昨日終了したフランスレース、ツール・ドゥ・オートヴァール(UCI2.1)。

第2ステージ最後のファイエンスの上りを制した選手に「!?」となった方もいるかもしれません。

実際、Twitter上でも「誰?」といったツイートが多数見受けられました。

 

その正体。

ジョナサン・ティーナン-ロック、イギリス人。

エンデュラレーシング所属の27歳。

昨年のツアー・オブ・ブリテンの山岳賞を獲得した選手と言えばピンとくる人がいるのではないでしょうか。

 

オートヴァールの総合優勝で今シーズン5勝目。

これ、アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)やエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、リクイガス)と並んで、何気にシーズン最多勝だったりします。

今月上旬のツール・メディテラネアンで総合も含めての3勝は、強風や寒さによる悪条件下でトップライダーが無理をしないorリタイアした中でのリザルトだったのこともあり、まぁこんなこともあるかな…くらいに見ていましたが…。

昨日だけでなく、上りスプリントで集団を引き離してゴールした一昨日の第1ステージ(逃げ切った2人に続いて3位)の走りを見る限り、どうやら本物のよう。

 

上りで上半身全体を揺する独特のダンシングが特徴のティーナン-ロック。

過去のリザルトを見ていくと、2009年からいくつかのレース結果が出てきました。

それ以前は国内選のリザルト程度。

 

いろいろと調べてみると、ある程度判明しました。

 

イングランド南西部のプリマス生まれ。

ジェレミー・ハントやヤント・バーカーなどを輩出したサイクリングクラブ出身で、15歳でマウンテンバイクでデビュー、18歳でロード転向。

2004年にヴェローナで開催された世界選手権ではU23ロードのイギリス代表に選出、アンダーカテゴリーでは将来を嘱望された選手だったとか。

その証拠に、翌年フランスの名門アマチュアチーム『CC Etupes』に加入し、アマチュア・ツール・ドゥ・オートヴァールで優勝しています。

 

しかし、順調に見えたキャリアに暗雲が。

ウイルス感染による戦線離脱、回復後も疲労回復の遅れや不眠、軽いライド程度で風邪のような症状が出るといった状態に悩まされることに。

それを機に、ロードレーサーとしてのキャリアを一旦終え、ブリストル大学での学位取得に専念。

実際、U23イギリス代表に選ばれた2004年以後、2008年までリザルトが残っていないのですが、その理由は学業専念にあったものと思われます。

 

2008年に競技復帰しアマチュアチームでの活動を経て、2009年にはPlowman Craven – Madisonと契約。

2010年からは世界的人気チーム、ラファコンドル・シャープに加入し、昨年のブリテン山岳賞獲得。

そして今年からはエンデュラレーシングに移籍し、今回の活躍にいたっている、というわけです。

 

2010年のツアー・オブ・ジャパンにラファが出場した際は、当時イギリスチャンピオンだったクリスチャン・ハウスなどがメンバー入りし話題になりましたが、ティーナン-ロックはメンバー外で来日していません。

それもあってか、日本のファンには馴染みの薄い選手でした。

こうして突然力を発揮し始めるとどうしても“ド”の字を疑ってしまったりしますが、ロードキャリアそのものが浅いことや、去年まで2クラスの山岳ステージでは数勝している実績もあるので、恐らく大丈夫かと思います。

というか大丈夫でしょ!

 

競技復帰する際に、ヨーロッパのトッププロになることを諦め、イギリスのプロチームとの契約を目指したという彼。

しかし、この活躍でもしかするともしかするかもしれません。

まだシーズン序盤、先に控えるグランツールやその他ビッグレースに向け、パンチャー的要素を備えた登坂力を求めているチームが着手するかもしれません。

現在所属するエンデュラレーシング自体がプロチーム所属経験のある選手が揃い、コンチネンタルチームとしては“戦える集団”であることは間違いないですが、あとは本人の気持ち次第か!?

トップチームからのオファーがあるかはもとより、一度は諦めた国外でのプロ契約を目指すかどうか本人の判断も気になるところです。

 

ジョナサン・ティーナン-ロック。

この勢いがいつまで続くのか、目が離せません。

 

Twitter:Jonathan T-Locke @J_T_Locke

Facebook:Jonathan Tiernan-Locke

 

 

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