昨日、J SPORTSが4月に開催されるクラシックレース、ロンド・ファン・フラーンデレンとアムステルゴールドレースの放映を発表しました。

一方で、今年も世界選手権の放映を行わないことにも言及していました。

 

J SPORTSでの放映がないレースに関しては、ストリーミングで観られたら良いくらいの感覚でいることもあり、昨年に続いて今年も世界選手権の放映がないことに関しても、特にがっかりするわけでもなく「そんなもんか」くらいで受け止めました。

というのも、自宅でのJ SPORTS本格導入が昨年と、TwitterやFacebookでお世話になっているRRファンの方々よりも比較的遅く、ストリーミングでの観戦期間が長かったことからそれほどの抵抗がないというのがあります。

ツールのような権利の厳しいレースなんかは、観るもの観るもの次々と検閲に引っかかっていく中で、どうにかこうにか生き延びているストリーミングを渡り歩いて観ていたので、その経験から観られるだけで上等だという意識が強いのです。

ただ、現地で中継しているテレビ局が配信しているものを除いて、ストリーミングによるレース観戦は決して望ましいことではないというのは強調しておきたいと思います。

それは、「観るな」「おすすめしない」という次元の話ではなく、観戦するにあたってのさまざまな観点からの話ですので、今回は膨らまさないでおきます。

 

ビッグレースの放映がなされないとなると、どうしても「放映権が獲得できなかった=お金の問題」といった見方をされがちになります。

観たい側にとっては、観られない理由として着目しやすい部分であることは間違いありません。

 

そこで、お金の問題を前提に考えてみますが、そこには複雑な事情が絡んでいるのだと思います。

お金の問題以外で放映できないケースもあるかとは思いますので、あくまでもこれは一例として。

 

私も普段はメディアの仕事(報道機関ではありませんが)を本業としていることもあり、ある程度想像がつきます。

テレビ、ラジオ、新聞、雑誌といった媒体はスポンサー収入が多くを占めていることから、そのスポンサーの意向によってネタをピックアップすることがしばしばあります。

もちろん、テレビであれば視聴者、新聞・雑誌の紙媒体であれば読者の要望やニーズに応じた構成にするのが基本ではありますが、そこに“スポンサーの意向”というものをどうしても組み込まねばならないことがあるのです。

それが仮に視聴者・読者に不必要な情報であったとしても、作り手にお金を落としている立場の人たちの声を反映させねば、番組や誌面自体が無くなる可能性があるだけに、無視するもできません。

 

したがって、いくらビッグレースを放送局側が放映したくても、ファンがテレビで観戦したくても、スポンサーの意向にそぐわなければそれは実現が難しくなります。

ここまでの流れから世界選手権を例に挙げますが、2012年の世界一が決まるレースでその価値をスポンサー側が理解していたとしても、番組スポンサー費用に充てる予算の都合、時期的に推したい商品があるか否か、ほかにスポンサードしたいレース中継がある、などといった理由から敬遠することは大いにあり得るということです。

また、放映する側(放送局)としても、そこに利が生まれなければビジネス的なメリットがありません。

放映権料や実況・解説者へのギャラに対して、スポンサーなどからの収入が無ければ赤が出ることは説明するまでもないでしょう。

 

昨年の世界選手権で放映権を日本のテレビ局が獲得しなかったことについて、数局に問い合わせをした人がいたそうですが、局側のレスポンスは「権利上の都合で」といったニュアンス一点張りだったとか。

ファンとしては、局側のその姿勢に立腹するのは理解できなくもありません。

なぜ放映しないのかの問いに対して、「権利上の都合で」というのは明確な返答にはなっていないのは確か。

しかし、局と局、局とスポンサーのやり取りをいちいち視聴者に説明する必要性もありません。

ファンとしては妥協ではありませんが、放映できないことについては上記のことなどを踏まえたうえで、一定の理解を示す必要性があると私は考えます。

ちなみに、昨日J SPORTSツイッターアカウントの中の人があるリプライに対して「放送権を持っていない理由は各取引先様も関係する機密事項になりますので・・・」と応えていましたが、これが返答できうるMAXの内容と言えるかと思います。

私も本業でもし似たような問い合わせがあれば、これに近い返答をするだろうと想像をしました。

 

もっとも、作り手は観る側の要望や意見を無視しているわけがありません。

その意識はファンや視聴者が失ってはいけない部分だと思います。

そして、作り手にも実現できること、応えられることには種々の事情から限界があるということも忘れてはいけません。

 

決してJ SPORTSの肩を持っているわけではないのですが、局側の立ち位置とファンとしての立ち位置双方に身を置いて考えてみました。

リクエストすること、要望を出すこと、問い合わせることはやろうと思えば簡単なことです。

結果や答えに対して感情的になるばかりではなく、考えられる理由や事情を整理しながら自分なりに解釈するのも、ファンならびに視聴者として必要な姿勢ではないでしょうか。

 

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