、レディオシャック・ニッサン)

フアン・アントニオ・フレチャ(スペイン、SKY)

トーマス・ロヴクイスト(スウェーデン、SKY)

ジョニー・フーガーランド(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)

ステイン・デヴォルデル(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)

 

総合系ライダーが若干パリ~ニース寄りになったとはいえ、今回もハイレベルなメンバーが揃いました。

 

やはり筆頭格はエバンス。

昨年のツール総合優勝で彼の本当の強さは誰もが確信に変わったはず。

ツールのみならず、1週間程度のステージレースではここ数年無類の強さを発揮していると言えるだけに、今回のコースレイアウトを見ても死角を見つけるのが難しいほど。

メンバーも揃えてきているだけに、初日のTTTを無難にこなせば優位にレースを進められそう。

自らも総合を狙えるピノッティをアシストに据えて2連覇を狙える、これまでのエバンスの戦いを考えると贅沢過ぎるほどの布陣で臨みます。

 

そこに続くのが2009年チャンピオンのスカルポーニとニバリ。

スカルポーニは爆発力こそないものの、常に上位に顔を出す安定感が強み。

TTが鬼門だけに、第4,5ステージでどれだけライバルとの差を付けられるかで総合の行方が見えてくるでしょう。

一方のニバリは、ツアー・オブ・オマーン第5ステージの勝利で状態の良さをアピール。

勝負どころでのアタックは強烈なだけに、どこまで我慢してその局面を迎えられるか。

時折あるステージごとの波を抑えることが勝利のカギ。

 

ロドリゲス、ベリトス、ホーナーも有力候補。

第4,5ステージはまさにロドリゲス向き。

大差をつけて最終TTを迎えられるか。

オマーン総合優勝のベリトス、ベテランのホーナーともにアシストが充実しており、早い段階で孤立することなく山岳に臨めればおもしろい勝負ができそうです。

 

ジロ出場を逃し、ここに照準を定めているであろう2010年チャンピオンのガルゼッリの戦いも押さえたいところです。

 

後に控えるミラノ~サンレモに向けて、脚の具合を確かめたいスプリンターたち。

厳しい山岳ステージを避けた選手がパリ~ニースにシフトする中、ティレーノ組もなかなかの豪華メンバー。

 

チームメンバーが完全なカヴェンディッシュシフトのSKY。

ボアッソン・ハーゲン⇔サットン→カヴェンディッシュの流れで勝負をかけます。

カヴェンディッシュ自身、ここ数年にはない最高のシーズンインを迎えており、ここでのレースにも不安材料は無いと思われます。

 

今シーズンの勝利数ではカヴェンディッシュを上回るグライペル。

ダウンアンダー、オマーンと全開でスプリントをしてきましたが、その調子を維持できているかどうか。

最終リードアウターであるヘンダーソンを欠いての今回、カヴェンディッシュのマッチアップに注目。

 

今シーズンまだ勝利の無いファラー。

トレインとの連携が上手くいっていないイメージがありますが、この大会で形にしたいことでしょう。

ライバルが多数いるだけに、早掛けを強いられたり、後ろからのスプリントを余儀なくされればほぼ勝利は不可能。

ポイントはトレインがどう機能するかと言えそう。

 

ピュアスプリンター相手に分が悪いとはいえ、第6ステージのようなコースで有利なのがサガン、フレイレ、ベンナーティあたり。

今シーズン未勝利とはいえ、例年この時期から調子を上げてくるカペッキにも期待が集まります。

 

その他、クラシックを見据えて臨むジルベールやファンスーメレン、ヴィスコンティなどの動向にも注目。

最終TTでは、カンチェラーラ、ミラー、メイヤー、マローリ、ボームといったスペシャリストたちの走りが大会に花を添えることになります。

 

【総合優勝予想】

カデル・エバンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)

 

ティレーノ~アドリアティコオフィシャルサイト

http://www.gazzetta.it/Speciali/TirrenoAdriatico/it/

 

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