3月に入り、ワールドツアーが再開されます。

その第1弾としてパリ~ニースが4日からスタート。

2月下旬以降、「パリ~ニース」と検索してこのブログにお越しいただいている方も増えてきている傾向にありますので、この機会に予習させてもらいたいと思います。

拙文・乱文はご容赦くださいませ。

 

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パリ~ニース-3月4-11日

【過去5年の総合優勝者】

2011年 トニー・マルティン

2010年 アルベルト・コンタドール

2009年 ルイス・レオン・サンチェス

2008年 ダヴィデ・レベリン

2007年 アルベルト・コンタドール

 

【コース分析】

 

●第1ステージ(Dampierre-en-Yvelines~Saint-Rémy-lès-Chevreuse、9.4kmTT)-3月4日

 

●第2ステージ(Mantes-la-Jolie~Orléans、185.5km)-3月5日

 

●第3ステージ(Vierzon~Le Lac de Vassivière、194km)-3月6日

 

●第4ステージ(Brive-la-Gaillarde~Rodez、178km)-3月7日

 

●第5ステージ(Onet-le-Château~Mende、178.5km)-3月8日

 

●第6ステージ(Suze-la-Rousse~Sisteron、178.5km)-3月9日

 

●第7ステージ(Sisteron~Nice、219.5km)-3月10日

 

●第8ステージ(Nice~Col d’Èze、9.6km)-3月11日

 

今年は最終ステージに山岳TTが復活。

9.6kmの間で高度465mを一気に登ります。

第7ステージまでに有力選手が数秒差でもつれていた場合、確実にこのステージで大きな変動があると言えるでしょう。

 

まずは第1ステージで選手たちは小手調べ。

短距離TTスペシャリストが最初のマイヨ・ジョーヌ獲得を目指してしのぎを削ることになります。

全体的に数秒単位の差になることが予想されますが、総合優勝を狙う選手がここで出遅れると、中盤ステージで繰り返し攻撃を余儀なくされます。

 

第2ステージは完全なスプリンター向けレイアウト。

後述しますが、今年はティレーノ~アドリアティコを回避してこの大会に臨むスプリンターが多いことから、激しいレースになることを期待。

 

第3ステージからは上りゴールが続きます。

第3,4ステージとパンチャー系ライダーや第1ステージで出遅れた選手たちが次々と攻撃を仕掛けることになりそう。

“上れるスプリンター”なども、生き残れば勝利のチャンスがあるでしょう。

 

そしてクイーンステージである第5ステージ。

途中1級山岳2つをこなしたうえで、ゴールの1級頂上ゴールを目指します。

残り3kmの平均勾配は10.1%。

このステージで総合争いは数名に絞られることになるでしょう。

比較的パンチ力のある選手に有利なレイアウトかもしれません。

 

第6ステージはスプリンター、または逃げにチャンスのあるステージ。

前のステージまでに総合タイムで遅れている選手の逃げが容認される可能性も高いでしょう。

また、ゴール前12kmに控える3級山岳を利用したアタックの応酬にも期待。

スプリンターチームがどうコントロールするかも1つ焦点となりそうです。

 

そして“太陽のレース”恒例のニースステージ。

ここ数年は逃げによるステージ争い、総合上位陣は牽制し合いながらゴールを目指す構図でしたが、今年はいかに。

翌日の山岳TTを前に、第5ステージまでに差を付けられている有力選手にとっては最後の仕掛けどころ。

最後の1級山岳はゴールから50km以上前。

その後は長い下りとなるため、仕掛けどころが難しいでしょう。

 

最終の山岳TTは9.6kmとはいえ、数十秒単位で差が付く可能性があります。

それだけに、ここでベストの走りをしないことには総合優勝は無いと言えるでしょう。

TTではありますが、このステージはクライマーに有利に働くことになると思われます。

 

【注目選手】

ライダータイプ別に、押さえておきたい選手を独断でピックアップします。

暫定スタートリストは公式サイト、またはCycling Feverから。

 

出場選手確定につき、一部リストアップを変更しています。

 

●総合系

ニコラス・ロッシュ(アイルランド、アージェードゥーゼル・ラモンディール)

ジャン・クリストフ・ペロー(フランス、アージェードゥーゼル・ラモンディール)

ヤネス・ブライコヴィッチ(スロベニア、アスタナ)

ケヴィン・シールドライエルス(ベルギー、アスタナ)

ティジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)

レイン・タラマエ(エストニア、コフィディス)

サンディ・カザール(フランス、FDJ・ビッグマット)

イゴール・アントン(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)

クリストフ・ルメヴェル(フランス、ガーミン・バラクーダ)

デニス・メンショフ(ロシア、カチューシャ)

ダミアーゴ・クネゴ(イタリア、ランプレ・ISD)

イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)

アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)

リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、オメガファーマ・クイックステップ)

トニー・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ) ←ディフェンディングチャンピオン

バウク・モレッマ(オランダ、ラボバンク)

ルイス・レオン・サンチェス(スペイン、ラボバンク) ←2009年総合優勝

アンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック・ニッサン) ←2011年ステージ1勝

アンディ・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン)

フランク・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン)

ジェローム・コッペル(フランス、ソール・ソジャサン)

リッチー・ポート(オーストラリア、SKY)

ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、SKY)

 

●スプリンター

ジャコポ・グアルニエリ(イタリア、アスタナ)

トル・フスホフト(ノルウェー、BMCレーシングチーム)

ヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、FDJ・ビッグマット)

コルド・フェルナンデス(スペイン、ガーミン・バラクーダ)

ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、ガーミン・バラクーダ) ←2011年ポイント賞

イェンス・ケウケレイエ(ベルギー、グリーンエッジ)

アイディス・クルオピス(リトアニア、グリーンエッジ)

アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)

グレガ・ボレ(スロベニア、ランプレ・ISD)

エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)

グレゴリー・ヘンダーソン(ニュージーランド、ロット・ベリソル) ←2011年ステージ1勝

ホセ・ホアキン・ロハス(スペイン、モビスター)

トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)

ジョン・デーゲンコルブ(ドイツ、プロジェクト1t4i)

マルセル・キッテル(ドイツ、プロジェクト1t4i)

マーク・レンショー(オーストラリア、ラボバンク)

セバスチャン・シャバネル(フランス、ユーロップカー)

ロメン・フェイユ(フランス、ヴァカンソレイユ・DCM)

 

●その他(TTスペシャリスト、逃げスペシャリストなど)

タイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)

レミー・ディグレゴリオ(フランス、コフィディス) ←2011年ステージ1勝

ダヴィド・モンクティエ(フランス、コフィディス)

ピエリック・フェドリゴ(フランス、FDJ・ビッグマット)

レミ・ポリオル(フランス、FDJ・ビッグマット) ←2011年山岳賞

ジェレミー・ロワ(フランス、FDJ・ビッグマット)

ロメン・シカール(フランス、エウスカルテル・エウスカディ)

トーマス・デッケル(オランダ、ガーミン・バラクーダ)

セプ・ファンマルケ(ベルギー、ガーミン・バラクーダ)

サイモン・ジェランス(オーストラリア、グリーンエッジ)

バート・デクレルク(ベルギー、ロット・ベリソル)

ホセ・イヴァン・グティエレス(スペイン、モビスター)

ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、モビスター)

シルヴァン・シャバネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)

カルロス・バレド(スペイン、ラボバンク)

イェンス・フォイクト(ドイツ、レディオシャック・ニッサン)

ジェラント・トーマス(イギリス、SKY)

新城幸也(日本、ユーロップカー)

トマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー) ←2011年ステージ2勝

ニック・ナイエンス(ベルギー、サクソバンク)

トーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM) ←2011年ステージ1勝、マイヨ・ジョーヌ3日間着用

セルゲイ・ラグティン(ウズベキスタン、ヴァカンソレイユ・DCM)

グスタフ・エリック・ラーション(スウェーデン、ヴァカンソレイユ・DCM)

ビョルン・ルークマンス(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)

 

ディフェンディングチャンピオンのマルティンにとって、連覇を狙うには少々難しいコース設定。

長距離TTが無いうえに、山岳でのパンチ力に長けているとは言えないだけに、連覇を狙うのは厳しいか。

Ωクイックとしては、シーズンイン直後のツール・ド・サンルイスで総合優勝したライプハイマーをエースに据えてくることになるかもしれません。

 

一方で、今回のコース設定が有利に働きそうなのがバルベルデ、クネゴ、アントンあたり。

シーズンインから絶好調のバルベルデにとって、第3~5ステージは絶好のレイアウト。

クイーンステージを待たずに攻撃を繰り返せば、思わぬ大差が付く可能性も。

TTもある程度上位でまとめられる選手だけに、総合争いの中心と見て良さそうです。

また、アロヨを筆頭に十分に計算できるアシストを揃えており、優位に立てばチームごと大崩れすることはまず無いでしょう。

 

クネゴにとっては、鬼門のTTで出遅れないことが重要。

第1ステージをまとめられれば、十分に総合での勝機もあるでしょう。

アントンも同様にTTが課題。

第5ステージラスト3kmのような急坂では絶対的な力を持つだけに、それまでのステージで上手く立ち回ることができればおもしろい展開になりそうです。

 

その他有力どころとしては、バッソ、シュレク兄弟、メンショフなどが挙げられます。

ただ、バッソ、シュレク兄弟いずれもシーズン序盤はスロースタート。

どこまで勝負してくるかは微妙です。

シュレク兄弟に関しては、例年の傾向からするにフランクがエースか。

カチューシャ移籍のメンショフは安定度は間違いないだけに、状態さえ良ければ総合優勝争いに加わる可能性も。

 

若手では、昨年大ブレイクのモレッマや、移籍によっていよいよ総合エースとして独り立ちしたいヴァンガーデレンは押さえておきたい選手です。

 

スプリンターはここ数年、同時期に開催のティレーノ~アドリアティコを選ぶ選手が多かったのですが、今回はこちらをセレクトした選手が多数。

ここで勢いをつけて後に控えるミラノ~サンレモに臨みたい、といった選手が多いのではないでしょうか。

その1番手がボーネン。

シーズンインからの絶好調は言うに及ばず。

2月末のオムループ・ヘット・ニュースブラッドでは若手有望株のファンマルケに不覚を取ったものの、状態の良さは誰が見ても明らか。

これまでスプリントを支えたリードアウトマンが今回はほとんどいない状況にありますが、自力で勝負に持ち込むことは彼にとっては何ら問題の無いことでしょう。

 

そこに続くのが1t4iコンビ、デーゲンコルブとキッテル。

1~2月のレースではキッテルの方が結果を残しています。

しかし、デーゲンコルブもビッグレースに強さを発揮する選手、恐らくどちらでも勝負にいける態勢を整えてくるでしょう。

キッテルにとっては、ほぼフラットの第2ステージが狙いどころ。

チームメンバーそのものがキッテルまたはデーゲンコルブに勝たせるために組まれたメンツと言っても良いくらいなだけに、ステージ優勝は外せないミッション。

 

昨年ポイント賞のハウッスラーも徐々に調子を上げてきた1人。

今年チームに加入したフェルナンデスを発射台に、ポイント賞2連覇といきたいところ。

 

上りで生き残ればフスホフトのスプリント勝利の芽も。

第6,7ステージあたりで狙ってくるかもしれません。

 

フタロヴィッチ、ヘンダーソン、ケウケレイエ、フェイユなども混戦の中から抜け出して勝利をつかむ可能性がある選手たち。

ビッグレースでの戦い方を知っているだけに、勝機は十分にあると言えます。

 

総合、スプリント以外では、第1ステージのTTを誰が制すかが見もの。

フィニー、ラーションなどのスペシャリストが上位に顔を出してくるでしょう。

 

ロワ、シャバネル、フォイクト、ヴォクレールといった“逃げ屋”の大仕事にも期待。

逃げと言えば、昨年のこの大会で一躍脚光を浴びたデヘントも忘れてはなりません。

今回はスプリンターにとってポイント賞が獲得しにくいコース設定であることから、こうした選手たちが中間ポイントを稼いで結果的にマイヨ・ヴェール獲得、なんてことも考えられます。

 

そして、何と言っても我らが新城選手の出場。

シーズン序盤のフランス・ベルギーレースでまずまずの走りを見せてのメンバー入り。

直前のル・サミンでも終盤に逃げを試みるなど、好調の様子。

今年最初の山場として臨むこのレースで日本のファンを喜ばせる走りをしてほしいところです。

 

【総合優勝予想】

アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)

 

パリ~ニースオフィシャルサイト http://www.letour.fr/indexPNC_us.html

 

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